今月の植物療法研究の専門ジャーナル(電子版)に、メタボリック症候群に対する亜麻仁(フラックスシード)の有用性を検証した臨床研究が、イランのグループ(Shahid Beheshti University of Medical Sciences)から報告されていました。
(
Phytother Res. 2016 May 6)
フラックスシードオイル(亜麻仁油)は、α-リノレン酸が豊富であり、抗炎症作用などの機能性が示されています。
ベジタリアン向けのサプリメントとして、EPAやDHAの代わりにも広く利用されています。
フラックスシード(亜麻仁・あまに)は、α-リノレン酸の他、リグナン類、食物繊維なども含まれています。
さて、
今回の研究では、
メタボリック症候群に対する生活習慣改善指導において、亜麻仁油の併用による有用性が検証されました。
具体的には、
メタボリック症候群患者44名を対象に、
・ライフスタイルに対する改善指導+フラックスシード(30グラム/日)
・ライフスタイルに対する改善指導
の2群について、比較が行われています。
メタボリック症候群の被験者の減少割合は、
投与前に比べて、
対照群では50%、
フラックスシード併用群では82%
でした。
また、
上半身肥満の改善割合は、
対照群の13%、
亜麻仁の36%
でした。
さらに、
インスリン抵抗性の改善は、
対照群に比べて、
亜麻仁において有意でした。
(p < 0.001)
体重、ウエスト周囲径、BMIは、両群ともに有意に減少し、
亜麻仁群のほうが、対照群よりも顕著な減少が認められています。
(p < 0.05)
なお、血圧は両群とも変化は認められていません。
以上のデータから、
メタボリック症候群患者において、
亜麻仁(フラックスシード)投与による補完療法としての有用性が示唆されます。
一般に、亜麻仁油・フラックスシードオイルは、オメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含むため、抗炎症作用を介した生活習慣病予防効果が示されています。
ただし、
今回の研究は、イランでの臨床試験ですので、日本人で同様の効果が検出できるかどうか、今後の検証が必要です。
先行研究でも有用性が示されています。
フラックスシード(亜麻仁)による降圧作用:メタ解析
近年の研究によって、DHAやEPAといったオメガ3系脂肪酸が、動脈硬化抑制作用や抗うつ作用など多彩な働きを有することが示されています。
一般に、青魚がDHAやEPAの豊富な食材として知られており、オメガ3系脂肪酸の供給源として魚油サプリメントが利用されます。
一方、体内の代謝経路では、アルファリノレン酸がEPAおよびDHAの前駆体であることから、魚類の摂取が少ない場合の代替サプリメントとして、亜麻仁油(フラックスシードオイル)などが推奨されることがあります。
ただし、体内では、アルファリノレン酸からEPA,DHAへの転換効率が低いため、臨床的に有意な量が摂取できるかどうか、議論が続いています。
(なお、EPAやDHAの前駆体であるという以外に、アルファリノレン酸には、独自の作用もあると考えられます。サプリメントの研究では、アルファリノレン酸としての投与による働きも報告されています。)
DHCでは,α-リノレン酸含有サプリメントとして,
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むずむず
を製品化しています。
(α-リノレン酸・オメガ3系必須脂肪酸は,花粉症対策の機能性食品成分としても知られています。)
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