サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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ベジタリアン食は肉食に比べて脂肪組織の炎症を抑える [2019年08月18日(日)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、脂肪組織の炎症に対して、ベジタリアン食と非ベジタリアン食を比較した予備的な臨床研究が、メイヨー・クリニックのグループから報告されていました。
(Nutr J. 2019 Aug 12;18(1):45.__ 31405384)

メタボリック症候群・内臓脂肪症候群では、内臓脂肪からさまざまなサイトカインが産生され、「慢性炎症」を惹起します。

慢性炎症は、動脈硬化を促進し、さまざまな代謝性疾患、生活習慣病の発症に関与します。

したがって、メタボリック症候群や肥満対策のサプリメントとして、

減量という機能性よりも、慢性炎症を抑制することで、肥満に伴う生活習慣病のリスクを低減できると考えられます。

また、食事についても、単に摂取エネルギー量や三大栄養素のPFCバランスだけではなく、炎症を惹起する成分が多いか、あるいは、抗炎症作用を有する食品成分が多いかによって、より健康的な食事かどうかが決まってきます。



今回の研究では、

ベジタリアン食と、非ベジタリアン食との間で、利用される脂質の違いから、

肥満のベジタリアンのほうが、肥満の非ベジタリアンよりも、

脂肪組織での慢性炎症が少ないのでは、という仮説が検証されました。



具体的には、

肥満のベジタリアン8名(男性1名)と、

肥満の非ベジタリアン8名(男性1名)について、

食事調査、体組成の測定、皮下脂肪組織と筋肉の生検が行われ、

血漿および脂肪組織中の遊離脂肪酸、

筋セラミドプロフィール、

脂肪組織マクロファージなどが調べられました。

(肥満に伴って、マクロファージが脂肪組織に浸潤し、慢性炎症を生じることがわかっています。)


解析の結果、

まず、2群間について、

被験者の年齢
(38 ± 8 vs. 39 ± 8歳),

BMI
(32.2 ± 2.6 vs. 33.3 ± 1.9 kg/m2)

体脂肪率
(44 ± 8 vs. 45 ± 4)

について、有意差はありませんでした。

次に、

食事調査では、

ベジタリアンは、

非ベジタリアンに比べて、

飽和脂肪酸の摂取量が42%少なく
42% (P = 0.02)

コレステロールの摂取量が50%少ない
(P = 0.04)
ことがわかりました。


血中の遊離脂肪酸は、

ベジタリアンでは、パルミチン酸が有意に少なく
(24 ± 3 vs. 29 ± 4%, P = 0.02)


また、

大腿の脂肪組織において、マクロファージ浸潤が、

ベジタリアンは、非ベジタリアンよりも有意に少ないことが見出されました。
(3.6 ± 2.8 vs. 7.9 ± 4.4 per 100 adipocytes, respectively; P = 0.02)


その他、

非ベジタリアンは、腹部脂肪において、

炎症惹起サイトカインであるTNFmRNA発現が50%、有意に亢進していました。
(P = 0.01)

なお、筋セラミドについては両群間で有意差はありませんでした。


以上のデータから、

同じ肥満者であっても、

ベジタリアン食のほうが、非ベジタリアン食よりも、炎症を抑制することが示唆されます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。


欧米のベジタリアンは、
亜麻仁油(フラックスシードオイル)など植物性オメガ3系脂肪酸であるαリノレン酸を摂ることから、炎症を抑える作用が期待できます。

非ベジタリアンでは、動物性食品の飽和脂肪酸が炎症を惹起する作用があります。


なお、ベジタリアン食では、魚類が含まれないため、

今回の研究では、

EPAやDHAといったオメガ3系脂肪酸の有用性が評価されていません。




慢性炎症は、がんや動脈硬化性疾患を引き起こす病態の一つです。
先行研究では、コエンザイムQ10による抗炎症作用が示唆されています。


コエンザイムQ10(CoQ10)による慢性炎症抑制効果:メタ解析



コエンザイムQ10の抗炎症作用:メタ解析




ウコンには有効成分としてクルクミンが存在し、抗酸化作用や抗炎症作用を示します。

分子メカニズムは、NF-κB抑制を介した抗炎症作用です。


先行研究では、次の報告があります。


クルクミンによるアディポネクチンとレプチンへの働き@メタボリック症候群


生活習慣病や内臓脂肪型肥満に伴う病態の本質は、「慢性炎症」です。

したがって、機能性食品成分による病気の予防のためには、抗炎症作用を有し、かつ、安全性が確立し、かつ、経済性(費用対効果)の高い製品の利用が進められます。


食品成分で、抗炎症作用を有し、かつ、多くの臨床研究において有用性が示されているのは、ビタミンD、コエンザイムQ10、オメガ3系必須脂肪酸(EPAやDHA)、ウコン、グルコサミンなどです。

コエンザイムQ10は、ベーシックサプリメントとして広く摂取が推奨できます。

もちろん私もDHCのコエンザイムQ10サプリメントを毎日、摂っています。





コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。




還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。




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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。



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