今月の泌尿器科の専門ジャーナルに、前立腺肥大症に対してノコギリヤシエキスを15年間利用した患者での安全性と有効性に関する観察研究が、ロシアのグループ(I.M. Sechenov First Moscow State Medical University)から報告されていました。
(Urologia. 2018 May 1:391560318772466.)
男性では、加齢に伴って前立腺肥大症(BPH)による排尿障害などの症状が生じます。
良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、
ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。
ノコギリヤシの有用性は、メタ解析で示されています。
ノコギリヤシエキス(Permixon)は前立腺肥大症の下部尿路症状を改善する:メタ解析
さて、
今回の研究では、
前立腺肥大症の進行抑制を目的とした、
ノコギリヤシエキスの長期投与の有効性と安全性が検証されました。
具体的には、
オープン・非対照の観察研究として、
前立腺肥大症の進行抑制に、
1日1回、320mgのノコギリヤシエキスを15年間、摂取していた患者30名を対象に、
IPSS (国際前立腺症状スコア、International Prostatic Symptoms Scale) 、
QoL (Quality of life) スコア、
前立腺関連指標(Qmax, 排尿量, 残尿量、前立腺容積)
が調べられています。
解析の結果、
自覚的な症状(IPSSおよびQoLスコア)に基づくと、
前立腺肥大症に伴う症状の進行は認められませんでした。
また、
客観的な指標(prostate volume, urination rate, residual urine volume)による評価でも、症状の進行は認められていません。
このとき、
ノコギリヤシエキス摂取に関連した有害事象は認められませんでした。
(前立腺がんも認められていません。)
以上のデータから、
前立腺肥大症の症状進行抑制のための、1日あたり320mgのノコギリヤシエキスの摂取による有効性と安全性が示唆されます。
今回の研究は、観察研究ですので、介入試験と比べると、エビデンスレベルが低いとなってしまいます。
しかし、15年間の介入試験を計画するのは非現実的なので、今回のようにノコギリヤシエキスサプリメントを15年間摂取した観察研究のデータには一定の意義があると考えます。
良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、
ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。
ノコギリヤシに関しての臨床試験や基礎研究では、次のような報告があります。
ノコギリヤシエキス(Permixon)は前立腺肥大症の下部尿路症状を改善する:メタ解析
前立腺肥大症に対してノコギリヤシは医薬品と同等の効果を示す
ノコギリヤシ+ハルナール併用はハルナール単独よりも有効
男性型脱毛症(AGA)に対するノコギリヤシの効果
ノコギリヤシの安全性を示した臨床試験
・ノコギリヤシによる前立腺肥大症と勃起障害の症状改善作用
・前立腺の健康維持にはノコギリヤシ+リコピン+セレン
・ノコギリヤシによる細胞増殖抑制作用
・ノコギリヤシによるBPH症状改善作用
・ノコギリヤシの前立腺肥大症改善作用
・前立腺切除術前のノコギリヤシ投与の効果
・ノコギリヤシ複合サプリによる慢性前立腺炎改善効果
・ノコギリヤシ・カボチャ種子による前立腺肥大症
・前立腺切除術の出血にノコギリヤシは影響しない
・ノコギリヤシでは医薬品との相互作用報告はなし
・男性型脱毛症とノコギリヤシ
・ノコギリヤシの安全性に関する系統的レビュー
・前立腺炎に対する補完療法としてのノコギリヤシ
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