栄養学の専門ジャーナルに,乳がん治療にコエンザイムQ10とビタミンB群を併用した予備的な臨床研究が報告されていました。
(Br J Nutr., 100;06, (Dec) 2008, p 1179-1182)
今回の研究では,乳がん患者48名を対象に,乳がん治療薬のタモキシフェン(10mg×2/日)に加えて,一日あたり100mgのコエンザイムQ10,10mgのリボフラビン(ビタミンB2),50mgのナイアシン(ビタミンB3)を併用投与するランダム化比較試験が行われています。
その結果,サプリメント併用群では,乳がん未治療群やタモキシフェン単独投与群に比べて,poly(ADP-ribose) polymerase値の有意な増加および,RASSF1A DNAのメチル化の消失が認められたということです。
(なお,前者はDNA損傷に対する修復活性の亢進を示唆し,後者は予後因子の一つです。)
以上のデータから,コエンザイムQ10とビタミンB群の併用は,タモキシフェン投与時の補完療法となることが示唆されます。
今後,更なる検証が期待される分野です。
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