今月の電子ジャーナルに、コラーゲンサプリメントの摂取によって運動選手の関節痛が軽減されるという臨床研究が報告されていました。
(Curr Med Res Opin. 2008 Apr 15)
コラーゲンはタンパク質の1種で、骨や関節、皮膚など結合組織の構成成分となります。
関節軟骨を正常に保つ働きがあると考えられ、骨関節炎に対して用いられるサプリメントの成分です。
さて、今回の研究では、コラーゲン(collagen hydrolysate)が、運動選手の関節機能に及ぼす影響が検討されています。
偽薬対照ランダム化比較試験として、(関節疾患を有していない)運動選手147名を対象に、コラーゲン10g(n=73)、あるいは偽薬(n=74)が24週間投与され、関節痛や関節機能(可動性や炎症)に関連する指標が検討された結果、医師の評価による安静時の関節痛、参加者の評価による関節痛(立位や歩行時など5種類の評価法)の有意な改善が認められました。
(データ解析は97名分。)
以上のデータから、(関節障害を有していない健康な運動選手では)コラーゲンの投与によって、関節痛の軽減(改善)効果が得られることが示唆されます。
運動選手のように関節を酷使する場合、コラーゲンサプリメントの摂取によって関節障害の予防効果が期待できるとも考えられます。
今後の研究成果が期待される分野です。
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