サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

2019年09月  >
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
カテゴリアーカイブ
最新記事
ビタミンDが糖尿病発症リスクを12%抑制傾向@NJEM [2019年06月09日(日)]
今月の臨床医学誌ニューイングランドジャーナルに、前糖尿病段階の被験者において、ビタミンDサプリメントの投与によって、糖尿病の発症リスクが12%抑制される傾向にあった、という臨床試験が、米国のグループ(Tufts Medical Center)から報告されていました。
(N Engl J Med. 2019 Jun 7.)



なお、この研究では、有意差は検出できておらず、

全体の解析で、偽薬群に比べて、ビタミンDサプリメント投与群では、糖尿病予備軍(前糖尿病)から糖尿病への進行が12%抑制傾向にあった、という結果ですので、

開業医向けに製薬メーカーが出している販促ツールでは、「ビタミンDは糖尿病に無効」といった見出しになると思います。

(しかし、そもそも、ビタミンDの充足の有無に関わりなく、前糖尿病という対象者ですので、
ビタミンD欠乏あるいは不足に限った場合は、有用性が検出されると思います。)


そもそも、NEJMは、サプリメントについてはダブルスタンダードなので、

例えば、グルコサミンのGAIT1や(通常使われないタイプのハーブを用いた)エキナセアの研究など、

ネガティブなデータを好んで掲載するため、変な出版バイアスがあります。


さて、
すでに、多くの先行研究では、

血中ビタミンDが低いと2型糖尿病リスクが高くなるといった研究が知られています。
ビタミンDによるインスリン抵抗性改善作用@2型糖尿病


ビタミンDが2型糖尿病での糖代謝を改善する:メタ解析



そこで、今回の研究では、

ビタミンDサプリメントによる糖尿病リスクへの作用が検証されました。

具体的には、

前糖尿病患者2423名を対象に、
(FPG値;100 〜125 mg/dL、75OGTT2時間値が140 〜199 mg/dL、HbA1cが5.7 から 6.4%)

投与開始時の時点の血中ビタミンD値には関わりなく、

・ビタミンD3(4000 IU)投与群:1211名、

・偽薬投与群:1212名、

の2群について介入が行われました。

主アウトカムは糖尿病の新規発症です。


解析の結果、

まず、
24ヶ月後の時点で、

ビタミンD投与群では、

血中ビタミンD値が
27.7 ng/mLから54.3 ng/mLまで上昇しました。

これに対して、

偽薬投与群では、
28.2 ng/mLから28.8 ng/mLへの変化でした。


次に、
フォローアップの中央値2.5年間の間に、

糖尿病の新規発症者数は、

ビタミンD投与群では293名、

偽薬群では323名でした。

100患者年あたりの発症イベント数は、

ビタミンD群では9.39、

偽薬群では10.66でした。


糖尿病の新規発症リスクは、

偽薬投与群に比べて、

ビタミンD投与群では、

12%のリスク低下傾向でした。

(0.88, 0.95% CI, 0.75 to 1.04; P = 0.12)


なお、
有害事象については、両群間に有意差は認められませんでした。

以上のデータから、

ビタミンDの状態に関わりなく選んだ、

2型糖尿病リスクが高い前糖尿病の被験者において、

ビタミンD投与群では、

糖尿病の発症リスクが12%低い傾向が見出されました。

偽薬群との有意差は検出されませんでしたが、

この研究では、

ビタミンDが充足されている被験者も含まれているため、

ビタミンDの欠乏や不足の被験者では、有意な効果が期待されます。


ビタミンDは、
内分泌代謝関連指標に対する改善効果が示されています。


日本人2型糖尿病患者の90%以上がビタミンD不足


ビタミンDによるインスリン抵抗性改善作用@2型糖尿病



ビタミンDが2型糖尿病での糖代謝を改善する:メタ解析



ビタミンDによる妊娠糖尿病での糖代謝改善作用:メタ解析


ビタミンD低値が高血糖と相関する:メタ解析



拡張期血圧に対するビタミンDの降圧作用:メタ解析


フレイル予防にはビタミンDサプリメントが有用:系統的レビュー


一般に、
健康保持や疾病予防の目的で利用されるビタミンD3サプリメントの摂取量は、
1日あたり
25マイクログラム(1,000IU)から50マイクログラム(2,000IU)です。


ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。

多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。



日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。




DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、

臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、

という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。

DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


------------------------------------------------------------------

DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。



ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果

------------------------------------------------------------------
posted at 23:57 | この記事のURL
この記事のURL
http://www.dhcblog.com/kamohara/archive/4809
プロフィール


医学博士 蒲原聖可
自己紹介
ブログ
リンク集

http://www.dhcblog.com/kamohara/index1_0.rdf
ログイン
Mypagetopに戻る