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共役リノール酸によるインスリン抵抗性の改善作用 [2007年08月20日(月)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、3種類の共役リノール酸について、インスリン抵抗性への作用の相違が検証した研究が報告されています。
(Br J Nut 2007;98: 264-275)



共役リノール酸(CLA)は、共役二重結合をもつリノール酸の異性体の総称です。

通常の食事にも存在しており、この場合、cis-9,trans-11(c9,t11)異性体とtrans-10,cis-12(t10,c12)異性体の両方を含みますが、c9,t11異性体が多いとされています。

一般に、c9,t11異性体が90%以上です。



これまでの基礎研究では、CLAの体重減少作用が様々な動物モデルにおいて検証され、多くの実験ではCLA投与による体重増加の抑制が示されています。


CLAによる減量作用の機序として、摂取エネルギーの減少作用、消費エネルギーの増大作用、脂肪酸化の促進、脂肪細胞のサイズの縮小、脂肪組織におけるアポトーシス促進を介した体脂肪の減少が示唆されています。


臨床試験でも、CLAの経口投与によって、肥満者における体組成の改善作用が報告されてきました。

各種の臨床試験では、1日あたり0.7〜6.8gのCLAが4週間から1年間、投与された結果、体脂肪量の有意な減少が示されています。



さて、今回の研究では、ラットに対して高脂肪食を摂取させ、同時に3種類のCLAのいずれかを1%含有する餌が8週間投与されています。

(用いられた3種類のCLAは、(1)30%のc9, t11+40%のt10, c12、(2)80%のc9, t11+20%のt10, c12、(3)10%のc9, t11+90%のt10, c12とされています。)


CLA投与の結果、3種類のCLAのいずれの群も、インスリン抵抗性が低下(改善)しました。

インスリン情報伝達に関与する分子を調べたところ、IRS-1のリン酸化はすべての群で抑制されていました。

ただし、Aktリン酸化の増加やPPARαの遺伝子発現などについては、異性体による相違が示唆されています。



研究の結論として、CLAのいずれのタイプでもインスリン抵抗性を低下(改善)させることができ、特にc9, t11異性体がもっとも効果的であったという考察になっています。


これまでに報告された他の研究では、t10,c12異性体が、高プロインスリン血症を生じ、インスリン抵抗性を促進するというデータを示唆するものもあります。

現時点のエビデンスを考慮すると、サプリメントのCLAは、t10,c12異性体単独ではなく、例えば、c9,t11とt10,c12の複合剤としての利用が好ましいと考えられます。



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