今月の科学誌に、糖尿病と脂質異常症患者において、オメガ3系脂肪酸サプリメントによる腎機能への作用を検証した臨床研究が報告されていました。
(
PLoS One. 2016 May 2;11(5):e0154683.)
EPAやDHAといったオメガ3系脂肪酸では、抗炎症作用を介した動脈硬化抑制作用による生活習慣病予防効果が知られています。
今回の研究では、
糖尿病と高中性脂肪血症の患者において、
オメガ3系脂肪酸サプリメントによる腎機能への作用が検証されました。
具体的には、
2型糖尿病患者344名を対象に、
(被験者には、高中性脂肪血症に対してオメガ3系脂肪酸サプリメントの利用歴のある患者も含まれています)
尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)や糸球体濾過量(GFR)が調べられています。
オメガ3系脂肪酸サプリメントの用量での層別解析も行われています。
解析の結果、
オメガ3系脂肪酸サプリメントの投与により、
血中総コレステロール値、中性脂肪値、尿中ACRの有意な減少(=尿中アルブミンの低下)が見出されました。
被験者の半数にあたる172名の患者では、腎機能の低下は認められず、
125名(36.3%)ではGFRの緩やかな増加が認められました。
用量別では、
1日あたり4グラムのオメガ3系脂肪酸サプリメント投与群では、
4グラム未満の摂取群に比べて、
腎機能の維持が顕著でした。
(p < 0.001)
多変量解析の後でも、オメガ3系脂肪酸サプリメントの用量依存的な腎機能保護作用が示されています。
以上のデータから、
脂質異常症および糖尿病を有する患者において、
オメガ3系脂肪酸サプリメントによる腎機能保護作用、腎障害リスク低下作用が示唆されます。
EPAや
DHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。
EPAやDHAといったオメガ3系脂肪酸では、抗炎症作用を介した動脈硬化抑制作用による生活習慣病予防効果が知られています。
オメガ3系脂肪酸の抗炎症作用のメカニズムとして、以前は、オメガ6系との比率からアラキドン酸カスケードへの機序が考えられていました。
現在では、これに加えて、EPAとDHAの代謝物自体に抗炎症作用があることがわかっています。
臨床研究におけるオメガ3系脂肪酸の投与量は、1日あたり数百ミリグラムから4グラム程度です。
また、EPA:DHA=2〜3:1の割合です。
日本人の食事摂取基準では、EPAおよびDHAの摂取量を一グラム/日としています。
EPAもDHAも、どちらも健康維持や疾病予防に重要です。
一般に、
DHAは脳の栄養素、
EPAは血管の栄養素といえるでしょう。
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