今月の獣医学研究の専門ジャーナルに、イヌの炎症性腸疾患に対するコンドロイチンとプレバイオティクスの効果を示した研究が、スペインと英国のグループから報告されていました。
(
BMC Vet Res. 2016 Mar 10;12(1):49)
イヌ(犬)において、炎症性腸疾患(IBD)が知られており、消化管の慢性炎症に伴い、下痢や嘔吐などの症状が認められます。
原因は不明ですが、腸内フローラの乱れ(ディスバイオーシス)、遺伝素因、食事などの環境要因の関与が考えられています。
今回の研究では、
イヌの炎症性腸疾患(IBD)に対して、
コンドロイチンとプレバイオティクスの作用が検証されました。
具体的には、
ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
生検にてIBDと診断されたイヌ27頭を対象に、
・サプリメント投与群
コンドロイチン硫酸、プレバイオティクス(レジスタンス・スターチ、βグルカン、オリゴ糖)
・偽薬投与群の2群について、
180日間の介入が行われています。
実薬群の用量は、体重1kgあたり、
レジスタントスターチ215 mg, コンドロイチン硫酸10 mg CS,βグルカン26 mg
です。
試験開始時において、両群間に各種パラメーターでの差は認められていません。
実薬群(n=9)、偽薬群(n=10)が解析の対象となりました。
解析の結果、
イヌIBD活動指数(CIBDAI)は、両群において有意な改善が示されています。
(p < 0.001)
しかし、
組織学的スコアにおける有意な改善が認められたのは、サプリメント投与群でした。
(1.53-fold; p < 0.01)
また、
血中指標の解析では、
実薬群では、
60日後の時点で、
血中コレステロール値およびparaoxonase-1 (PON1)値が有意に高値であり、
(p < 0.01)
偽薬群では、
120日後の時点で、
血中の抗酸化能(TAC)が有意に低下していました。
なお、有害事象は認められていません。
以上のデータから、
イヌの炎症性腸疾患に対して、
コンドロイチン硫酸+プレバイオティクスによる好影響が示唆されます。
しかし、
CIBDAIといった指標では有意差が認められておらず、論文著者らは、検出力不足の可能性を考察しています。
今後、さらに臨床的意義の検証が期待される分野です。
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