サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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母親の豆乳摂取により母乳中のイソフラボン量が増加する [2017年04月20日(木)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、母親の豆乳あるいは紅茶のポリフェノールの多い飲料の摂取と、母乳中のイソフラボン量との関連を調べた予備的な臨床研究が、ドイツのグループ(Ernst-Moritz-Arndt University)から報告されていました。
(Ann Nutr Metab. 2017 Apr 8;70(2):147-153.)


さて、
今回の研究では、

授乳中の母親がポリフェノールの豊富な飲料として、豆乳あるいは紅茶(カフェイン抜きの紅茶)を摂取した際に、

母乳中のフラボノイド類、抗酸化物質への影響が検証されました。



具体的には、

健康な授乳婦を対象に、

・豆乳250mL(イソフラボン12mg含有)摂取群:18名、

・カフェインレスの紅茶300mL(カテキン67mg含有)摂取群:18名

・水300mL(対照)摂取群:8名

の3群について、

6日間の介入が行われ、

母乳中のフラボノイド含有量及び抗酸化能が測定されました。



解析の結果、

まず、
豆乳摂取群では、

母乳中のイソフラボン(ゲニステインとダイゼイン)量が、12 nmol/Lまで増加しました。


一方、
カフェインレスの紅茶摂取群では、

主なフラボノイド(カテキン、エピカテキンなど)は、母乳中には検出されませんでした。


その他、

総抗酸化能に関しては、両群とも母乳への影響は見いだされていません。



以上のデータから、

ポリフェノールの豊富な飲料としての豆乳と紅茶の摂取に関して、

母乳中への移行は、豆乳のほうが有意に高値であり、

4ヵ月の乳児の場合、1日当たり9.6 nmolのイソフラボン類の摂取に相当する、

と推計されています。

また、紅茶(カフェインレス)の摂取は、母乳中への移行は非常に低値であると考えられています。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。




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posted at 23:54 | この記事のURL
性腺機能低下症を有する2型糖尿病男性での大豆イソフラボンによる糖代謝改善作用 [2016年11月03日(木)]
臨床内分泌学の専門ジャーナルに、性腺機能低下症により低テストステロン血症となっている2型糖尿病の男性において、大豆摂取による糖代謝改善作用を示した臨床研究が、イギリスのグループ(Hull York Medical School)から報告されていました。
( J Clin Endocrinol Metab. 2016 Oct 31:jc20162875)



大豆には女性ホルモン様作用を有するイソフラボン類が存在し、婦人科系の症状改善や生活習慣病予防効果が知られています。


性腺機能低下症による低テストステロン血症を示す男性において、抗エストロゲン作用としての大豆イソフラボンの働きは明確ではありませんでした。



そこで、今回の研究では、低テストステロン血症の2型糖尿病の男性において、大豆摂取による働きが検証されました。

具体的には、

ランダム化二重盲検試験として、

英国のクリニックにおいて、

総テストステロン値が12nmol/L以下の2型糖尿病の男性200名を対象に、

・大豆たんぱく15グラム、イソフラボン66mgの投与群、

・大豆たんぱく15グラムのみの投与群(イソフラボンはナシ)

の2群について3か月間の介入が行われています。


解析の結果、

総テストステロン値あるいは遊離テストステロン値には、両群間で有意差は認められませんでした。

一方、

大豆たんぱく15グラム+イソフラボン66mgの併用投与群では、

TSHの有意な上昇と、フリーT4の有意な低下が認められ、
(p<0.01)

糖代謝の有意な改善も認められています。

HbA1cの有意な低下
(-4.19(7.29)mmol/mol,p<0.01)

インスリン抵抗性(HOMA-IR)の有意な改善が見出されています。


また、心血管リスクである中性脂肪値、CRP値、拡張期血圧も、

大豆たんぱく15グラム単独投与群よりも、

大豆たんぱく15グラム+イソフラボンの併用投与群において、有意な改善が認められたということです。


3か月間の大豆たんぱく15グラム+イソフラボン66mgの投与により、

10年間の心血管リスクが6%改善したという計算になります。

その他、

血管内皮機能は、両群とも有意な改善を示しましたが、
(p<0.01)

大豆たんぱく15グラム+イソフラボン投与群において、より顕著な効果が見出されています。


以上のデータから、

性腺機能低下症による低テストステロン血症の2型糖尿病の男性において、

大豆たんぱく15グラム+イソフラボンの投与は、テストステロン値には有意な変化は示しませんでしたが、

糖代謝や心血管リスクの改善、TSHやfT4への有意な作用を示しています。


DHCでは、大豆イソフラボンプエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの複合サプリメントなどを製品化しています。



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植物エストロゲンによる骨代謝改善作用:系統的レビュー [2016年10月07日(金)]
今月の婦人科学の専門ジャーナルに、植物エストロゲンによる骨代謝改善作用を示した系統的レビューが報告されていました。
(Climacteric. 2016 Oct 6:1-11.)


閉経後には、骨吸収の増加や骨密度の低下が認められ、骨粗鬆症のリスクが高まります。


植物エストロゲンは、女性ホルモン様の作用を有することから、閉経後の骨代謝改善に有用であることが示唆されています。


今回の系統的レビューでは、

閉経後の女性において、

植物エストロゲンによる骨密度への作用が検証されました。


具体的には、

主要医学データベースを用いて、
(PubMed, Science Direct, Scopus, Cochrane Library, ISI Web of Knowledge, and ProQuest)


2005年から2016年の間の論文について、

植物エストロゲン、骨密度、閉経といった用語で検索が行われ、

23報が系統的レビューの解析対象となりました。

ほとんどの研究は、ランダム化二重盲検偽薬対照試験であり、

3494名のデータが解析されています。

介入の用いられた植物エストロゲンは、

さまざまな大豆イソフラボン抽出物、ゲニステイン(単独あるいはダイゼインとの併用)

レッドクローバー抽出物などの植物エストロゲンであり、

介入期間は、7週間から3年間でした。


試験での主アウトカムは、

全身あるいは局所の骨密度(BMD)あるいは骨塩量、T-スコア、骨代謝関連バイオマーカーです。


解析の結果、

閉経後の女性において、

イソフラボン類による全般的な好影響が見出されたということです。


BMDの変化に関する臨床的意義の議論はあるにせよ、

骨粗鬆症のリスクが高くなる閉経後の女性では、植物エストロゲン含有サプリメントによる有用性が考えられます。



最近の研究では、次の報告があります。


植物エストロゲンによる更年期症状改善作用:メタ解析




大豆イソフラボンによる更年期のほてり改善作用:レビュー




植物エストロゲンの摂取による卵巣がんリスク低下:メタ解析



大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ




大豆イソフラボンによる消化器がんリスク低下作用






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大豆イソフラボンがPCOS患者での代謝指標を改善する [2016年08月06日(土)]
今月の臨床内分泌学の専門ジャーナルに、PCOS患者において、大豆イソフラボン投与による内分泌代謝指標への作用を検証した臨床研究が、イランのグループ(Arak University of Medical Sciences)から報告されていました。
(J Clin Endocrinol Metab. 2016 Aug 4:jc20161762)



PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、卵巣内に卵子は十分に存在しますが、毎周期の排卵が認められず、不妊症の原因となります。
同時に、肥満、糖代謝異常や脂質異常なども生じます。


今回の研究では、

大豆イソフラボンによるPCOSでの内分泌代謝への作用が検証されました。


具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

PCOS患者70名(18-40歳)を対象に、

・1日あたり50mgの大豆イソフラボン投与群:35名、

あるいは

・偽薬投与群:35名

の2群について、12週間の介入が行われています。


内分泌代謝指標、炎症、酸化ストレス関連指標が介入の前後で検証されました。


解析の結果、

12週間の介入後の時点で、

偽薬群に比べて、

大豆イソフラボン投与群では、

血中インスリン値の有意な減少
(-1.2 ± 4.0 vs +2.8 ± 4.7 μ IU/mL; P < .001)

インスリン抵抗性(HOMA-IR)の有意な減少
(-0.3 ± 1.0 vs +0.6 ± 1.1; P < .001)

量的インスリン感受性チェック指標の増加
(+0.0009 ± 0.01 vs -0.01 ± 0.03; P = .01)

が認められたということです。

また、

偽薬群に比べて、

大豆イソフラボン投与群では、

遊離アンドロゲンインデックスの有意な減少(改善)
(-0.03 ± 0.04 vs +0.02 ± 0.03; P < .001)

血中のTG値の有意な減少
(-13.3 ± 62.2 vs +10.3 ± 24.5 mg/dL; P = .04)

も見出されています。


さらに、

偽薬群に比べて、

大豆イソフラボン投与群において、

血中総グルタチオン値の有意な増加
(+96.0 ± 102.2 vs +22.7 ± 157.8 μ mol/L; P = .04)

過酸化脂質の指標であるMDA値の有意な減少
(-0.7 ± 0.8 vs +0.8 ± 2.3 μ mol/L; P = .001)

が認められています。

その他の脂質や炎症、酸化関連指標では、両群間での有意差は示されませんでした。


以上のデータから、

PCOS患者において、

大豆イソフラボンの12週間投与により、インスリン抵抗性の抑制、脂質代謝の改善、酸化ストレスマーカーの改善といった有用性が示唆されます。


今後、補完療法としての臨床的意義の検証が期待できる分野です。



DHCでは、大豆イソフラボンプエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの複合サプリメントなどを製品化しています。





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posted at 23:57 | この記事のURL
メタボリック症候群に対する亜麻仁の有用性 [2016年05月08日(日)]
今月の植物療法研究の専門ジャーナル(電子版)に、メタボリック症候群に対する亜麻仁(フラックスシード)の有用性を検証した臨床研究が、イランのグループ(Shahid Beheshti University of Medical Sciences)から報告されていました。
Phytother Res. 2016 May 6)


フラックスシードオイル(亜麻仁油)は、α-リノレン酸が豊富であり、抗炎症作用などの機能性が示されています。

ベジタリアン向けのサプリメントとして、EPAやDHAの代わりにも広く利用されています。


フラックスシード(亜麻仁・あまに)は、α-リノレン酸の他、リグナン類、食物繊維なども含まれています。


さて、
今回の研究では、

メタボリック症候群に対する生活習慣改善指導において、亜麻仁油の併用による有用性が検証されました。


具体的には、

メタボリック症候群患者44名を対象に、

・ライフスタイルに対する改善指導+フラックスシード(30グラム/日)

・ライフスタイルに対する改善指導

の2群について、比較が行われています。


メタボリック症候群の被験者の減少割合は、

投与前に比べて、

対照群では50%、

フラックスシード併用群では82%

でした。


また、

上半身肥満の改善割合は、

対照群の13%、

亜麻仁の36%

でした。


さらに、

インスリン抵抗性の改善は、

対照群に比べて、

亜麻仁において有意でした。
(p&#8201;<&#8201;0.001)



体重、ウエスト周囲径、BMIは、両群ともに有意に減少し、

亜麻仁群のほうが、対照群よりも顕著な減少が認められています。
(p&#8201;<&#8201;0.05)


なお、血圧は両群とも変化は認められていません。


以上のデータから、

メタボリック症候群患者において、

亜麻仁(フラックスシード)投与による補完療法としての有用性が示唆されます。


一般に、亜麻仁油・フラックスシードオイルは、オメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含むため、抗炎症作用を介した生活習慣病予防効果が示されています。


ただし、
今回の研究は、イランでの臨床試験ですので、日本人で同様の効果が検出できるかどうか、今後の検証が必要です。




先行研究でも有用性が示されています。


フラックスシード(亜麻仁)による降圧作用:メタ解析




近年の研究によって、DHAやEPAといったオメガ3系脂肪酸が、動脈硬化抑制作用や抗うつ作用など多彩な働きを有することが示されています。

一般に、青魚がDHAやEPAの豊富な食材として知られており、オメガ3系脂肪酸の供給源として魚油サプリメントが利用されます。

一方、体内の代謝経路では、アルファリノレン酸がEPAおよびDHAの前駆体であることから、魚類の摂取が少ない場合の代替サプリメントとして、亜麻仁油(フラックスシードオイル)などが推奨されることがあります。

ただし、体内では、アルファリノレン酸からEPA,DHAへの転換効率が低いため、臨床的に有意な量が摂取できるかどうか、議論が続いています。


(なお、EPAやDHAの前駆体であるという以外に、アルファリノレン酸には、独自の作用もあると考えられます。サプリメントの研究では、アルファリノレン酸としての投与による働きも報告されています。)



DHCでは,α-リノレン酸含有サプリメントとして,

シソの実油


シソの葉


むずむず


を製品化しています。
(α-リノレン酸・オメガ3系必須脂肪酸は,花粉症対策の機能性食品成分としても知られています。)



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大豆イソフラボンによる糖代謝への好影響:メタ解析 [2016年03月28日(月)]
今月の分子栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、大豆イソフラボンによる糖代謝への影響を検証したメタ解析が報告されていました。
(Mol Nutr Food Res. 2016 Mar 23.)



今回のメタ解析では、

閉経女性において、

大豆イソフラボン類による糖代謝への働きが検証されました。



具体的には、

1990年から2015年4月までの主要医学データベースから、
(MEDLINE, WEB OF SCIENCE, EMBASE)

閉経後の女性を対象に、大豆イソフラボンと糖代謝指標を調べたランダム化比較試験が検索されています。



17報のRCT、

閉経後の女性1,529名が解析の対象となりました。



解析の結果、


大豆イソフラボン投与により、

糖代謝の有意な改善が認められました。

ただし、研究間で不均一性が認められています。




空腹時血糖値は、

大豆イソフラボン摂取群と、偽薬群との間に顕著な差が見出されました。

(-0.22 mmol/L; 95% CI, -0.38 to -0.07 mmol/L)



また、

大豆イソフラボン投与によるインスリン値への影響も有意であり、
(-0.43 μIU/ml, 95% CI, -0.71 to -0.14 μIU/ml)


さらに、
インスリン抵抗性(HOMA-IR)も、有意な改善が認められました。
(-0.52, 95% CI, -0.76 to -0.28)



以上のデータから、

閉経後の女性において、

大豆イソフラボンの摂取による糖代謝への好影響が示唆されます。



なお、大豆あるいは大豆イソフラボンにより、直接、血糖コントロールが改善するとは考えにくいと思います。

そこで、閉経後の女性において、ヘルシーエイジングのための食生活の一環としての大豆製品/大豆イソフラボンの摂取が推奨されます。



大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。




DHCでは、大豆イソフラボンプエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの複合サプリメントなどを製品化しています。






日本では、
「大豆イソフラボンアグリコンの安全な一日摂取目安量の上限値」

という表現が一人歩きし、

過度に神経質になっていることがあります。



この上限値というのは、10年ほど前の内閣府食品安全委員会の報告に基づいた情報です。


当時、食品安全委員会では、

-- 大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値:70〜75mg/日

-- 特定保健用食品としての大豆イソフラボンの安全な一日上乗せ摂取量の上限値:30mg/日
(いずれも大豆イソフラボンアグリコン換算値)

と発表しています。


そこで、一部の医療関係者では、
上限値の背景となった個別の研究の情報をよく検証せずに、

極端な場合、
「イソフラボンの摂取により子宮内膜肥厚が生じ、子宮がんのリスクが高まる」
といった誤解も聞きます。



実際の食品中では、アグリコン換算で、

納豆一パックあたり30〜35mg程度は含まれています。
(納豆100gあたり73.5mg)


豆腐には100グラムあたり20.3mgです。


つまり、食品からの摂取量は、簡単に上限値を超えてしまう状態です。




一般に、長期間、アグリコンの形で大量に摂取することに対しては、その安全性と有効性のバランスについて、個別に判断が必要です。


一方、更年期障害に伴う、うつ状態や不眠といった特定の症状を改善する目的で、アグリコンとして、比較的短期間、利用するという選択肢も考えられます。



一般に、
サプリメントの形状では、食品からの摂取量を大きく上回るような量の摂取が可能となります。


しかし、食品安全委員会の数値が独り歩きして、それを疑うことなく信じているような医療従事者は少し情報不足かもしれません。


例えば、短期的には、イソフラボンの高用量投与が不妊治療に有用とする臨床データも知られています。



内閣府食品安全員会が上限値を設定する根拠となった論文の一つは、イタリアからの報告であり、

1日あたり150mgの摂取による子宮内膜肥厚という臨床データでした。


これを受けて、日本では、その半分の75mgが上限値を設定する際の目安になっています。


一方、前述の臨床データを報告したイタリアのグループは、逆転の発想をしています。


150mgで子宮内膜肥厚の作用がみられるなら、

その10倍量を短期間投与することが不妊治療に応用できるのでは、

と考えたようです。


そして、
不妊治療中の女性を対象に、1日あたり1,500mgの大豆イソフラボンあるいは偽薬を投与したところ、妊娠率が有意に改善したと報告しています。
(Fertil Steril. 2004 Dec;82(6):1509-13.)

大豆イソフラボン投与によって、
対照群に比べて、
妊娠率が16.2%から30.0%に有意的に改善したということです。

不妊治療を行う比較的短期間、黄体期における補完療法として、
大豆イソフラボンの高用量投与が選択肢の一つとして示唆されます。






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イソフラボンサプリメントと子宮内膜肥厚との関連:メタ解析 [2016年03月13日(日)]
今日は、医学関係の学会の臨時理事会でした。

定款変更などの議案があったので、理事の過半数の出席が必要ということでしたが、クリアできたようです。

さて、本日の私的なお勉強日記です。

今月のがん研究の専門ジャーナル(電子版)に、大豆イソフラボンと、子宮内膜飛行との関連を検証したメタ解析が報告されていました。
(Oncotarget. 2016 Mar 7)


大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。


一般に、食品に存在するグリコシド型(配糖体型)イソフラボンであれば、安全性の問題はありません。

しかし、エストロゲン様作用を有するイソフラボンを大量に長期に摂取することに懸念を示す意見もあります。

(例えば、子宮内膜がん/子宮体がんのリスクとの関連などです。)



そこで、
今回のメタ解析では、閉経前と閉経後において、イソフラボンによる子宮内膜肥厚への影響が検証されました。


具体的には、
2015年8月までの主要医学データベースから、
(PubMed, Embase, the Cochrane Library, web of science, CINAHL, WHO ICTRP)

23報が抽出され、解析の対象となりました。


解析の結果、

まず、
全体では、イソフラボンサプリメントの経口摂取と、子宮内膜肥厚との間に有意な相関は認められませんでした。
(23報, 2167名; SMD:-0.05; 95%CI:-0.23, 0.13; P=0.60)


次に、
層別解析では、

1日あたり54mg以上の用量では、

子宮内膜厚が0.26mm有意に減少していました。
(10報, 984名; SMD:-0.26; 95%CI:-0.45, -0.07; P=0.007).


さらに、

北米での研究では、

イソフラボンサプリメントにより、子宮内膜厚が、0.23mm有意に減少していました。(7報, 726名; SMD:-0.23; 95%CI:-0.44, -0.01; P=0.04)


一方、

アジアでの研究では、
イソフラボンサプリメントにより、子宮内膜厚が、0.23mm有意に増加していました。
(3報, 224名; SMD: 0.23; 95%CI:-0.04, 0.50; P=0.10).



以上のデータから、

イソフラボンサプリメントの子宮内膜厚への作用には人種による差が示唆されます。


今後、長期投与による臨床的意義の検証が期待される分野です。





日本では、
「大豆イソフラボンアグリコンの安全な一日摂取目安量の上限値」

という表現が一人歩きし、

過度に神経質になっていることがあります。



この上限値というのは、10年ほど前の内閣府食品安全委員会の報告に基づいた情報です。


当時、食品安全委員会では、

-- 大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値:70〜75mg/日

-- 特定保健用食品としての大豆イソフラボンの安全な一日上乗せ摂取量の上限値:30mg/日
(いずれも大豆イソフラボンアグリコン換算値)

と発表しています。


そこで、一部の医療関係者では、
上限値の背景となった個別の研究の情報をよく検証せずに、

極端な場合、
「イソフラボンの摂取により子宮内膜肥厚が生じ、子宮がんのリスクが高まる」
といった誤解も聞きます。



実際の食品中では、アグリコン換算で、

納豆一パックあたり30〜35mg程度は含まれています。
(納豆100gあたり73.5mg)


豆腐には100グラムあたり20.3mgです。


つまり、食品からの摂取量は、簡単に上限値を超えてしまう状態です。




一般に、長期間、アグリコンの形で大量に摂取することに対しては、その安全性と有効性のバランスについて、個別に判断が必要です。


一方、更年期障害に伴う、うつ状態や不眠といった特定の症状を改善する目的で、アグリコンとして、比較的短期間、利用するという選択肢も考えられます。



一般に、
サプリメントの形状では、食品からの摂取量を大きく上回るような量の摂取が可能となります。


しかし、食品安全委員会の数値が独り歩きして、それを疑うことなく信じているような医療従事者は少し情報不足かもしれません。


例えば、短期的には、イソフラボンの高用量投与が不妊治療に有用とする臨床データも知られています。



内閣府食品安全員会が上限値を設定する根拠となった論文の一つは、イタリアからの報告であり、

1日あたり150mgの摂取による子宮内膜肥厚という臨床データでした。


これを受けて、日本では、その半分の75mgが上限値を設定する際の目安になっています。


一方、前述の臨床データを報告したイタリアのグループは、逆転の発想をしています。


150mgで子宮内膜肥厚の作用がみられるなら、

その10倍量を短期間投与することが不妊治療に応用できるのでは、

と考えたようです。


そして、
不妊治療中の女性を対象に、1日あたり1,500mgの大豆イソフラボンあるいは偽薬を投与したところ、妊娠率が有意に改善したと報告しています。
(Fertil Steril. 2004 Dec;82(6):1509-13.)

大豆イソフラボン投与によって、
対照群に比べて、
妊娠率が16.2%から30.0%に有意的に改善したということです。

不妊治療を行う比較的短期間、黄体期における補完療法として、
大豆イソフラボンの高用量投与が選択肢の一つとして示唆されます。




大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。




DHCでは、大豆イソフラボンプエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの複合サプリメントなどを製品化しています。




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更年期の血管神経症状に対する第一選択:コンセンサス・ステートメント [2016年03月09日(水)]
今月の産婦人科学の専門ジャーナルに、更年期の血管神経症状に対する第一選択としてイソフラボンを推奨したコンセンサス・ステートメントが、欧州(ドイツ・スイス・イタリア・オーストリア・スロベニア)のグループから報告されていました。
(Gynecol Endocrinol. 2016 Mar 4:1-4.)


イソフラボン類の摂取と、更年期のほてり(ホットフラッシュ)減少との相関は、1990年代初めに、大豆の摂取との関連による研究にて指摘されました。


それ以降、

大豆やレッドクローバーなどさまざまなイソフラボン源を用いて、多くの臨床研究が実施されされており、

適切なプロトコールにより行われた研究では、すべて、イソフラボンサプリメントの好影響を支持しています。


また、
リスク評価(EFSA 2015)では、いずれのヒト臨床研究でも、

乳腺や子宮、甲状腺において、イソフラボンとホルモン感受性細胞との潜在的な相互作用からの有害事象は見出されていません。


安全性に関しては、

1日あたり150mgまでの3年間の長期間投与により確認が行われました。


さらに、

高用量のイソフラボン摂取により、乳がんリスク低減作用も見出されました。


その他、
臨床での知見から、乳がんに対してタモキシフェンあるいはanastrozoleによる治療中でも、イソフラボン摂取による潜在的な好影響が示唆されています。




大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。



最近の研究では、次の報告があります。




大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ



植物エストロゲンによる更年期症状改善作用:メタ解析


植物エストロゲンの摂取による卵巣がんリスク低下:メタ解析



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大豆イソフラボン含有豆乳飲料による更年期障害の改善作用 [2016年01月28日(木)]
今月の婦人科内分泌学の専門ジャーナルに、豆乳飲料による更年期障害の改善作用を示した臨床研究が、スペインのグループから報告されていました。
(Gynecol Endocrinol. 2016 Jan 25:1-6.)



大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。


さて、今回の研究では、
大豆イソフラボン高含有の豆乳飲料による更年期関連症状への影響が検証されました。


具体的には、

オープンラベルクロスオーバー法として、

スペインの13ヶ所のヘルスセンターから、

更年期の女性147名を対象に、

・豆乳飲料投与群:500ml/日、15gのたんぱく質、50mgのイソフラボン類含有

・対照投与群

の2群について、6週間毎の介入、計12週間の介入が行われています。


指標として、
更年期関連スケールとQOL、脂質代謝、心血管リスクなどが測定されました。


登録された147名のうち、90名が評価対象となりました。



解析の結果、

イソフラボン高含有投入飲料により、

更年期関連症状の有意な低下(改善)、
(20.4%、p&#8201;=&#8201;0.001)

泌尿器系症状の有意な低下(改善)、
(21.3%、p&#8201;<&#8201;0.05)
が認められたということです。

また、健康関連QOLの有意な改善も示されました。
(18.1%, p&#8201;<0.05)


以上のデータから、
大豆イソフラボン高含有の豆乳飲料による更年期関連症状の改善作用が示唆されます。




DHCでは、下記の製品を取り扱っています。


DHC青汁+豆乳(30缶入)
2つのヘルシー素材がこれ1本!イメージをくつがえすおいしさです!




最近の研究では、次の報告があります。




大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ



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大豆イソフラボン摂取による高血圧リスク低下作用 [2016年01月01日(金)]
新年あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(なお、本ブログは、私的なお勉強日記のため、特に面白い内容ではないと思います…。
なにとぞご了承ください。)



臨床高血圧研究の専門ジャーナル(電子版)に、大豆の摂取と血圧への影響を調べた臨床研究が、米国のグループから報告されていました。
J Clin Hypertens. 2015 Dec 28.)



大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。



今回の研究では、

米国でのコホート研究として、

大豆の摂取と、血圧との関連に関して、

3142名のデータが調べられました。

(CARDIA:Coronary Artery Risk Development in Young Adults 研究のデータです。)


年齢や性別、BMI、喫煙歴、身体活動などの交絡因子で補正後、

解析の結果、

まず、全般的に、
高血圧の患者では、イソフラボンの摂取量が少ないことが見出されました。
(2.2±5.2 mg/d vs 4.1±11.7 mg/d; P<.001).


4分位で大豆イソフラボンの摂取量が最高群では、

最低群に比べて、

収縮期血圧が4.4 mm Hg低値であったということです。


大豆イソフラボンの摂取による収縮期血圧に対する降圧作用は、

白人よりも、黒人で、より顕著でした。
(P for interaction <.001)


以上のデータから、

大豆イソフラボンの摂取による収縮期血圧に対する降圧作用が示唆されます。



最近の研究では、次の報告があります。




大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ



植物エストロゲンによる更年期症状改善作用:メタ解析


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大豆イソフラボンの摂取が多いと大腸がんリスクが低い [2015年11月23日(月)]
今月の科学誌に、大豆イソフラボンおよび大豆製品の摂取と、大腸がん(結腸がん・直腸がん)リスクとの関連を調べた研究が、韓国のグループ(Seoul National University College of Medicine)から報告されていました。
PLoS One. 2015 Nov 17;10(11):e0143228.)



大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。


今回の研究では、

大豆食品およびイソフラボンの摂取と、大腸がん(結腸がん・直腸がん)リスクとの関連が検証されました。


具体的には、

韓国での症例対照研究として、

大腸がん患者901名と、

対照群2,669名を対象に、


食事調査が行われ、


大豆イソフラボンの摂取量が5段階で評価されています。


解析の結果、

男女とも、

大豆製品の総摂取量、豆類、スプラウト(芽)の摂取量が多いと、

大腸がんリスクが低いという相関が見出されました。

なお、
中程度の大豆製品の摂取群では、リスク増加が示唆されています。

一方、

男性では、
発酵大豆ペーストと、大腸がんリスク増加が相関していました。


次に、
4分位で、

大豆イソフラボンの摂取が最高群では、

最低群に比べて、

大腸がんリスクが

男性では33%低下、
(OR: 0.67, 95% CI) 0.51-0.89)

女性では35%低下
(OR: 0.65, 95% CI: 0.43-0.99)

という相関が見出されました。


イソフラボンの摂取量が最高群でのリスク低下は、

男性では遠位大腸がん、

女性では直腸がんにおいて、一貫して認められています。


また、
閉経前の女性よりも、

閉経後の女性において、

大豆製品の摂取と、大腸がん(結腸がん・直腸がん)リスク低下との相関が、より顕著でした。


以上のデータから、

大豆製品および大豆イソフラボンの摂取による大腸がんリスクの低下、
特に、遠位大腸がんリスクおよび直腸がんリスクの低下が示唆されます。





最近の研究では、次の報告があります。




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イソフラボンによる骨髄異形成症候群リスク低下 [2015年10月17日(土)]
今日は、第21回国際個別化医療学会学術集会でした。

(前回の大会で、私は会頭を務めさせていただきました。)

今回は、個別化医療の新時代というテーマで、エピジェネティックスからアンチエイジング、酸化ストレス、遺伝子検査など幅広い領域がカバーされていました。


薬、人を殺さず、薬師、人を殺す、

というスライドがありました。

この場合、薬師(くすし)というのは、医薬品を処方する医師をさしています)


個別化医療では、

万人に効く薬はないし、副作用のない薬はないので、医薬品を使う限り、適正使用が求められる、ということでしょうか。



さて、本日の私的なお勉強日記です。

今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、イソフラボン摂取と骨髄異形成症候群との関連を調べた疫学研究が、オーストラリアと中国のグループから報告されていました。
(Br J Nutr. 2015 Oct 13:1-6.)



大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。


今回の研究では、
大豆食品の摂取あるいは食事由来のイソフラボン類の摂取と、
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes; MDS)リスクとの関連が検証されました。


具体的には、
2012年から13年にかけて、
中国での症例対照研究として、

19歳から85歳のMDS患者208名と、
対照群208名を対象に検証されました。


食事摂取では107項目が調べられ、

USDAイソフラボンデータベースに基づき、
ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、総イソフラボンの摂取が推計されています。



解析の結果、

まず、
1日あたりの総イソフラボン摂取量は、
症例群:19&#183;0 mg
対照群:23&#183;0 mg
でした。


イソフラボンの摂取量と、
MDSリスクとの間には、有意な負の相関が見出されたということです。


イソフラボン別の解析では、

三分位で

最低群に比べて、

最高群では、

ダイゼインでは、
57%のリスク低下
(0.43; 95 % CI 0&#183;21, 0&#183;85)

ゲニステインでは、
64%のリスク低下
(0.36; 95 % CI 0&#183;18, 0&#183;74)

グリシテインでは、
51%のリスク低下
(0.49; 95 % CI 0&#183;25, 0&#183;97)

総イソフラボン量では、
60%のリスク低下
(0.40; 95 % CI 0&#183;20, 0&#183;81)

でした。

以上のデータから、

イソフラボン類の摂取による骨髄異形成症候群(MDS)リスク低下が示唆されます。



DHCでは、大豆イソフラボンプエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの複合サプリメントなどを製品化しています。




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イソフラボンアグリコンによる更年期障害の症状改善効果 [2015年09月05日(土)]
産婦人科学の専門ジャーナル(電子版)に、日本人において、イソフラボンアグリコンによる更年期障害の症状改善作用を示した臨床研究が、東京医科歯科大学のグループから報告されていました。
(Arch Gynecol Obstet. 2015 Aug 21.)



大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。


一般に、食品に存在するグリコシド型(配糖体型)イソフラボンであれば、安全性の問題はありません。


しかし、エストロゲン様作用を有するイソフラボンを大量に長期に摂取することに懸念を示す意見もあります。


そこで、

今回の研究では、

低用量のイソフラボンアグリコンによる更年期に伴う症状への影響が検証されました。


具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

少なくとも1種類以上の更年期関連症状を有する、
40歳から60歳の健康な女性90名を対象に、

・イソフラボンアグリコン12.5 mg投与群 (12.5 mg/day; n = 30)

・イソフラボンアグリコン25 mg投与群 (25 mg/day; n = 30)

・偽薬対照群(n = 30)

の3群について、8週間の介入試験が行われました。


投与前、4週間、8週間の時点で、
更年期関連症状が
MSS,
Hospital Anxiety and Depression Scale (HADS),
Athens Insomnia Scale (AIS) の指標にて評価されています。

87名(97%)が8週間の試験を完了しました。


解析の結果、

イソフラボンアグリコン25 mg投与群において、

投与前に比べて、

4週間および8週間の時点で、

HADS-うつ病スコア, AIS score, MSS-身体症状スコアの有意な改善、

8週間の時点で
MSS-血管神経運動症状スコアの有意な改善が認められたということです。


また、
偽薬群に比べて、

イソフラボンアグリコン25 mg投与群では、

HADS-うつスコア、AISについて、
投与前から8週間後までの変化が有意に大きいことも見出されました。


以上のデータから、

更年期関連症状としてうつや不眠を有している、
日本人の中高年女性において、
低用量(25mg/日)のイソフラボンアグリコン投与による改善作用が示唆されます。






日本では、
「大豆イソフラボンアグリコンの安全な一日摂取目安量の上限値」

という表現が一人歩きし、

過度に神経質になっていることがあります。



この上限値というのは、10年ほど前の内閣府食品安全委員会の報告に基づいた情報です。


当時、食品安全委員会では、

-- 大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値:70〜75mg/日

-- 特定保健用食品としての大豆イソフラボンの安全な一日上乗せ摂取量の上限値:30mg/日
(いずれも大豆イソフラボンアグリコン換算値)

と発表しています。


そこで、一部の医療関係者では、
上限値の背景となった個別の研究の情報をよく検証せずに、

極端な場合、
「イソフラボンの摂取により子宮内膜肥厚が生じ、子宮がんのリスクが高まる」
といった誤解も聞きます。



実際の食品中では、アグリコン換算で、

納豆一パックあたり30〜35mg程度は含まれています。
(納豆100gあたり73.5mg)


豆腐には100グラムあたり20.3mgです。


つまり、食品からの摂取量は、簡単に上限値を超えてしまう状態です。




一般に、長期間、アグリコンの形で大量に摂取することに対しては、その安全性と有効性のバランスについて、個別に判断が必要です。


一方、更年期障害に伴う、うつ状態や不眠といった特定の症状を改善する目的で、アグリコンとして、比較的短期間、利用するという選択肢も考えられます。



一般に、
サプリメントの形状では、食品からの摂取量を大きく上回るような量の摂取が可能となります。


しかし、食品安全委員会の数値が独り歩きして、それを疑うことなく信じているような医療従事者は少し情報不足かもしれません。


例えば、短期的には、イソフラボンの高用量投与が不妊治療に有用とする臨床データも知られています。



内閣府食品安全員会が上限値を設定する根拠となった論文の一つは、イタリアからの報告であり、

1日あたり150mgの摂取による子宮内膜肥厚という臨床データでした。


これを受けて、日本では、その半分の75mgが上限値を設定する際の目安になっています。


一方、前述の臨床データを報告したイタリアのグループは、逆転の発想をしています。


150mgで子宮内膜肥厚の作用がみられるなら、

その10倍量を短期間投与することが不妊治療に応用できるのでは、

と考えたようです。


そして、
不妊治療中の女性を対象に、1日あたり1,500mgの大豆イソフラボンあるいは偽薬を投与したところ、妊娠率が有意に改善したと報告しています。
(Fertil Steril. 2004 Dec;82(6):1509-13.)

大豆イソフラボン投与によって、
対照群に比べて、
妊娠率が16.2%から30.0%に有意的に改善したということです。

不妊治療を行う比較的短期間、黄体期における補完療法として、
大豆イソフラボンの高用量投与が選択肢の一つとして示唆されます。




大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。




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レッドクローバーによる骨代謝改善作用 [2015年08月14日(金)]
補完代替医療の専門ジャーナルに、閉経後の女性において、レッドクローバーによる骨代謝改善作用を示した臨床研究が、デンマークのグループ(Aarhus University Hospital)から報告されていました。
(Evid Based Complement Alternat Med. 2015;2015:689138)



大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。



今回の研究では、

健康な閉経後の女性において、

レッドクローバー含有サプリメントによる骨代謝マーカーおよび炎症マーカーへの影響が検証されました。



具体的には、

12週間のランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

閉経後の女性60名を対象に、

・レッドクローバー抽出物含有ドリンク150mL摂取群、
(イソフラボンとして37.1&#8201;mg含有、アグリコンとして33.8&#8201;mg含有)

・偽薬投与群、

の2群について、

骨密度、骨ミネラル含有量、腰椎および大腿骨頚部のTスコアが測定されました。

また、血中の骨代謝マーカー(CTx) と炎症マーカーも調べられています。



解析の結果、

レッドクローバー投与群では、骨代謝関連指標における好影響が見出されたということです。

一方、偽薬投与群では、腰椎における骨密度の有意な低下が示されました。
(p < 0.01)

腰椎のTスコアは、偽薬群において有意に低下しました。
(p < 0.01)


その他、

骨ターンオーバーマーカー(CTx)は、

レッドクローバー投与群において低下傾向が示されています。
(-9.94 (±4.93)%,有意差なし)

なお、炎症マーカーや血圧には、両群とも有意な変化は見出されませんでした。


以上のデータから、

閉経後の女性において、

レッドクローバーサプリメントによる骨代謝改善作用が示唆されます。



今回は健常者を対象にした研究ですので、

今後、未病領域での臨床的意義の検証が期待されます。



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植物エストロゲンによる前立腺がんリスク低下作用:メタ解析 [2015年08月06日(木)]
がん研究の専門ジャーナルに、植物エストロゲン摂取と、前立腺がんリスクとの関連を検証したメタ解析が報告されていました。
(World J Surg Oncol. 2015 Jul 31;13(1):231.)



大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。


疫学研究では、

植物エストロゲンの摂取と前立腺がんとの関連について多くの報告があります。


今回の研究では、

植物エストロゲンの摂取(あるいは血中濃度)と、前立腺がんとの関連が調べられました。



具体的には、

主要医学データベースから、

植物エストロゲンの摂取について、
11報(コホート2報、症例対照研究9報)が抽出、

血中濃度について8報が抽出され、

メタ解析の対象となっています。


解析の結果、

植物エストロゲンの摂取量が最高群では、

前立腺がんリスクが20%低下、
(OR 0.80, 95 % CI 0.70-0.91)


血中エストロゲン値が高い群では、
前立腺がんリスクが17%低下
(OR 0.83, 95 % CI 0.70-0.99)

という相関が見出されました。


また、
層別解析では、

ゲニステインおよびダイゼインの摂取量が多い群、
および
血中エンテロラクトン値が高値の群において、

前立腺がんリスクの有意な低下が見出されました。


なお、イソフラボン摂取量、リグナン摂取量、あるいは血中ゲニステイン、ダイゼイン、エクオール値と、

前立腺がんリスクとの間に有意な相関は認められませんでした。



以上のデータから、

植物エストロゲンの摂取による前立腺がんリスクの低下作用が示唆されます。

特に、ゲニステイン、ダイゼインの摂取が多いほど、

また、血中エンテロラクトン値が高いほど、

前立腺がんリスクが低い、

という関連が見出されました。



最近の研究では、次の報告があります。




大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ



植物エストロゲンによる更年期症状改善作用:メタ解析


植物エストロゲンの摂取による卵巣がんリスク低下:メタ解析


血中イソフラボンが高いと卵巣がんリスクが低い




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大豆イソフラボンによる慢性腎臓病の改善効果:メタ解析 [2015年04月23日(木)]
今日の午後、

一般社団法人国際ひびき生命科学学会の発会式と理事役員会に出席してきました。



オルゴール療法を研究対象にした学会です。

音楽療法とはまったく異なる原理で、生物学的には介入の前後でさまざまなマーカーの変化が検出できると感じられました。



現在は症例報告が中心なので、

今後、さらにエビデンスの構築のための評価方法や比較試験の実施が期待されます。




さて、本日の私的なお勉強日記です。

今月の臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、慢性腎臓病における大豆イソフラボンおよび大豆たんぱく質の作用を検証した系統的レビュー&メタ解析が報告されていました。
(Clin Nutr. 2015 Apr 1.)



先行研究では、

慢性腎臓病患者において、

大豆の摂取による腎機能への好影響が示唆されていますが、系統的な研究は知られていません。


そこで、今回の研究では、

慢性腎臓病患者における大豆タンパク質の摂取と腎機能等への影響が検証されました。


具体的には、2013年12月に主要医学データベースを用いて、

慢性腎臓病患者での大豆摂取に関する研究が検索され、

12報、280名の患者のデータが抽出されました。



解析の結果、


透析導入前の患者において、

大豆の摂取は、

血中クレアチニンの有意な低下、
-0.05 mg/dL (95% CI: -0.10, -0.00 mg/dL; P = 0.04)

血中リンの有意な低下、
-0.13 mg/dL (95% CI: -0.26, -0.01 mg/dL; P = 0.04)

血中CRPの有意な低下、
-0.98 mg/L (95% CI: -1.25, -0.71 mg/L; P < 0.00001)

尿タンパクの減少
-0.13 mg/d (95% CI: -0.18, -0.08 mg/d; P < 0.00001)

との関連が見出されたということです。




一方、

透析中の患者では、

血中リンやCRPにおいて大豆摂取との有意な関連は見出されませんでした。



また、

血中尿素窒素(BUN)は、

透析導入前および透析導入後のいずれの群でも、

対照群に比べて、

有意な減少(改善)が見出されています。
-0.37 mg/dL (95% CI: -6.03, -0.11 mg/dL; P = 0.04)



なお、

クレアチニンクリアランス、GFR、血中アルブミン、体重、BMIには有意な相関は示されませんでした。



以上のデータから、

人工透析にはいたっていない慢性腎臓病患者において、

大豆イソフラボンを含む大豆タンパク質の摂取により、

血中クレアチニン、血中リン、CRP、尿タンパクといった検査指標の有意な改善が示唆されます。


また、

透析導入の有無にかかわらず、

慢性腎臓病患者において、

大豆の摂取とBUN低下(改善)との相関も見出されました。


今後、大豆イソフラボンあるいは大豆タンパクを用いた介入試験による検証が期待される分野です。





機能性食品素材・サプリメントでは、抗炎症作用や抗酸化作用を有する成分があり、人工透析患者に対する効果が示唆されています。

(腎不全・維持透析患者のためのサプリメント)


例えば、疫学研究では、魚油/オメガ3系脂肪酸の摂取が多いと、人工透析患者の生存率が向上する、というデータが知られています。
(Am J Kidney Dis. 2011 Aug;58(2):248-56.)


また、腎不全患者の新規透析用動静脈グラフト術後経過に対する魚油サプリメントの効果を示したランダム化比較試験も示されています。


その他、次のような報告も知られています。


葉酸サプリメントによる末期腎不全患者の死亡率低下効果



腹膜透析患者におけるビタミンCとEの抗酸化作用



維持透析患者でのビタミンEの抗酸化作用



・慢性血液透析患者に対するビタミンD3サプリメントの有用性



・腎不全患者の透析用動静脈グラフトに対する魚油サプリメントの効果



・ビタミンD高値は腎結石症との相関なし




・還元型コエンザイムQ10による腎機能改善作用



・ビタミンD3+カルシウムサプリメントによる効果@慢性腎臓病患者



・ビタミンD不足の腎臓移植患者ではタンパク尿が認められる



・人工透析患者におけるαリポ酸の効果



・ビタミンDによる慢性腎臓病の死亡率低下作用



・末期腎疾患患者におけるビタミンDサプリメントの効果








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posted at 23:56 | この記事のURL
プエラリア・ミリフィカによる前立腺肥大抑制作用 [2015年03月07日(土)]
今日の昼休みに,近くのシティバンクの支店に行ってきました。

口座の種類(区分?)の変更手続きが店頭でしかできなかったためです。

担当者からパソコンの画面を見ながら,「勤務先がThe Rockefeller Universityとなっていますが」といわれて,そのままになっているのに気付きました。


いろいろと書類を確認して,署名し,比較的短時間で完了しました。



さて,本日の私的なお勉強日記です。


内分泌学の専門ジャーナル(電子版 )に,プエラリア・ミリフィカによるアンドロゲン誘導性前立腺肥大抑制作用を示した基礎研究が,マレーシアのグループ(Universiti Malaya)から報告されていました。
(Andrologia. 2015 Jan 20.)



プエラリア・ミリフィカは,タイなどにおいて伝統医療で用いられてきたハーブです。


大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。


また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。




男性では、加齢に伴って前立腺肥大症(BPH)による排尿障害などの症状が生じます。


良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。




さて,

今回の研究では,

ダイゼインおよびゲニステインといった植物エストロゲンを含むプエラリア・ミリフィカによる前立腺肥大への作用が検証されました。



具体的には,

ラットを用いて,

テストステロン(3mg/kg BW)投与により実験的な前立腺肥大を誘導し,


・ダイゼイン/ゲニステイン含有プエラリア・ミリフィカ抽出物投与群,


・フィナステリド投与(finasteride,実薬対照)群,


の2群について,30日間の介入が行われています。





(実薬対照のフィナステリドは,前立腺肥大症に用いられている医薬品です。)





解析の結果、


テストステロン値は上昇し,

5α-還元酵素によるテストステロンからジヒドロテストステロンへの変換作用に対して,阻害が示されました。



この作用は,

プエラリア・ミリフィカ抽出物投与により,

PSA(前立腺特異抗原)値の有意な低下によって確認されています。




また,

プエラリア・ミリフィカ抽出物投与によって,

テストステロン投与ラットにおける

前立腺/体重比の増加の抑制が見出されました。




これは,

プエラリア・ミリフィカ抽出物の植物エストロゲンであるダイゼインとゲニステインが,

前立腺肥大の抑制作用を有することを示唆しています。




さらに,

組織学的解析でも,

テストステロン投与ラットの前立腺組織において,

プエラリア・ミリフィカ抽出物投与による組織学的改善が見出されました。




以上のデータから、

プエラリア・ミリフィカ抽出物に含まれる植物性エストロゲンの作用による前立腺肥大抑制作用が示唆されます。




今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。





最近の研究では、次の報告があります。


植物エストロゲンによる更年期症状改善作用:メタ解析




大豆イソフラボンによる更年期のほてり改善作用:レビュー




植物エストロゲンの摂取による卵巣がんリスク低下:メタ解析



大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ




大豆イソフラボンによる消化器がんリスク低下作用






DHCでは、大豆イソフラボンプエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの複合サプリメントなどを製品化しています。






ノコギリヤシに関しての臨床試験や基礎研究では、次のような報告があります。



ノコギリヤシ+ハルナール併用はハルナール単独よりも有効



男性型脱毛症(AGA)に対するノコギリヤシの効果


ノコギリヤシの安全性を示した臨床試験


・ノコギリヤシによる前立腺肥大症と勃起障害の症状改善作用


・前立腺の健康維持にはノコギリヤシ+リコピン+セレン


・ノコギリヤシによる細胞増殖抑制作用


・ノコギリヤシによるBPH症状改善作用



・ノコギリヤシの前立腺肥大症改善作用



・前立腺切除術前のノコギリヤシ投与の効果


・ノコギリヤシ複合サプリによる慢性前立腺炎改善効果


・ノコギリヤシ・カボチャ種子による前立腺肥大症


・前立腺切除術の出血にノコギリヤシは影響しない



・ノコギリヤシでは医薬品との相互作用報告はなし



・男性型脱毛症とノコギリヤシ


・ノコギリヤシの安全性に関する系統的レビュー


・前立腺炎に対する補完療法としてのノコギリヤシ




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posted at 23:53 | この記事のURL
不妊対策としての大豆イソフラボンの高用量投与 [2015年03月02日(月)]
昨晩、東京に戻る予定でしたが、滑走路が閉鎖されて一部の飛行機が欠航となり、
私の分も欠航、翌日に振替となりました。

(最終の新幹線には間に合わなかったので。)



先月も、別の路線ですが、滑走路が雪のために一時閉鎖され、

私が乗る予定の飛行機の機材(折り返しとなる機材)が、いったん、近くの別の空港に着陸して待機したため、結局、3時間ほど遅れたという経験をしました。





さて、本日の私的なお勉強日記です。



日本では、

「大豆イソフラボンアグリコンの安全な一日摂取目安量の上限値」

という表現が一人歩きし、


過度に神経質になっていることがあると感じます。





この上限値というのは、10年ほど前の内閣府食品安全委員会の報告に基づいた情報です。


当時、食品安全委員会では、

-- 大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値:70〜75mg/日

-- 特定保健用食品としての大豆イソフラボンの安全な一日上乗せ摂取量の上限値:30mg/日
(いずれも大豆イソフラボンアグリコン換算値)

と発表しています。


そこで、一部の医療関係者では、
上限値の背景となった個別の研究の情報をよく検証せずに、

極端な場合、
「イソフラボンの摂取により子宮内膜肥厚が生じ、子宮がんのリスクが高まる」
といった誤解も聞きます。



実際の食品中では、アグリコン換算で、

納豆一パックあたり30〜35mg程度は含まれています。
(納豆100gあたり73.5mg)


豆腐には100グラムあたり20.3mgです。


つまり、食品からの摂取量は、簡単に上限値を超えてしまう状態です。




一般に、長期間、アグリコンの形で大量に摂取することに対しては、その安全性と有効性のバランスについて、個別に判断が必要です。

もちろん、サプリメントの形状では、食品からの摂取量を大きく上回るような量の摂取が可能となります。



しかし、食品安全委員会の数値が独り歩きして、それを疑うことなく信じているような医療従事者は少し情報不足かもしれません。


例えば、短期的には、イソフラボンの高用量投与が不妊治療に有用とする臨床データも知られています。



内閣府食品安全員会が上限値を設定する根拠となった論文の一つは、イタリアからの報告であり、

1日あたり150mgの摂取による子宮内膜肥厚という臨床データでした。


これを受けて、日本では、その半分の75mgが上限値を設定する際の目安になっています。


一方、前述の臨床データを報告したイタリアのグループは、逆転の発想をしています。


150mgで子宮内膜肥厚の作用がみられるなら、

その10倍量を短期間投与することが不妊治療に応用できるのでは、

と考えたようです。


そして、
不妊治療中の女性を対象に、1日あたり1,500mgの大豆イソフラボンあるいは偽薬を投与したところ、妊娠率が有意に改善したと報告しています。
(Fertil Steril. 2004 Dec;82(6):1509-13.)


具体的には、

前向きのランダム化比較試験として、
イタリアの大学病院において、
体外授精:胚移植(IVF-ET)を受けている患者213名を対象に、

通常の不妊治療施行群、

黄体期での補完療法として、大豆イソフラボンを1日あたり1,500mg投与した群

の2群について、

合計274サイクルが行われています。


解析の結果、
大豆イソフラボン投与によって、
対照群に比べて、

妊娠率が16.2%から30.0%に有意的に改善したということです。



以上のデータから、

不妊治療を行う比較的短期間、黄体期における補完療法として、

大豆イソフラボンの高用量投与が選択肢の一つとして示唆されます。


今後、さらに臨床的意義の検証が期待される分野です。




妊娠を考える女性向けのサプリメントとして、

葉酸
厚生労働省も推奨! 赤ちゃんを考えたら、毎日とりたい栄養素



ビタミンD3


などがあげられます。


また、卵子の老化を抑制する機能性成分として、レスベラトロールも注目されています。



DHCでは、適正な価格で高品質のマルチビタミンマルチミネラルカルシウム・マグネシウムを提供しています。






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posted at 23:51 | この記事のURL
大豆イソフラボンによる更年期障害症状改善作用 [2015年02月21日(土)]
今月の臨床栄養学の専門ジャーナルに、大豆イソフラボンによる更年期障害改善作用を示した臨床研究が報告されていました。
(J Am Coll Nutr. 2015 Feb 3:1-7.)





大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。


また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。




今回の研究では、

閉経後の女性において、

大豆イソフラボン摂取による更年期障害関連症状への影響が検証されました。




具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

閉経後の女性61名を対象に、

大豆イソフラボン投与群(30名);(33グラムの大豆、54mgのイソフラボンを含むビスケットを投与)、

偽薬投与群(31名)

の2群について、8週間の介入試験が行われています。




更年期障害の評価には、

Kuppermann indexが用いられています。




解析の結果、

大豆イソフラボン投与群では、

更年期障害の重症度および関連症状の有意な改善が認められました。



総スコアは、

投与前の26.8%から、

投与後の 9.38%へと有意に低下しています。
(p < 0.001)





また、
大豆イソフラボン投与後に、

FSHやLHの有意な低下も見出されました。
(ANOVA; p < 0.001)




その他、

大豆イソフラボン投与後に

収縮期血圧および拡張期血圧の軽度な低下も示されています。




以上のデータから、

大豆および大豆イソフラボン投与による更年期障害の重症度軽減、症状改善作用が示唆されます。




今回の研究は、イランからの報告であり、

大豆の食経験が少ない女性が対象となっていると考えられます。




日本では、普段の食生活に大豆製品が比較的豊富に取り入れられていますので、今回のような形で顕著な効果は検出されにくいかもしれません。

(今回の研究での大豆の投与量は、ナットウ一パックよりも少ない量です。)



最近の研究では、次の報告があります。


植物エストロゲンによる更年期症状改善作用:メタ解析




大豆イソフラボンによる更年期のほてり改善作用:レビュー




植物エストロゲンの摂取による卵巣がんリスク低下:メタ解析



大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ




大豆イソフラボンによる消化器がんリスク低下作用






DHCでは、大豆イソフラボンプエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの複合サプリメントなどを製品化しています。








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大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ [2015年02月09日(月)]
がん研究の専門ジャーナル(電子版)に、大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下作用を示した研究が、岐阜大学のグループから報告されていました。
(Int J Cancer. 2015 Jan 14.)





大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。



先行研究では,大豆製品の摂取による乳がんや前立腺がん、消化器がんのリスク低下作用が示されています。





今回の研究では、

日本人を対象に、大豆およびイソフラボンの摂取と、胃がんリスクとの関連が調べられました。




具体的には、

コホート研究として、

1992年9月時点で、

35歳以上の

男性14,219 名と女性16,573名を対象に、


食事調査が行われ、

地域のがん登録システムによりがんの発症が記録されています。

(高山スタディTakayama studyというコホート研究です。)



2008年3月までに、

男性441名と女性237名が胃がんを発症しました。




食塩の摂取量など各種の交絡因子で補正後


大豆の摂取量が、

四分位で


最低群に比べて、

最高群では、

胃がんリスクが

男性では29%低下

(HR;0.71, 95% CI: 0.53, 0.96)


女性では42%低下

(HR; 0.58, 95% CI: 0.36, 0.94)

していました。



また、同様の負の相関関係が、

女性において、

イソフラボンの摂取量と胃がんリスクとの間にも見出されています。




さらに、

男女ともに、

非発酵食品の大豆製品の摂取が多いほど、

胃がんリスクが低いという相関が認められました。

(p for trend: 男性0.022、女性0.005)



一方、
大豆発酵食品の摂取と胃がんとの間には有意な相関は示されていません。





以上のデータから、

大豆製品および大豆イソフラボンの摂取による胃がんリスク低下作用が示唆されます。






最近の研究では、次の報告があります。


植物エストロゲンによる更年期症状改善作用:メタ解析


植物エストロゲンの摂取による卵巣がんリスク低下:メタ解析



DHCでは、大豆イソフラボンプエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの複合サプリメントなどを製品化しています。








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