今月の臨床実験医学の専門ジャーナル(電子版)に、がん患者におけるビタミンミネラルサプリメントの利用状況を調べた調査研究が、ポーランドのグループ(Wroclaw Medical University)から報告されていました。
(Adv Clin Exp Med. 2018 Aug 7.)
サプリメント・機能性食品成分は、食事や運動に加えて、ライフステージに応じて、適切に利用することで、健康増進、未病対策、標準治療の補完療法として有用性が示されています。
後期高齢者、慢性消耗性疾患を有する場合などでは、食事からだけでは必要な栄養素が充足できないケースもあり、栄養補助食品として、ビタミンやミネラルをサプリメントから摂取することが推奨されます。
今回の研究では、
がん病棟の患者におけるビタミン(ACE)サプリメントの利用状況が調べられました。
具体的には、
ポーランドの医療機関のがん病棟において、
19歳から83歳のがん患者78名を対象に、
食事調査及びビタミンやミネラルサプリメントの利用状況が調べられています。
解析の結果、
全体の46.2%が何らかのサプリメントを摂っており、
サプリメントの利用者のうち、77.8%が抗酸化ビタミン(A、C、E)を摂っていました。
マルチビタミンサプリメントの利用者の割合は、女性の72.2%、男性の80%でした。
推奨量の充足率は、
ビタミンAは303 ±136%、
ビタミンCは282 ±166%、
ビタミンEは199 ±80%
でした。
以上のデータから、
一般に、がん患者では食事からのビタミン類の摂取が十分ではないものの、
サプリメントの利用により、充足されること、
ただし、安全性についての懸念もあり、医療関係者との相談が重要であると考えられます。
最近の研究では、次の報告があります。
ビタミンD値が高いと大腸がん生存率が高い:系統的レビュー/メタ解析
セレンが前立腺がんリスクを低減する:メタ解析
長期入院患者はビタミンC不足@豪州
マルチビタミンやマルチミネラルサプリメントは、潜在的な微量必須栄養素の摂取不足を予防するために、ベーシックサプリメントとしての摂取が推奨されます。
マルチビタミンサプリメントの有用性に関して、次の研究が知られています。
マルチビタミン・ミネラルと死亡率の関係:メタ解析
マルチビタミン・ミネラルサプリメントで栄養素不足が解消
野菜不足の日本人はマルチビタミン摂取によって脳卒中での死亡率が20%低下
50歳以上の米国の男性医師14,641名を対象にした研究で、
マルチビタミンによるがんリスク低減効果
(平均的な日本人を集団で対象とする場合、現代の食生活では潜在的な栄養素の不足という問題は想定されますが、マルチビタミンの投与で死亡率低下というデータまでは検出できないと思います。)
(なお、マルチビタミン・ミネラルサプリメントによる抗がん作用や死亡率低下のメカニズムとしては、ビタミンCやビタミンE、セレンといった抗酸化作用を持つ成分が、酸化障害の抑制を介して、抗がん作用および生活習慣病予防効果を示す、となります。)
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