サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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認知症予防のための社会的ネットワークは量よりも質が大切 [2019年11月12日(火)]
心身医学の専門ジャーナルに、認知症予防のための社会的ネットワークの重要性について、量と質を検証した疫学研究が、フランスのグループから報告されていました。
(Psychosom Med. 2010 Nov;72(9):905-11.)



認知症の予防のためには、食事、運動、社会参加が重要です。


社会参加については、

社会的孤立は認知症リスク

というメタ解析があります。

なお、

サプリメントでは、葉酸のエビデンスが確立しています。


米国では認知症が24%も減少:2000年と2012年の比較 



葉酸サプリメントが軽度認知障害(MCI)を改善する 


葉酸サプリメントによる認知機能改善効果
といった報告があります。

さて、
今回の研究では、

社会ネットワークと、

認知症・アルツハイマー病のリスクが検証されました。


具体的には、

フランスでのコホート研究として、

高齢者3,777名を対象に、

5年ごとに、最大15年間のフォローアップが行われ、

ソーシャルネットワークに関する質問票を記入し、試験開始時に認知症がなく、

2回以上のフォローアップを受けた2,089名が調べられました。

(Paquidコホート研究の一環です。)

試験開始時にて実施されたアンケートでは、

婚姻状況、絆の数、ソーシャルネットワークの性質、満足度、理解されている/誤解されているという認識、および関係の相互関係が調べられました。


解析の結果、

フォローアップ期間中、

認知症461例、

アルツハイマー病373例

が見出されました。


交絡因子で補正後の解析の結果、

まず、

満足度および理解されているという認識と、有意な相関が見出されました。

具体的には、

社会ネットワーク関係に満足していると感じている被験者では、

認知症リスクが23%低い、という有意な相関が認められました。

また、

生涯を通じて、

自らが与えたよりも、

より多くのサポートを受けてきたという被験者では、

認知症リスクが55%低下、

アルツハイマー病リスクが53%低下、

という有意な相関が見出されました。


以上のデータから、

認知症・アルツハイマー病の予防/リスク低減には、

充実した社会的関係性が大切であることが示唆されます。





健康寿命延伸のためには、認知症の予防が最も重要です。

また、フレイル対策では、身体的フレイルの他に、精神的フレイル(認知症やうつ)、社会的フレイル(孤立)が問題になります。

このうち、精神的フレイルである認知症は、社会的フレイルである孤立が一因となる、という研究です。


DHCでは、地方自治体との連携協定に基づく健康づくり施策の一環として、

社会参加を促す取り組みも行っています。




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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。



ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果

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