生薬学の専門ジャーナルに、バレリアンの作用機序に関する基礎研究が、オーストリアのグループから報告されていました。
(Planta Med 2008; 74: 1338-1344)
バレリアン(Valeriana officinalis)は、鎮静作用を有し、不眠や不安に対して用いられるハーブサプリメントの1種です。
主要成分としてバレレン酸valerenic acidが見出されており、GABA受容体への作用が示されています。
今回の研究では、in vitroの実験系において、バレレン酸とその代謝産物(acetoxyvalerenic acidとhydroxyvalerenic acid)が血液脳関門を通過することが示されました。
透過率は、バレレン酸、hydroxyvalerenic acid、acetoxyvalerenic acidの順に高くなっています。
バレリアンの作用機序については未解明な点も多く、臨床的意義の検討が期待される分野です。