今月の公衆衛生学の専門ジャーナルに、妊婦での葉酸サプリメントの利用状況を調べた調査研究が、武庫川女子大学と大阪母子医療センターのグループから報告されていました。
(Public Health Nutr. 2017 Nov 21:1-8.)
母親の葉酸摂取不足は、胎児の先天奇形である神経管閉鎖障害リスクとなります。
妊婦の葉酸不足リスク改善せず 学会が声明 (毎日新聞)
今回の研究では、
日本人妊婦における葉酸サプリメントの利用状況が調べられました。
具体的には、
横断研究として、
大阪母子保健センターにおいて、
2014年9月から2015年12月までの間に、
1862名の妊婦を対象に葉酸サプリメントの状況が調べられ、
解析の結果、
70.4 %の妊婦が、葉酸による神経管閉鎖障害リスク低減作用を知っていたにもかかわらず、
妊娠前後において、
葉酸サプリメントを摂っていた妊婦は20.5%に過ぎませんでした。
多変量解析では、
妊娠前後での葉酸利用と相関していた事項は、
・35歳以上、
(OR=2·80; 95 % CI 1·24, 6·29)
・葉酸利用の効果の知識、
(OR=2·64; 95 % CI 1·92, 3·62)
でした。
妊娠前後で葉酸サプリメントを摂っていた妊婦に比べて、
サプリメントを摂っていなかった妊婦は、
メディア媒体との関係性が低いことが示されました。
以上のデータから、
日本人妊婦での葉酸サプリメントの認知は比較的高いものの、
実際の利用率は非常に低いことが改めて明らかとなりました。
欧米やオセアニアでは、葉酸はシリアルなど穀類に強制添加されており、
行政は食品行政により対応を行っています。
例えば、
米国FDAでは、20年近く前の1998年に、食品に葉酸添加を義務付け、
神経管閉鎖障害・二分脊椎のリスクを大幅な低下に成功しています。
先進国の中で唯一、日本は、過去30年間、神経管閉鎖障害・二分脊椎が増加しています。
日本では、これまでに複数の調査によって、妊娠時に適切なタイミングで葉酸サプリメントを利用していた妊婦の割合は数%〜10%という報告があります。
例えば、
環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」
に関連して、
高知県内の妊婦9割が葉酸不足 環境省「エコチル調査」で判明
という報道がありました。
公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センターの二分脊椎に関する情報では、
「葉酸の役割を若年女性へ知らしめ、葉酸サプリメントの内服率を上昇させ、二分脊椎の発生頻度を低下させることが急務である」
と記載されています。
DHCの葉酸サプリメントは、国内マーケットシェア第1位です。
複数の地方自治体では、母子保健行政の中で、DHC葉酸を配布し、啓発を行っています。
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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
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