循環器病学の専門ジャーナル(電子版)に、オメガ3系脂肪酸と抗酸化ビタミンサプリメントによる手術後の心房細動リスク低減効果を示した臨床研究が報告されていました。
(
J Am Coll Cardiol. 2013 Jul 19.)
心臓の手術後には、心房細動などの不整脈が生じることがあり、
死亡率を上げるリスクとなります。
これまでの研究によって、
オメガ3系脂肪酸サプリメントの投与が、心臓術後の不整脈を抑制することが示唆されてきました。
また、心房細動の発症と、抗酸化系との関連が示唆されています。
そこで、今回の研究では、
オメガ3系必須脂肪酸+抗酸化ビタミン類サプリメントによる術後の心房細動リスクへの影響が調べられました。
具体的には、人工心肺を用いた心臓手術を受ける203名を対象に、
・サプリメント投与群(オメガ3系必須脂肪酸を1日あたり2グラム、EPA:DHA=1:2、ビタミンCを1日あたり1グラム、ビタミンEを1日あたり400 IU)
あるいは
・偽薬群
の2群に分けて、
主アウトカムとして、心房細動の発生率、
副アウトカムとして、酸化ストレスや炎症関連マーカー
が測定されました。
解析の結果、
術後の心房細動の発生率は、
サプリメント投与群では103名中10名(9.7%)、
偽薬投与群では100名中32名(32%)
でした。(p<0.001).
また、術後早期において、
偽薬群では、炎症マーカーや酸化ストレスマーカーの上昇が認められたのに対して、
サプリメント投与群では、これらの反応が抑制されたということです。
さらに、
偽薬投与群に比べて、
サプリメント投与群では、
抗酸化酵素のカタラーゼやSOD、グルタチオンペルオキシダーゼの活性が有意に高値でした。
その他、
洞調律の患者に比べて、心房細動を生じた患者では、
心房組織でのNADPH oxidase p47-phoxタンパクおよび遺伝子発現が有意に増加していました。
以上のデータから、
術後の心房細動リスクに対して、
オメガ3系必須脂肪酸と抗酸化ビタミンのサプリメントによる抗酸化作用・抗炎症作用を介したリスク低下効果が示唆されます。
EPAや
DHAといった魚油などに豊富に存在するオメガ3系必須脂肪酸は、不整脈抑制作用を有しており、心臓突然死の予防効果が知られている他、心房細動再発抑制作用も示唆されています。
これまでの研究では、
オメガ3系脂肪酸による除細動後の再発予防効果
オメガ3系脂肪酸DHAによる心房細動リスク低下作用
オメガ3系脂肪酸による心臓術後の不整脈抑制効果
が示されています。
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