サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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母親の葉酸サプリメントの摂取が小児の脳腫瘍と脊髄腫瘍のリスクを23%減らす:メタ解析 [2018年07月06日(金)]
今月の神経疫学研究の専門ジャーナルに、母親の葉酸サプリメントの摂取と、小児の脳腫瘍及び脊髄腫瘍のリスクとの関連を検証した系統的レビュー/メタ解析が、イタリアのグループ(University of Perugia)から報告されていました。
(Neuroepidemiology. 2018 Jul 3;51(1-2):82-95)




妊娠初期に葉酸サプリメントの摂取は、新生児の神経管閉鎖障害予防のために必須です。

厚労省も葉酸サプリメント(栄養補助食品)の利用を推奨しています。


葉酸サプリメントは、

妊娠の4週間前から妊娠12週までの摂取が薦められていますので、

妊娠がわかってからではなく、妊娠を考えている女性はすべて摂取、となります。

(葉酸サプリメントを1日400マイクログラム)



エコチル調査に関しては、次の報告があります。

日本での神経管閉鎖障害(二分脊椎症など)の発症率:エコチル調査


葉酸サプリメントを適切に摂取している妊婦はわずか8%!@エコチル調査アップデート



また、これまでの研究では、

母親の食事や妊娠中のマルチビタミンサプリメントの摂取などと、

小児のがんリスクとの関連を調べた調査が報告されてきました。


今回のメタ解析では、

母親の葉酸サプリメントの摂取と、

小児の脳腫瘍及び脊髄腫瘍(CBSCT)リスクとの関連が検証されました。


具体的には、

主要医学データベースを用いて、
(Insitute for Scientific Information Web of Knowledge and PubMed)

葉酸サプリメントの摂取とCBSCTとの相関を調べた関連論文が検索され、

分位法にて、最大と最小群の比較が行われています。

10報(コホート研究1報と、症例対照研究9報)が解析の対象となりました。


解析の結果、

まず、

母親の葉酸の摂取が多いと、CBSCTリスクが有意に低下(23%のリスク低下)という相関が見出されました。
(OR 0.77; 95% CI 0.67-0.88, p < 0.001; I2 = 51.22%, p = 0.001)

次に、

葉酸の摂取源別(葉酸サプリメントあるいは食事由来葉酸)および

葉酸への暴露時期(妊娠前、妊娠期間中)についての層別解析の結果、


葉酸サプリメントの摂取は、CBSCTリスクを23%低下、
(OR 0.77, 95% CI 0.66-0.90, p = 0.001; I2 = 53.18%, p = 0.001)

妊娠中の葉酸の摂取は、CBSCT リスクを20%低下、
(OR 0.80, 95% CI 0.67-0.97, p = 0.020; I2 = 62.48%, p < 0&#183;001)

という有意な相関が見出されました。


以上のデータから、

母親の葉酸サプリメントの摂取により、

小児の脳腫瘍及び脊髄腫瘍(CBSCT)リスクが低下するという相関が示唆されます。


妊娠を考える女性では、胎児の神経管閉鎖障害リスクを減らすために、合成の葉酸サプリメントの摂取が推奨されています。

(日本では母子手帳に葉酸サプリメントの必要性が記載されていますが、そのタイミングでは本来の意図からは遅すぎます。)

また、食事由来の葉酸は不安定であり、吸収率が50%と低いので、合成の葉酸サプリメントの摂取が、厚生労働省により推奨されています。

葉酸は、神経系の発達にかかわっていることから、神経管閉鎖障害(NTD)だけではなく、自閉症など神経精神関係への有用性も知られています。

自閉症(Autism spectrum disorder、ASD、自閉症スペクトラム障害)は、社会生活での関係性、言語および非言語でのコミュニケーションなどで困難が認められます。


例えば、先行研究では、次のデータが示されています。

葉酸サプリメントの自閉症スペクトラムに対する有用性


妊娠中の葉酸サプリメント摂取が自閉症リスクを低減:系統的レビュー


また、
欧米では、妊娠期間中にはマルチビタミンやマルチミネラルサプリメントの摂取も推奨されます。



妊娠初期に葉酸サプリメントの摂取は、新生児の神経管閉鎖障害予防のために必須です。

厚労省も葉酸サプリメント(栄養補助食品)の利用を推奨しています。

葉酸サプリメントは、
妊娠の4週間前から妊娠12週までの摂取が薦められていますので、
妊娠がわかってからではなく、妊娠を考えている女性はすべて摂取、となります。
(葉酸サプリメントを1日400マイクログラム)

葉酸は、食品にも含まれますが、プテロイルポリグルタミン酸という形であり、利用効率は50%です。

一方、サプリメントに利用されている合成された葉酸は、プテロイルモノグルタミン酸であり、生体での利用効率が85%と高いことが特徴です。

なお、
葉酸サプリメントに関して、10年ほど前に発表された論文で、
大腸ポリープ切除後の患者で、葉酸サプリメントを1日あたり1000マイクログラム、3年間摂取した場合に、ごく少数にポリープの悪性化が認められたという報告があります。

しかし、その後の疫学研究では、葉酸は大腸がんリスクを低下させることが示されており、その他の研究でも、葉酸サプリメントの摂取と発がんとの関係は否定されています。

そのため、葉酸サプリメントの利用は、中高年の動脈硬化予防の点からも推奨されます。


日本での食事摂取基準では、葉酸は、240&#13197;の摂取が推奨されています。
一方、葉酸代謝にかかわる遺伝子変異により、約16%の日本人では、多めの葉酸摂取が必要です。

そこで、天然型よりも安定して吸収率が高い合成型の葉酸サプリメントを400マイクログラムの摂取が推奨されます。


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