今月のアルツハイマー病研究の専門ジャーナル(電子版)に、沖縄において、血中オメガ3系必須脂肪酸の濃度と認知機能との関連を調べた研究が、琉球大学と米国の大学から報告されていました。
(
J Alzheimers Dis. 2016 Feb 16.)
EPAや
DHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。
先行研究(疫学研究)では、
オメガ3系必須脂肪酸(EPAとDHA)の豊富な魚の摂取による認知機能の維持(認知機能低下の抑制)作用が示唆されています。
しかし、高齢者において、血中のオメガ3系必須脂肪酸の濃度と、認知機能との関係は明確ではありません。
そこで、今回の研究では、
地域に居住する高齢者(認知症ではない高齢者)において、
血中オメガ3系脂肪酸の濃度と、認知機能との関連が検証されました。
具体的には、
2011年に、横断研究として、
沖縄在住の基本的には健康な80歳以上の高齢者185名(平均年齢84.1±3.4歳)を対象に、
血中のDHA、EPA、アラキドン酸(AA)、EPA/AA比, DHA/AA比, DHA+EPAが測定され、
年齢や認知機能(MMSE)などとの関連が調べられています。
(Keys to Optimal Cognitive Aging (KOCOA)研究の一環です。)
年齢、性別、教育、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった交絡因子で補正が行われ、多変量解析の結果、
まず、
血中DHA値は、加齢とともに低下していました。
(p = 0.04)
次に、
交絡因子で補正後、
認知機能が高い(維持されている)ほど、
血中EPA値が高値、
(p = 0.03)
血中DHA+EPAが高値
(p = 0.03)
という有意な相関が見出されました。
以上のデータから、
沖縄に居住する認知症ではない80歳以上の高齢者では、
血中EPAおよびDHA+EPAが高いほど、認知機能が保たれており、認知症リスクが低いという関連が示唆されます。
機能性食品・サプリメントの中で、ヒト臨床研究によって、認知症改善作用が示されているのは、次の成分です。
イチョウ葉エキスによる認知症への効果:メタ解析
イチョウ葉エキス
イチョウ葉エキス製剤による認知症の症状改善作用
イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ
イチョウ葉エキスの有効性と安全性
イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用
イチョウ葉エキスと認知症治療薬のシナジー
PS(ホスファチジルセリン)サプリメント
PS(ホスファチジルセリン)による認知機能改善作用
エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイル
エクストラバージンオリーブオイルによる認知症予防効果
大豆イソフラボンによる認知機能改善効果@メタ解析
・ビタミンB群
ビタミンB群投与による脳萎縮(灰白質萎縮)抑制効果と認知機能低下抑制効果
脳萎縮進行抑制効果を示した臨床研究
オメガ3系必須脂肪酸とαリポ酸によるアルツハイマー病の進行抑制効果
一般に、認知機能への効果を期待する場合には、
ビタミンB群、オメガ3系脂肪酸(
EPAや
DHA)、
イチョウ葉エキスといったサプリメントを比較的長期間(数ヵ月以上)に利用することが必要と考えられます。
また、ウコン・クルクミンによる認知症改善作用も報告されています。
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