専門ジャーナルの電子版に,カルニチンの体内動態を検討したヒト臨床研究が報告されていました。
(
Clin Invest Med. 2009 Feb 1;32(1):E13. PMID: 19178874)
カルニチンは,細胞のミトコンドリア内で働くアミノ酸の1種です。
加齢やいくつかの疾患によって減少することから,アンチエイジングサプリメントとして注目されています。
また,予備的な臨床研究によって,ダイエット(減量)効果を示すデータも知られており,燃焼系ダイエットサプリメントの成分として用いられています。
さて,今回の研究では,L-カルニチンの単回摂取後における,血中のL-カルニチンおよびそのアナログの体内動態が調べられました。
具体的には,健康なボランティア12名を対象に,L-カルニチン2グラムを単回投与し,血中および尿中のL-カルニチン,アセチル-L-カルニチン(ALC),プロピオニル-L-カルニチン(PLC)について,CmaxとAUCが測定されています。
解析の結果,L-カルニチンの消失半減期は60.3時間,最高血中濃度到達時間は3.4時間であったということです。
一方,L-カルニチンに比べて,ALCとPLCでは,Cmaxが低値であり,半減期も短いことが示されました。
生体内において,L-カルニチンとアセチル-L-カルニチンは可逆的に変換されますが,サプリメントでは
L-カルニチンが有用と考えられます。