今月のがん疫学研究の専門ジャーナル(電子版)に、コーヒーの摂取とがん死亡率との関係を調べた疫学研究が、アメリカがん協会(ACS)のグループから報告されていました。
(Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2017 Jul 27.)
これまでの疫学研究によって、コーヒーの摂取による生活習慣病リスクの低下が知られています。
例えば、コーヒーの摂取による2型糖尿病リスク低下、脳卒中リスク低下、うつ病リスク低下、肝がんリスク低下、認知機能の低下抑制などがあります。
日本でも、次の研究があります。
3杯のコーヒーで脳腫瘍が半減する@日本人
コーヒーに含まれるポリフェノールの1種、クロロゲン酸の抗酸化作用などの作用を介した効果と考えられています。
今回は、
米国での疫学研究において、
1982年の登録時点で、がんの既往や現病歴がなく、調査票に記入した、
がん予防研究U(Cancer Prevention Study-II)の参加者922,896名(28-94名)を対象に、
コーヒーの摂取と、がん死亡との関係が調べられました。
2012年までのフォローアップ中、
118,738名のがん死亡がありました。
解析の結果、
まず、
現在の喫煙者および過去の喫煙者では、
コーヒーの摂取と、全死亡との間に非線形の相関が認められており、
非喫煙者では相関は示されませんでした。
次に、非喫煙者では、
1日あたり2杯のコーヒーの摂取は、
大腸がん(結腸・直腸がん)死亡リスクの3%低減、
(HR=0.97; 95% confidence interval [CI] 0.95-0.99)
肝臓がん死亡リスクの8%低減
(HR=0.92; 95% CI 0.88-0.96)
女性乳がん死亡リスクの3%低減
(HR=0.97; 95% CI 0.94-0.99)
および、
食道がん死亡リスクの7%の増加
(HR=1.07; 95% CI 1.02-1.12)
という相関が見出されています。
また、
頭頸部がんでは、
1日2-3杯以上の摂取で、28%の死亡リスク低減という非線形の相関(多く摂取しても同程度のリスク低減)が示されました。
以上のデータから、
コーヒーの摂取により、
大腸がん(結腸・直腸がん)、肝臓がん、乳がん、頭頸部がんリスク低減作用が示唆されます。
なお、非喫煙者におけるコーヒー摂取での食道がんリスク上昇に関して、論文著者らはさらに検討が必要、と考察しています。
一般に、
コーヒーの摂取による、がんリスク低減、全死亡率低下、生活習慣病リスク低減などは確立していると思います。
一方、熱い飲み物や食べ物を摂取する習慣があると、温度刺激によって、食道がんリスクが高くなることがわかっています。
たとえば、日本では、「奈良の茶がゆ」習慣による食道がんリスク上昇、南米では、熱いマテ茶による食道がんリスク上昇が知られています。
これまでの疫学研究や臨床試験では、高血圧症の改善、心血管疾患(動脈硬化性疾患)リスクの低減、抗がん作用などが報告されています。
例えば、次のような研究が知られています。
コーヒー摂取による全死亡率と心血管疾患リスク低下効果:メタ解析
コーヒーの摂取と死亡率の関係@日系アメリカ人
コーヒーの摂取と泌尿器のがんの関係@メタ解析
コーヒーの摂取による前立腺がんリスク低下作用@メタ解析
コーヒーによる肝臓がんリスク低下作用
コーヒーの摂取と前立腺がんリスクとの関連
コーヒーの摂取による口腔咽頭がんリスク低下作用
チョコレートとコーヒーの摂取と肝機能の関係@HIV-HCV重複感染者
コーヒーの摂取が女性のうつ病リスクを抑制
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