消化器病学の専門誌に、慢性膵炎に対する抗酸化サプリメント投与の効果を示したヒト臨床試験が報告されていました。
(Gastroenterology. 2008 PMID: 18952082)
慢性膵炎の病態には、酸化障害の関与が考えられており、抗酸化サプリメントの投与によって、慢性膵炎の症状(疼痛など)の改善効果が期待できます。
そこで、今回の研究では、慢性膵炎患者(平均年齢30.5歳、男性86名、アルコール性慢性膵炎35名、特発性慢性膵炎92名)を対象に、偽薬投与群(n=56)、あるいは抗酸化サプリメント投与群(n=71)の2群に分けてランダム化比較試験による検討が行われました。
6ヶ月間の試験の結果、偽薬群に比べて抗酸化サプリメント投与群では、疼痛頻度の有意な低下、鎮痛剤の投与量の有意な減少が認められています。
その他、酸化障害指標(TBARS)の有意な低下なども示されました。
以上のデータから、慢性膵炎に伴う疼痛などの症状改善に、抗酸化サプリメントの投与が有用であることが示唆されます。
今後の研究成果が期待できる分野です。 |
抗酸化サプリメントとは、具体的にどのような物になるのでしょうか?