今月のリウマチ学の専門誌に、線維筋痛症に対するタラソテラピーの効果を示した臨床研究が報告されていました。
(Rheumatol Int. 2008 Jul 4. 電子ジャーナル版)
線維筋痛症は、全身の疼痛を伴う原因不明の疾患です。
対症療法として、さまざまな補完代替医療が提唱されています。
今回の研究では、線維筋痛症患者46名を対象に、23名ずつの2群にランダムに分け、有酸素運動プログラムを、真水のプールと海水のプールでそれぞれ12週間実施し、効果が比較されました。
その結果、両群とも、治療前に比べて、VAS、圧痛点の数、FIQ、SF-36、PSQI、BDIといった指標における改善を示しました。
(なお、これまでの研究によって、有酸素運動が線維筋痛症における対症療法として有効であるというデータが示されています。今回の研究でも、同様の結果ということになります。)
また、BDIについては、真水のプールに比べて、海水のプールによる有酸素運動プログラム実施群において、有意な改善が認められました。
以上のデータから、プール内での有酸素運動は、線維筋痛症の補完療法として有用であることが示唆されます。
そして、その効果は、タラソテラピーで用いられる海水プールにおいて得られやすいと考えられます。
今後、補完療法としてのタラソテラピーについて、臨床的意義を検証するための研究の進展が期待されます。 |