栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、妊娠女性において、ビタミンDサプリメントの投与による内分泌代謝関連指標の改善効果を示した臨床研究が報告されていました。
(
J Nutr. 2013 Jul 24.)
近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。
妊娠中には、内分泌代謝系指標の悪化や酸化ストレスの亢進などが認められます。
そこで、今回の研究では、
健常な妊婦に対して、ビタミンDサプリメントを投与し、
内分泌代謝関連指標への影響が調べられました。
具体的には、
ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
18歳から40歳の妊婦48名(妊娠25週)を対象に、
1日あたり400 IUのビタミンD3サプリメント投与群(n=24)
あるいは
偽薬投与群(n=24)の2群について、
9週間の介入試験が行われました。
介入の前後で、
糖代謝や脂質代謝関連指標、炎症反応、酸化ストレスマーカーなどが測定されています。
解析の結果、
まず、
血中25-OH-D値とカルシウム値は、
偽薬群に比べて、
ビタミンD投与群において有意な増加を示しました。
(ビタミンD投与群;ビタミンD値+3.7 μg/L、カルシウム値+0.20 mg/dL)
(偽薬群;ビタミンD値-1.2 μg/L、カルシウム値-0.12 mg/dL)
また、
ビタミンD投与群では、
血中hs-CRP値の低下、
(ビタミンD vs. 偽薬: -1.41 vs. +1.50 μg/mL; P-interaction = 0.01)
インスリン値の低下
(ビタミンD vs. 偽薬: -1.0 vs. +2.6 μIU/mL; P-interaction = 0.04)
が認められたということです。
さらに、
インスリン感受性の有意な改善
(ビタミンD vs. 偽薬: +0.02 vs. -0.02; P-interaction = 0.006),
血中総抗酸化能の有意な亢進
(ビタミンD vs. 偽薬: +152 vs. -20 mmol/L; P-interaction = 0.002)
も認められています。
その他、
偽薬群に比べて、
ビタミンD投与群では、
空腹時血糖値の有意な低下、
(ビタミンD vs. 偽薬: -0.65 vs. -0.12 mmol/L; P-interaction = 0.01)
収縮期血圧の有意な低下、
(ビタミンD vs. 偽薬: -0.2 vs. +5.5 mm Hg; P-interaction = 0.01)
拡張期血圧の有意な低下
(ビタミンD vs. 偽薬: -0.4 vs. +3.1 mm Hg; P-interaction = 0.01)
も示されています。
以上のデータから、
妊婦において、
ビタミンDの9週間の投与は、
内分泌代謝関連指標を改善することが示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
一般に、
健康保持や疾病予防の目的で利用されるビタミンD3サプリメントの摂取量は、
1日あたり
25マイクログラム(1,000IU)から50マイクログラム(2,000IU)です。
ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。
多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。
DHCでは、
ビタミンD3サプリメントを製品化しています。
ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、
という報告もあります。
マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。
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