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ベジタリアン食による心臓病リスク低減作用 [2018年02月04日(日)]
公衆衛生学の専門ジャーナルに、ベジタリアン食による心臓病リスク低減作用を示した疫学研究が、スロバキアのグループ(Slovak Medical University)から報告されていました。
(Cent Eur J Public Health. 2017 Dec;25(4):299-302.)

一般に、
植物性食品を中心とするベジタリアン食では、
抗酸化作用や抗炎症作用を含む機能性食品素材により、がんをはじめとする生活習慣病の予防効果が考えらます。


今回の研究では、

ベジタリアン食と非ベジタリアン食による心血管危険因子への作用が比較検証されました。


具体的には、

ベジタリアン食を長期にわたり実践してる470名と、

非ベジタリアンの478名を対象に、

脂質代謝や動脈硬化指標関連因子が調べられています。


年齢階層別での解析の結果、


非ベジタリアン群に比べて、

ベジタリアン食の摂取群では、

総コレステロール値、

LDLコレステロール値、

インスリン値、

インスリン抵抗性(HOMA-IR)が全年齢階層において、有意に低値でした。


また、

ベジタリアン食摂取群では、

非ベジタリアン群に比べて、

40歳代から70歳代において、
中性脂肪値も有意に低値でした。


その他、

ベジタリアン食摂取群では、

非ベジタリアン群に比べて、

全年齢層で、脂質代謝の指標が低く、


非ベジタリアン群では、

50歳から70歳代において総コレステロール値が高く(>5.2 mmol/l)、


70歳代においてLDLコレステロール値が高い(>3.3 mmol/l)

と相関が見出されました。


ベジタリアン食摂取群と、

非ベジタリアン群での脂質代謝の差は、

総コレステロール値:4.01–4.59 vs. 4.48–5.67 mmol/l,

中性脂肪値:1.00–1.33 vs. 1.13–1.74 mmol/l,


LDLコレステロール値: 2.03–2.58 vs. 2.43–3.49 mmol/l,

動脈硬化指数: 2.72–3.31 vs. 3.05–4.21

インスリン抵抗性(HOMA-IR): 0.99–1.15 vs. 1.15–1.84.


以上のデータから、

非ベジタリアン群に比べて、

ベジタリアン食の摂取群では、心血管リスク因子が抑制されていることが示唆されます。

一般に、
植物性食品を中心とするベジタリアン食では、
抗酸化作用や抗炎症作用を含む機能性食品素材により、がんをはじめとする生活習慣病の予防効果が考えらます。



これまでの多くの研究によって、ベジタリアン食摂取群では、非ベジタリアン食摂取群よりも、生活習慣病リスクが低いことが知られています。



ベジタリアン食による心血管疾患リスク低下作用




ベジタリアン食による血圧低下作用@メタ解析



昨年12月、アメリカ栄養士会(栄養と食事のアカデミー)の機関ジャーナルに、ベジタリアン食に関するポジションステートメントが掲載されています。

--- 米国・栄養と食事のアカデミー(Academy of Nutrition and Dietetics、前米国栄養士会から改名)は、
「適切に準備されたベジタリアン食及びビーガン食は、健康的であり、栄養学的に十分であり、いくつかの病気の予防や治療のために、健康上の好影響をもたらす、」
と考えます。

-- ベジタリアン食は、ライスサイクルのすべてのステージ、妊娠中、授乳中、乳幼児、小児、青少年、高齢者、アスリートのいずれにも適切です。

-- 植物性食品を中心とする食事は、動物性食品を多く摂る食事に比べて、より環境的に持続可能なものです。
(more environmentally sustainable)
 その理由は、より少ない天然資源を利用するため、環境負荷がより少ないことです。

-- ベジタリアン食およびビーガン食は、虚血性心疾患、2型糖尿病、高血圧、あるタイプのがん、肥満といった、いくつかの疾患のリスクを低下させます。

-- 飽和脂肪酸の摂取が少なく、野菜・果物・全粒穀類、豆類、大豆製品、種実類(これらはいずれも食物繊維とファイトケミカルが豊富)の摂取が多いことが、ベジタリアン食やビーガン食の特長であり、このため、総コレステロール値やLDL(悪玉)コレステロールが低く、血糖コントロールにも好影響を与えます。
これらの要因が、慢性疾患リスク低減に寄与します。

-- ただし、ビーガン食は、信頼性の高い、ビタミンB12の供給源(強化食品やサプリメント)の利用が必要です。


拙著でもベジタリアン食について、まとめています。

ときどきベジタリアン食のすすめ ビーガン、マクロビオテックから総合栄養学まで



なお、ベジタリアン食であれば何でも健康的になる、というわけではありません。


(例えば、野菜はナシで、パスタにチーズ、パンの組み合わせでも、ラクトオボにはなりますが。)


もちろん、栄養学的にバランスの取れた、適切なベジタリアン食を摂取することが重要です。



一般に、植物性食品の摂取が多いベジタリアン食では、ファイトケミカル・ポリフェノールの摂取が多く、抗酸化作用を介した生活習慣病の予防効果が想定されます。


北米の栄養士会が共同で発表した見解によると、「適切に準備されたベジタリアン食は、健康に有益であり、必要な栄養素を満たしており、いくつかの疾患の予防や治療にも利点がある」とされています。


実際、これまでの疫学研究によって、肉食をする人々に比べて、ベジタリアンでは生活習慣病が少ないことが示されています。

ベジタリアン食による具体的な効果として、肥満、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、高血圧、脂質異常症、糖尿病、前立腺がん、大腸がんの発症リスクが低下します。

また、日本人ベジタリアンを対象にした調査でも、ベジタリアンは、非ベジタリアンと比べて、体格指数(BMI)、血圧、血中総コレステロール値、中性脂肪値が有意に低いことが見出されています。




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