サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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メタボリック症候群がフレイル(虚弱)リスクを50%増加する:BASE-II研究 [2020年01月25日(土)]
老年学の専門ジャーナルに、メタボリック症候群とフレイルリスクとの関連を調べた研究が、ドイツのグループから報告されていました。
(J Frailty Aging 2019. , 8 (4), 169-175)


フレイル及びメタボリック症候群は、高齢者においてよく見られる状態であり、機能低下や要介護状態のリスクと関連します。

また、肥満や慢性炎症、インスリン抵抗性といったメタボリック症候群の病態は、フレイルとも関連しています。

そこで、

今回の研究では、

メタボリック症候群とフレイルリスクとの関連が検証されました。

具体的には、

加齢研究の一つであるBerlin Aging Study II (BASE-II)のデータをもちいた横断研究として、

BASE-IIの高齢被験者1,486名(うち女性は50.2%、平均年齢68.7(65.8-71.3)歳)を対象に、

メタボリック症候群とフレイルとの関連について、

栄養状態(総エネルギー摂取量や食事性ビタミンDの摂取量)、身体活動、ビタミンDの状態などをもとに調べられました。

なお、
メタボリック症候群の診断は、
IDFのタスクフォース、NHLBI、AHA、WHF、IAS、IASOの基準が用いられ、

フレイルでは、Fried基準が用いられました。

筋量は、DXA法で測定されています。



解析の結果、

まず、

メタボリック症候群は、
37.6%にて見出され、

フレイルは、
31.9%に見出されました。


また、
メタボリック症候群の存在により、

フレイル/プレフレイルのリスクが、50%上昇していました。
(OR1.5; 95% CI 1.2,1.9; p= 0.002)


さらに、
フレイル/プレフレイルは、

低HDLコレステロールにより50%リスク上昇、
(OR: 1.5 (95%CI: 1.0-2.3); p = 0.037)

ウエスト周囲長の増加により65%のリスク上昇
という相関が見出されました。
(OR: 1.65 (95%CI: 1.1-2.3); p = 0.008).


以上のデータから、

高齢者でのメタボリック症候群は、フレイルリスクを高めることが示唆されます。

メタボリック症候群では、

慢性炎症、ビタミンD低値などが高率であり、これらがフレイルのリスクともなります。



フレイルは、高齢による虚弱に近い概念ですが、
身体的な機能の低下だけではなく、社会的、精神的な活力/機能の低下も含む概念です。

フレイルは、
「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」
と定義されます。

もともとは、老年医学の分野で使われる「Frailty(フレイルティ)」に対する日本語訳です。
「Frailty」を訳すと「虚弱」や「老衰」、「脆弱」などになりますが、介入による可逆性を示すために、あえてカタカナのフレイルという表現が使われています。

先行研究では、次の報告があります。

フレイルは認知症リスクを高める@イタリア

フレイル予防にはビタミンDサプリメントが有用:系統的レビュー



高齢者では、ビタミンDの不足や欠乏が高率に認められ、フレイルやプレフレイルのリスクとなります。

このフレイルのリスク状態を改善するには、食事摂取基準に示されたビタミンD (800 IU/day)よりも多くの量を摂取する必要があります。


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