サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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コエンザイムQ10による糖尿病性腎症での糖代謝への好影響 [2017年11月29日(水)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、糖尿病性腎症・腎障害の患者において、コエンザイムQ10による糖代謝への作用を検証した臨床研究が、イランのグループ(Kashan University of Medical Sciences)から報告されていました。
(J Am Coll Nutr. 2017 Nov 7:1-6.)


今回の研究では、

糖尿病性腎症・糖尿病腎障害を有する患者において、

コエンザイムQ10サプリメントによる内分泌代謝系への作用が検証されました。


具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

糖尿病性腎症患者50名を対象に、

・1日あたり100mgのコエンザイムQ10投与群:25名、

・偽薬投与群:25名

の2群について、

12週間の介入試験が行われ、

介入の前後で内分泌代謝および抗酸化関連指標が測定されました。


解析の結果、

12週間の介入後、

偽薬投与群と比べて、

コエンザイムQ10投与群では、

血中インスリン値の有意な低下、
(-3.4 ± 6.8 vs +0.8 ± 6.4 µIU/mL, p = 0.02),

インスリン抵抗性(HOMA-IR)の有意な低下、
(-1.0 ± 2.0 vs +0.2 ± 1.8, p = 0.03),

インスリン抵抗性(HOMA-β)の有意な低下
(-12.3 ± 26.3 vs +3.5 ± 23.1, p = 0.02)

HbA1c値の有意な低下
(-1.1 ± 1.0 vs -0.1 ± 0.2%, p < 0.001)

インスリン感受性の有意な改善
(+0.009 ± 0.01 vs -0.006 ± 0.01, p = 0.01)

が認められたということです。


また、

偽薬群に比べて、

コエンザイムQ10投与により、

血中MDAの有意な低下、
(-0.6 ± 0.5 vs +0.5 ± 1.0 &#181;mol/L, p < 0.001)

最終糖化産物(AGEs)の有意な減少
(-316.4 ± 380.9 vs +318.6 ± 732.0 AU, p < 0.001)

も見出されました。


なお、
空腹時血糖値、脂質代謝指標、MMP-2では、両群間で有意な変化は見出されませんでした。


以上のデータから、

糖尿病性腎症患者において、

コエンザイムQ10投与による糖代謝改善及び酸化ストレス軽減作用が示唆されます。


慢性疾患や生活習慣病では、同年代の健常者に比べて、コエンザイムQ10が低値(あるいはATP産生能が半減)していることが示されています。

コエンザイムQ10は、2型糖尿病などの補完療法として、ベーシックサプリメントとしての摂取が推奨されます。



コエンザイムQ10+セレンによる心臓病死低下効果





コエンザイムQ10は、ATP産生作用や抗酸化作用を介して、さまざまな生活習慣病に効果が示されています。
健康な人や未病の状態では、1日あたり90mg〜110mg程度をベーシックサプリメントとして毎日摂取します。

一方、何らかの疾患があり、補完療法として用いる場合には、1日あたり100mg〜300mg程度の利用になります。

欧州の研究では、
がん患者にコエンザイムQ10を投与することで、生存率が向上したという報告もあります。


また、
臨床的には、がん患者では、放射線や化学療法といった治療あるいは終末期において、
がんに関連した倦怠感(Cancer Related Fatigue:. CRF)が高頻度に出現することが知られています。


コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。





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