今月の栄養学の専門ジャーナルに、前立腺がん術後の低脂肪食の実行可能性を検討した臨床研究が発表されていました。
(Eur J Clin Nutr. 2008 Apr;62(4):526-36.)
今回の研究は、前立腺がん術後の男性40名を対象に、再発リスク低減を目的として、大豆タンパク質を加えた低脂肪食による食事療法の長期的な実行可能性を検討することです。
具体的には、エネルギー比15%の低脂肪食/高食物繊維(18g/1,000kcal)/大豆タンパク質40gを投与した群(n=26)と、USDA推奨食摂取群(n=14)の2群が比較されました。
4年間後、低脂肪食投与群では有意な食生活の変化が維持され、尿中イソフラボン排泄量の変化も認められました。
また、低脂肪、高食物繊維も維持されています。
その他、血中IGF-1値の低下などが示されました。
今回のデータは、がん生存者を対象にした食事療法の意義および実行可能性を長期にわたり検討した研究として興味深いと思います。
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