臨床内分泌学の専門ジャーナルに、性腺機能低下症により低テストステロン血症となっている2型糖尿病の男性において、大豆摂取による糖代謝改善作用を示した臨床研究が、イギリスのグループ(Hull York Medical School)から報告されていました。
( J Clin Endocrinol Metab. 2016 Oct 31:jc20162875)
大豆には女性ホルモン様作用を有するイソフラボン類が存在し、婦人科系の症状改善や生活習慣病予防効果が知られています。
性腺機能低下症による低テストステロン血症を示す男性において、抗エストロゲン作用としての大豆イソフラボンの働きは明確ではありませんでした。
そこで、今回の研究では、低テストステロン血症の2型糖尿病の男性において、大豆摂取による働きが検証されました。
具体的には、
ランダム化二重盲検試験として、
英国のクリニックにおいて、
総テストステロン値が12nmol/L以下の2型糖尿病の男性200名を対象に、
・大豆たんぱく15グラム、イソフラボン66mgの投与群、
・大豆たんぱく15グラムのみの投与群(イソフラボンはナシ)
の2群について3か月間の介入が行われています。
解析の結果、
総テストステロン値あるいは遊離テストステロン値には、両群間で有意差は認められませんでした。
一方、
大豆たんぱく15グラム+イソフラボン66mgの併用投与群では、
TSHの有意な上昇と、フリーT4の有意な低下が認められ、
(p<0.01)
糖代謝の有意な改善も認められています。
HbA1cの有意な低下
(-4.19(7.29)mmol/mol,p<0.01)
インスリン抵抗性(HOMA-IR)の有意な改善が見出されています。
また、心血管リスクである中性脂肪値、CRP値、拡張期血圧も、
大豆たんぱく15グラム単独投与群よりも、
大豆たんぱく15グラム+イソフラボンの併用投与群において、有意な改善が認められたということです。
3か月間の大豆たんぱく15グラム+イソフラボン66mgの投与により、
10年間の心血管リスクが6%改善したという計算になります。
その他、
血管内皮機能は、両群とも有意な改善を示しましたが、
(p<0.01)
大豆たんぱく15グラム+イソフラボン投与群において、より顕著な効果が見出されています。
以上のデータから、
性腺機能低下症による低テストステロン血症の2型糖尿病の男性において、
大豆たんぱく15グラム+イソフラボンの投与は、テストステロン値には有意な変化は示しませんでしたが、
糖代謝や心血管リスクの改善、TSHやfT4への有意な作用を示しています。
DHCでは、
大豆イソフラボン、
プエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの
複合サプリメントなどを製品化しています。
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