サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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アブラナ科の野菜と乳がんのリスク [2008年03月25日(火)]
今月の栄養学の専門誌に、アブラナ科の野菜が乳がんのリスクを低減するという研究が報告されていました。
(Am J Clin Nutr 2008 87: 753-760.)


キャベツやブロッコリー、ケールといったアブラナ科の野菜には、イソチオシアネートなどのファイトケミカルが存在し、多くの基礎研究において抗がん作用が示唆されています。


今回の研究では、アブラナ科野菜の摂取による乳がんリスクへの影響に関して、遺伝子の個人差も考慮した検討が行われました。

調査対象は、3035症例と3037例の対照で、それぞれ87%と85%が食事調査と遺伝子検査(GSTP1 Ile105Val多型)を完了しています。
(上海乳がん研究Shanghai Breast Cancer Studyの被験者です。)


(GSTP1の遺伝子シンボルで表されるのは、抗酸化反応に関与する酵素のGlutathione S-transferase P1で、グルタチオンS-転移酵素(GST) glutathione S-transferaseの1種です。)


解析の結果、GSTP1 Val/Val多型が、乳がんの高リスクと有意に相関しており、この相関は閉経後よりも閉経前の女性にて顕著でした。



アブラナ科の全野菜摂取量と、乳がんのリスクとの間には相関は示されませんでした。

一方、個別の野菜(かぶturnip、白菜Chinese cabbage)の摂取では、閉経後の女性における乳がんリスクの有意な低下との相関が認められています。

(つまり、閉経後の女性では、かぶや白菜の摂取量が多いと、乳がんのリスクが低いという相関です。)


遺伝子多型とアブラナ科野菜の摂取との関連では、GSTP1 Val/Val多型を有する女性でアブラナ科野菜の摂取量が少ないと、他の遺伝子多型(Ile/Ile、Ile/Val)と比べて乳がんリスクが1.74倍に増加することが示されました。

この相関は、閉経前女性において顕著となっています。



以上のデータから、イソチオシアネートなどのファイトケミカルを多く含むアブラナ科野菜の摂取は、乳がんのリスクを低下させると考えられ、その影響はGSTP1遺伝子の個人差によって異なることが示唆されます。



今後、個人の体質(遺伝子多型)と栄養素との関連が十分に明らかになれば、体質にあったオーダーメイドの食事療法やサプリメント療法が可能になると考えられます。
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