今月の栄養学の専門ジャーナルに、カカオポリフェノールによる認知機能改善作用を示した基礎研究が、フランスとカナダのグループから発表されていました。
(Br J Nutr. 2008 Jul;100(1): 94-101.)
これまでの研究によって、加齢およびそれに伴う認知機能の低下には、酸化ストレスが関与していることが示唆されています。
そこで、抗酸化作用を持つ機能性食品素材がこれらの障害を予防すると考えられ、アンチエイジングの研究分野で注目を集めています。
さて今回の研究では、ラットにカカオポリフェノールを投与し、加齢による認知機能の低下に対する作用が検討されました。
カカオポリフェノールを24mg/kgの用量にて、15から27月齢の間に経口投与した結果、認知機能の改善が認められたということです。
(水迷路学習テストなどで測定。)
作用機序として、カカオポリフェノールによる抗酸化作用が、中枢神経細胞に保護的に作用し加齢による認知機能の低下を抑制するというメカニズムが考えられます。
今後、臨床的意義の検討が期待される分野です。
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