今月の行動薬理学の専門ジャーナルに、ノニエキスの記憶障害抑制作用を示した基礎研究が報告されていました。
(
Behav Pharmacol. 2013 Aug;24(4):307-19)
ノニ(学名モリンダ・シトリフォリア、
Morinda citrifolia)は、東南アジア原産で、果実が可食部です。
本邦でも沖縄・八重山諸島等に自生し、和名はヤエヤマアオキといいます。
ノニは、その果実や根、葉が薬用として、ポリネシア諸島の国々における伝統医療において、鎮痛消炎作用など種々の効果をもつ万能薬として用いられてきました。
近年、ノニの果実に由来するサプリメントが、生活習慣病を予防する機能性食品として注目されています。
さて、今回の研究では、
糖尿病モデル動物において、ノニエキスによる記憶・認知機能に対する影響が調べられました。
具体的には、
STZ誘導糖尿病マウスを用いて、
ノニエキス(50mgと100 mg/kg)を21日間投与し、
その後、モリス水迷路試験による評価、酸化ストレスやエネルギー代謝の測定、BDNFの測定が行われています。
解析の結果、
STZ誘導性糖尿病によって、モリス水迷路試験での記憶障害が見出されました。
このとき、脳内のATPやBDNF、アセチルコリン値の低下、
アセチルコリンエステラーゼ活性の亢進、
酸化ストレスの増加も認められています。
これに対して、
ノニエキス(100 mg/kg)の投与は、
STZ誘導による記憶障害を抑制し、
酸化ストレスを減少、
アセチルコリンエステラーゼ活性を抑制し、
脳内のBDNFやアセチルコリン、ATP値を増加させたということです。
以上のデータから、
糖尿病に合併する認知機能障害に対して、
ノニによる抗酸化作用やアセチルコリンエステラーゼ活性抑制作用を介した病態抑制作用が示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
DHCでは、
ノニエキスサプリメントを製品化しています。
アルツハイマー型認知症治療薬として知られている塩酸ドネペジル(アリセプト)は、アセチルコリンエステラーゼ活性を阻害することで作用を示します。
(アルツハイマー病では、脳内コリン作動性神経系の障害があります。
アセチルコリン分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼの働きを抑制することで脳内のアセチルコリン量を増加させ、脳内コリン作動性神経系を賦活するというメカニズムです。)
機能性食品・サプリメントの中で、ヒト臨床研究によって、認知症改善作用が示されているのは、次の成分です。
・
イチョウ葉エキス
イチョウ葉エキス製剤による認知症の症状改善作用
イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ
イチョウ葉エキスの有効性と安全性
イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用
・
PS(ホスファチジルセリン)サプリメント
PS(ホスファチジルセリン)による認知機能改善作用
・
エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイル
エクストラバージンオリーブオイルによる認知症予防効果
・ビタミンB群
ビタミンB群投与による脳萎縮(灰白質萎縮)抑制効果と認知機能低下抑制効果
脳萎縮進行抑制効果を示した臨床研究
一般に、認知機能への効果を期待する場合には、
ビタミンB群、オメガ3系脂肪酸(
EPAや
DHA)、
イチョウ葉エキスといったサプリメントを比較的長期間(数ヵ月以上)に利用することが必要と考えられます。
また、ウコン・クルクミンによる認知症改善作用も報告されています。
DHCでは、
複合サプリメントも製品化しています。
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