サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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コエンザイムQ10とセレンが血中microRNAの発現に影響を与える [2017年05月03日(水)]
科学誌プロスワンに、高齢者において、コエンザイムQ10とセレンのサプリメント投与により、血中microRNAの変化を示した臨床研究が、スウェーデンのグループ(Linköping University)から報告されていました。
(PLoS One. 2017 Apr 27;12(4):e0174880.)




マイクロRNA(microRNA, miRNA)とは、21〜25塩基長の1本鎖RNA分子であり、真核生物において遺伝子の転写後発現調節に関与する分子として、1990年代に発見されました。
ヒトゲノムには、1000以上のmicroRNAがコードされていると推定されています。

microRNAは、遺伝子の転写後調節を行う最も重要な調節因子であり、

microRNAは、タンパク質をコードする遺伝子のうち30%以上に対して、その発現調節を行うとされています。

microRNAが作用する転写抑制は、代謝やアポトーシス、細胞増殖や分化など多くの分野で重要な役割を果たしていると考えられています。


コエンザイムQ10は、ミトコンドリア機能において、APT産生に関与する脂溶性ビタミン様物質です。

セレンは、ミネラルの1種であり、抗酸化作用を有しています。

コエンザイムQ10も、セレンも、いずれも、細胞機能に必須の成分です。

セレンの摂取不足は、欧州で特に問題になっています。

また、内在性コエンザイムQ10(CoQ10)は、加齢とともに減少することが知られています。



先行研究では、

高齢者において、

コエンザイムQ10とセレンのサプリメント投与により、

心血管死亡の減少、炎症マーカーの低下といった作用が示唆されています。


しかし、
これらのサプリメント投与時におけるmicroRNAの変化については、明らかではありませんでした。



そこで、

今回の研究では、

健康な高齢者443名を対象に、

1日あたり200マイクログラムのセレン(セレン酵母含有サプリメント)と、
1日あたり200mgのコエンザイムQ10サプリメントカプセルを併用投与した群と、

偽薬投与群の2群について、


4年間の投与試験が行われ、

各群から25名の参加者が無作為に選ばれて、

血漿中のマイクロRNAが測定され、主成分分析(PCA)などが行われています。


解析の結果、

マイクロRNAが172種類検出できる検査キットを用いて、

172種類のうち、今回の試料から

145種類の異なるマイクロRNAが見出されました。

PCAプロットでは、2クラスターが両群間で有意差があるとされました。



まず、介入前には、

両群間でマイクロRNAの発現には有意差は認められませんでした。


次に、

介入後の2群の比較では、

70個のマイクロRNA発現において有意差が見出されました。

特に顕著な差が見出された20のマイクロRNAでは、発現量の佐が最大4倍であったということです。


以上のデータから、


高齢者において、コエンザイムQ10(200mg)+セレン(200マイクログラム)サプリメントの投与により、マイクロRNAの発現の増減が生じると考えられます。


これらの変化は、

コエンザイムQ10+セレンによる慢性炎症の抑制や心血管死亡率の減少に関わる代謝メカニズムに関与すると考えられます。

今後、コエンザイムQ10の個別化医療における有用性憲章のためのバイオマーカーとしての応用など、臨床的意義の検証が期待される分野です。




コエンザイムQ10は、抗酸化作用やATP産生作用を有する機能性成分で、体内でも産生されます。
しかし、加齢とともに内在性コエンザイムQ10は減少し、生活習慣病や慢性疾患でも低下がみられることから、アンチエイジング分野で広く摂取が推奨されているベーシックサプリメントです。

健康な人や未病の状態では、1日あたり90mg〜110mg程度をベーシックサプリメントとして毎日摂取します。

一方、何らかの疾患があり、補完療法として用いる場合には、1日あたり100mg〜300mg程度の利用になります。




コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。







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