今月の栄養学の専門ジャーナルに、2型糖尿病において、レスベラトロールによる神経活動と血液循環を改善したという臨床研究が、オーストラリアの研究グループ(University of Newcastle)から報告されていました。
(
Nutrients. 2016 Jul 12;8(7).)
レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。
レスベラトロールは、長寿関連遺伝子の1つであるサーチュイン遺伝子の活性化を介して、アンチエイジング効果があるのでは、と期待されています。
長寿になるかどうかを確認するためのヒト臨床試験は容易ではありませんが、
最近の臨床研究では、内分泌代謝疾患や生活習慣病の改善効果が示唆されています。
2型糖尿病での循環不全は、認知機能障害にも関与すると考えられます。
そこで、今回の研究では、
2型糖尿病において、
レスベラトロールの投与による脳循環への作用が検証されました。
なお、すでに、先行研究では、
レスベラトロールの急性投与によって、
高二酸化炭素負荷に対する脳血管反応が改善することが示されています。
そこで、今回は、
血中レスベラトロール値と、
認知機能、
神経血管カップリング能との関係が調べられました。
(認知刺激に対するCVR;神経血管カップリング能。
脳内の神経活動と血液循環との緊密な関連をneurovascular couplingといい、neurovascular unitで構成され、脳内の微小循環の維持および病態に関与しています。)
具体的には、
40−80歳の2型糖尿病患者36名を対象に、
レスベラトロールが、
0, 75, 150, 300 mgの用量で1週間ごとにゴウよされ、
ドップラー超音波法により、認知機能テスト付加時の血流速度が測定されました。
解析の結果、
偽薬投与群に比べて、
75mgのレスベラトロール投与群では、
神経血管カップリング能の有意な改善、および血中レスベラトロール血との有意な相関が見出されました。
また、
マルチタスク能力(multi-tasking test battery)の指標では、
75mgおよび300mgのレスベラトロール投与によるパフォーマンスの向上が認められています。
以上のデータから、
論文著者らは、
2型糖尿病患者において、
75mgのレスベラトロール投与によって、
神経血管カップリング能および認知機能の改善が認められる
と考察しています。
今後、長期間のレスベラトロール投与による臨床的意義の検証が期待される分野です。
現在、
レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、代謝に好影響を及ぼすことから、健康維持や生活習慣病予防からアンチエイジングの分野で注目されています。
例えば、基礎研究では、
レスベラトロールによるインスリン抵抗性改善作用
レスベラトロールによる糖尿病予防
レスベラトロールによる糖代謝改善作用
レスベラトロールの心不全リスク低減作用
レスベラトロールによる肥満予防のメカニズム
レスベラトロールによる抗がん作用
レスベラトロールによる大腸がん抑制作用
レスベラトロールの抗炎症作用
動脈硬化抑制作用
という報告があり、
ヒト臨床研究では、
レスベラトロールによる肥満者での代謝改善
レスベラトロールによる糖尿病改善作用
レスベラトロールによる脳循環改善
子宮内膜症関連痛に対するレスベラトロールの効果
という報告が知られています。
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