サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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コエンザイムQ10による多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)での内分泌代謝関連遺伝子への作用 [2017年10月02日(月)]
内分泌学の専門ジャーナルに、PCOSにおいて、コエンザイムQ10投与による内分泌代謝への作用を検証した臨床研究が、イランのグループから報告されていました。
(Gynecol Endocrinol. 2017 Sep 26:1-6.)



PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、生殖年齢の女性に認められる内分泌代謝異常で、高アンドロゲン血症が認められます。

卵巣内に卵子は十分に存在しますが、毎周期の排卵が認められず、不妊症の原因となります。
同時に、肥満、糖代謝異常や脂質異常なども生じます。


コエンザイムQ10は、脂溶性のビタミン様物質であり、抗酸化作用やATP産生作用を介した疾病予防や慢性疾患の症状改善作用が報告されています。


先行研究では、次の報告があります。

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)に対するコエンザイムQ10の有用性


PCOSに対するコエンザイムQ10の作用 



さて、
今回の研究では、

PCOSにおいて、

コエンザイムQ10(CoQ10)投与による、
内分泌代謝および炎症関連遺伝子発現への作用が検証されました。

具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

PCOS患者40名を対象に、

・100mgのコエンザイムQ10投与群:20名、

・偽薬投与群:20名

の2群について、

12週間の介入が行われ、

糖代謝、脂質代謝、炎症関連遺伝子発現が調べられています。



解析の結果、

偽薬投与群に比べて、

コエンザイムQ10投与群では、


末梢単核球において、

酸化LDLR1の遺伝子発現の有意な抑制、
(p&#8201;<&#8201;0.001)

PPAR-γ遺伝子発現の有意な亢進
(p&#8201;=&#8201;0.01

が見出されました。


また、

偽薬対照群に比べて、

コエンザイムQ10投与群により、

IL-1遺伝子発現の抑制、
(p&#8201;=&#8201;0.03),

IL-8遺伝子発現の抑制、
(p&#8201;=&#8201;0.001)

TNF-α遺伝子発現の抑制
(p&#8201;<&#8201;0.001)

が認められました。


以上のデータから、

PCOS患者において、

コエンザイムQ10サプリメント投与による脂質代謝および炎症関連遺伝子発現の改善が示唆されます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。




コエンザイムQ10は、ATP産生作用や抗酸化作用を介して、さまざまな生活習慣病に効果が示されています。
健康な人や未病の状態では、1日あたり90mg〜110mg程度をベーシックサプリメントとして毎日摂取します。

一方、何らかの疾患があり、補完療法として用いる場合には、1日あたり100mg〜300mg程度の利用になります。

欧州の研究では、
がん患者にコエンザイムQ10を投与することで、生存率が向上したという報告もあります。


また、
臨床的には、がん患者では、放射線や化学療法といった治療あるいは終末期において、
がんに関連した倦怠感(Cancer Related Fatigue:. CRF)が高頻度に出現することが知られています。


コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。




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