サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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パッションフラワーによる睡眠の改善 [2011年02月07日(月)]
今月の生薬学の専門ジャーナル(電子版)に,パッションフラワーによる睡眠の質改善作用を示した予備的な臨床研究が,オーストラリアのグループ(Monash University)から報告されていました。
(Phytother Res. 2011 Feb 3. doi: 10.100)



パッションフラワー(学名Passiflora incarnata)は,欧米の民間療法で,鎮静作用や睡眠障害改善,抗不安作用といった目的で用いられてきたハーブです。


臨床的な経験値での有用性が知られている他,基礎研究データの報告はありますが,臨床研究はあまり知られていません。


そこで,今回の研究では,パッションフラワーのハーブティーによる睡眠に対する作用が検証されました。

具体的には,18-35歳の被験者41名を対象に,パッションフラワー含有ハーブティーあるいは偽薬ティーのいずれかが,1週間投与され,睡眠日記の記入,第7日目の朝にSpielberger's state-trait anxiety inventoryによる評価,睡眠ポリグラフ検査(10名)による評価が行われています。

(二重盲検偽薬対照試験。1週間のwash-out期間。)



睡眠日記解析の結果,偽薬ティー投与群に比べて,パッションフラワー含有ハーブティー投与群では,有意な睡眠の質(改善)が見出されたということです(p<0.01)。



ハーブティーという低用量の投与でも,臨床指標において,一定の効果が示されたことは興味深いと思います。


一般に,ハーブティーは,安全性/許容性が高いので,広く推奨できる投与方法です。


なお,睡眠改善(入眠障害の改善)に対しては,カモミール(ハーブティー)が広く利用されています。



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バレリアンの体内動態と個人差 [2010年10月05日(火)]
今月の生薬学の専門ジャーナルに,バレリアンの体内動態に関する臨床研究が,米国のグループ(University of Washington)から報告されていました。
(Phytother Res. 2010 Oct;24(10):1442-6.)



睡眠障害(不眠症)は,プライマリケアの中でよく認められる病態です。


不眠症に対するハーブサプリメントとしてバレリアン(学名Valeriana officinalis)が知られています。




バレリアンの活性成分としてバレレン酸valerenic acidが見出されており,ハーブサプリメント製品の指標に用いられています。



今回の研究では,バレリアンの投与時における体内動態についての個人差が検証されました。


具体的には,高齢女性を対象に,バレリアンを単回投与,あるいは2週間の投与を行い,薬理学的指標が測定されています。



単回投与と連続投与との比較の結果,Cmax,Tmax,AUC,T1/2,経口クリアランスといった指標において有意な差は認められませんでした。


一方,個人差の存在が見出されており,例えば,体重の増加によって,CmaxとAUCは減少し,T1/2は増加しています。


なお,バレリアンカプセル間の差異は小さく,
hydroxyvalerenic acid;2.2%,acetoxyvalerenic acid;1.4%,valerenic acid;1.4%
という数値でした。



以上のデータから,バレリアンの体内動態には個人差があり,そのために,バレリアンの効果に個人差が見られると考えられます。





バレリアンは,単回投与による効果も示されていますが,一般には,1ヶ月間などの投与によって「睡眠の質」を改善する働きが期待されています。


(つまり,医薬品の睡眠導入剤のような使い方ではなく,一定期間摂取することで,ハーブによる睡眠の質の改善が期待される,というタイプと考えます。)




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バレリアンによる不眠症改善作用 [2010年05月03日(月)]
睡眠研究の専門ジャーナル(電子版)に,バレリアンによる睡眠障害改善作用を検証した総説が,スペインのグループから報告されていました。
Sleep Med. 2010 Mar 25.)



睡眠障害(不眠症)は,プライマリケアの中でよく認められる病態です。


不眠症に対するハーブサプリメントとしてバレリアンが知られています。


バレリアンは,単回投与による効果も示されていますが,一般には,1ヶ月間などの投与によって睡眠の質を改善する働きが期待されています。



今回の研究では,バレリアンの作用に関するRCT(ランダム化比較試験)について,メタ分析が行われました。


具体的には,Medline,Cochrane Library,Embase,Biosisといったデータベースを用いて,18報のRCTが抽出され,解析された結果,

睡眠潜時(睡眠導入までの時間)におけるバレリアン群と偽薬群の差は,平均0.70分(95%CI -3.44 to 4.83),

睡眠の質に関するスコアにおける両群の差は,-0.02 (95%CI, -0.35 to 0.31),

睡眠の質の改善を示す指標の相対危険度は,バレリアン群では,偽薬群に比べて1.37 (95%CI, 1.05-1.78)

と改善が示されています。



以上のデータから,バレリアンによる睡眠障害(不眠症)改善作用が示唆されます。



バレリアンに関するRCTでは,被験者のタイプや偽薬の作成などの点で,RCT間のばらつきが大きくなりますが,今回のメタ分析では,ハダッドスコアの大きな(質の高い)RCTが多く,異なる指標でのメタ分析で,その有効性が示されたことに意義があると考えられます。



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posted at 23:56 | この記事のURL
バレリアンの抗酸化作用 [2009年02月16日(月)]
今月の神経学の専門ジャーナル(電子版)に,バレリアンの抗酸化作用を示した基礎研究が報告されていました。
(Neurochem Res. 2009 Feb 4. PMID: 19191025)



バレリアン(Valeriana officinalis)は,不眠症に対して用いられるハーブです。

臨床研究によって,睡眠の質を改善することが示されています。


有効成分なども単離されていますが,詳細な作用メカニズムについては明らかではありません。

(例えば,脳に対する作用では,バレリアン抽出物が海馬ニューロンにおいて,鉄に対する抗酸化作用を有するといった予備的なデータはあります。)



さて,今回の研究では,様々な物質が原因で生じる脳内の酸化ストレスに対して,バレリアンの作用が検討されています。


具体的には,キノリン酸,3-ニトロプロピオン酸,ニトロプルシドナトリウム,硫酸鉄について,ラット脳ホモジネートにおける酸化障害が解析されました。



その結果,バレリアン抽出物は,これらの物質によって誘導される酸化障害を用量依存的に抑制したということです。

(TBAやROS産生等を指標にしています。)



以上のデータから,バレリアンによる脳内での酸化ストレス軽減作用が示唆されます。


バレリアンによる睡眠の質の改善効果について,今回の研究に基づいて考えると,たとえば,睡眠障害によって生じる酸化ストレスを軽減するといったメカニズムが推測されます。
posted at 23:57 | この記事のURL
バレリアンについての基礎研究 [2008年10月06日(月)]
生薬学の専門ジャーナルに、バレリアンの作用機序に関する基礎研究が、オーストリアのグループから報告されていました。
(Planta Med 2008; 74: 1338-1344)


バレリアン(Valeriana officinalis)は、鎮静作用を有し、不眠や不安に対して用いられるハーブサプリメントの1種です。


主要成分としてバレレン酸valerenic acidが見出されており、GABA受容体への作用が示されています。

今回の研究では、in vitroの実験系において、バレレン酸とその代謝産物(acetoxyvalerenic acidとhydroxyvalerenic acid)が血液脳関門を通過することが示されました。

透過率は、バレレン酸、hydroxyvalerenic acid、acetoxyvalerenic acidの順に高くなっています。


バレリアンの作用機序については未解明な点も多く、臨床的意義の検討が期待される分野です。
posted at 23:55 | この記事のURL
バレリアン@「月刊ナーシング」 [2007年11月05日(月)]
『月刊ナーシング』(学研) にて連載中の「知って得するサプリメント通信」。

今月号では、バレリアンを取り上げました。

バレリアンは、不眠症に用いられるハーブです。

特に睡眠の質を改善する作用が報告されています。


看護職の読者の方にとって参考になれば幸甚です。
posted at 23:56 | この記事のURL
バレリアンによる妊娠への影響 [2007年09月06日(木)]
今月の生薬学の専門ジャーナルに、バレリアン(Valeriana Officinallis)を妊娠中に摂取した際の影響に関する基礎研究が報告されていました。
(J Ethnopharmacol. 2007 Sep 5;113(2):204-9.)



バレリアンは、不眠や不安に対して広く利用されているハーブサプリメントです。

ただし、妊娠中は使用しないこととなっています。

(何か副作用が知られているということではなく、妊婦を対象にしたヒト臨床研究がないため、安全性を保証するデータがないためです。)


さて、今回の実験では、雌のラットを対象にして、バレリアンのエタノール抽出物が妊娠期(1-8日、あるいは8-15日)に投与され、20日目に母体、胎仔、胎盤、卵巣などの解析が行われました


その結果、母体に対する毒性、胎仔の成長に対する影響などは認められませんでした。


(なお、胎生10.5日の胚を、バレリアン抽出物添加ラット血清で培養した状態では毒性が示されていますが、あまりにもin vitro状態であり、生体環境を反映しているとは考えられません。)


この予備的な基礎研究データから、論文著者らは、ヒトでの一般的なバレリアンの用量の65倍までの投与であれば、生殖系において有害事象を生じることはない、と述べています。


ただし、この基礎研究では特定の抽出法によるバレリアンですので、他の抽出法では結果が異なるかもしれません。



一般に、ハーブやサプリメント、医薬品は、妊婦を対象にしたヒト臨床試験が十分に行われておらず、安全性の担保が容易ではありません。


今後、基礎研究だけではなく、臨床研究でも何らかのデータが得られることが期待されます。

posted at 23:55 | この記事のURL
休養・こころの健康づくり@健康日本21中間評価報告書 [2007年04月18日(水)]
「健康日本21」では「休養・こころの健康づくり」という分野があり、目標項目と目標値が設定されています。

具体的には、「ストレス」や「睡眠」についての項目です。


今回の中間評価報告書では、改善した項目と悪化したものと、両方が混在していました。


まず、「ストレスを感じた人の減少」という項目では、開始時の54.6%に対して、中間実績値では62.2%と逆に増加(悪化)しています。

(ちなみに目標値は、49%以下です。)


一方、「睡眠による休養を十分にとれていない人の減少」では、開始時の23.1%が、中間実績値では21.2%と減少(改善)しました。

(目標値は21%以下。)


ただし、「睡眠の確保のために睡眠補助品やアルコールを使うことのある人の減少」では、開始時には14.1%だったのが、中間実績値では17.6%へと増加しています。

(目標値は13%以下)


睡眠の質については、改善の余地があることを示唆するデータです。
posted at 23:53 | この記事のURL
高GI食が睡眠潜時を短縮 [2007年02月27日(火)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、高GI食の摂取が睡眠潜時を短縮するという研究が、オーストラリアの大学から報告されています。
(Am J Clin Nutr 2007 85: 426-430)


この研究は、炭水化物を摂取することで、セロトニンの前駆体であるトリプトファンの血中濃度が高くなれば、トリプトファンの作用によって睡眠が誘導されるのではないか、という機序からヒントを得たものです。



今回の研究では、睡眠誘導における炭水化物の役割を検証するために、健康なボランティア(男性12名、18-35歳)を対象として、GI(グリセミック・インデックス)値と食事の時間などの関係が解析されました。

具体的には、就寝4時間前に、高GI食(GI=90)と低GI食(GI=50)の炭水化物食が投与され、睡眠潜時や睡眠の質が測定されています。

さらに、別の試験では、就寝1時間前の高GI食投与も行われました。



その結果、低GI食に比べ、高GI食では、平均睡眠潜時の有意な減少が認められています。
(つまり、高GI食では睡眠に至るまでの時間が短くなるということです。)

また、同じ高GI食を比較する場合、就眠1時間前よりも4時間前に摂取した群で有意な睡眠潜時の短縮が示されています。


以上のデータから、高GI食を就寝4時間ほど前に摂取することで、睡眠導入の改善効果が期待されます。




ただし、高GI食はインスリン分泌を促し、肥満の一因となりえます。


不眠症(入眠障害)の対策として、単純炭水化物などの高GI食をとることは、短期的には有効かもしれませんが、中・長期的には適正体重の維持という視点からの注意が必要でしょう。

posted at 23:49 | この記事のURL
不眠症対策のハーブ・バレリアンの成分 [2006年10月05日(木)]
先日のブログで睡眠障害と代替医療のデータを紹介した際、バレリアンというハーブについて紹介しました。

バレリアンは不眠症に対するハーブとしてよく利用されます。

予備的な臨床試験では、1ヶ月単位の投与によって「睡眠の質」の改善が報告されています。



一方で、バレリアンの作用メカニズムは、まだ十分には解明されていません。

これまでの研究では、バレリアンの根には150種類以上の成分が存在するとされています。



主要成分としては、valepotriatesやvalerenic acid等があります。

kessanes、valerenal、valeranoneといった成分も知られています。

その他、フラボノイド類の一部が、鎮静作用に関与するという報告もあります。




ところで、バレリアンには、イソ吉草酸isovaleric acid等による特有の臭いがあります。


(DHCの製品にも、バレリアン特有のにおいがあります。
 この匂いが苦手という方もおられるかもしれません。
 ただ、この特徴的な匂いを感じることで、確かにバレリアンの成分が含まれていることの確認になると考えることもできます。)




さて、各成分に関する個別の研究では、さまざまな作用が示唆されています。

例えば、バレリアンによる中枢神経系での作用として、シナプス前後におけるGABA関連作用への影響が基礎研究分野で報告されています。

バレリアンはGABA‐A受容体およびベンゾジアゼピン受容体の結合にも影響を及ぼすということです。

バレリアンがGABA‐A受容体に直接結合し、GABAの放出と再取り込みを刺激するというデータもあります。


動物実験では、バレリアン投与によって、バルビツール酸誘導体による睡眠時間の延長、抗けいれん作用増強が示されました。


しかし、いずれも単独の成分で効果を発揮するには濃度が十分ではないとされています。


したがって、単一の成分がバレリアンの効果を示すのではなく、各成分が複合体として作用し、効果を発揮すると考えられます。
posted at 22:54 | この記事のURL
睡眠障害と代替医療 [2006年10月03日(火)]
先月下旬に発行された『内科学アーカイヴス』という専門ジャーナルに、どのくらいのアメリカ人が、睡眠障害に対して代替医療を利用しているか、という調査研究が報告されました。

これは、2002年の全国調査で集められた代替医療の利用状況を解析して得られたデータです。

調査結果によると、不眠障害に悩む人のうち、推計160万人以上が、睡眠を改善する目的で何らかの代替医療を利用しているとのことです。



具体的な代替医療としては、ハーブやリラクセーション法などがあげられています。




一般に、不眠症に対するサプリメントとしては、バレリアンが知られています。

バレリアン(和名セイヨウカノコソウ)は、不眠や情動不安に対して欧米において広く利用されてきた薬用植物です。


臨床試験では、バレリアンによる睡眠の質の改善が認められています。

不眠の程度が強いほど、効果も高いというデータがあります。

単回投与でも効果が期待できますが、数週間単位での投与のほうが継続的な改善効果を得られるとのデータもあります。


その他、リラックス系のアロマセラピーなどでリラクセーションという方法も考えられます。
posted at 22:30 | この記事のURL
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