サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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ココアの摂取による認知症の予防効果 [2013年08月18日(日)]
今月の神経病学の専門ジャーナル(電子版)に、ココアの摂取による認知機能障害予防効果を示した臨床研究が、米国のグループ(Harvard Medical School)から報告されていました。
(Neurology. 2013 Aug 7.)




カカオにはポリフェノール類が含まれており、チョコレート(ダークチョコレート)やココアなどポリフェノール含有量の多いカカオ製品による機能性が知られています。



これまでの疫学研究や臨床試験では、高血圧症の改善、心血管疾患(動脈硬化性疾患)リスクの低減、抗がん作用などが報告されています。



さて、今回の研究では、

高齢者において、

ココアの消費による、脳神経活動/認知機能と血液循環との関連への作用が調べられました。





具体的には、

二重盲検試験として、

高齢者60名(平均年齢72.9 ± 5.4歳)を対象に、

30日間のココア消費の前後において、

MMSEなどの認知機能指標が測定され、


ニューロバスキュラーカップリング(神経血管カップリング)も測定されました。

(N-Back Task負荷時による中大脳動脈の循環血流を測定)



(脳における神経活動と脳血管・循環反応との関係は、ニューロバスキュラーカップリング. (neuro - vascular coupling)と呼ばれており、脳機能の評価指標として用いられています。)





解析の結果、

まず、

ニューロバスキュラーカップリングは、

認知機能指標(Trails Bスコア)と有意な相関(p = 0.002)が認められ、

2-Back Taskのパフォーマンスとも相関が見出されました。


また、

ニューロバスキュラーカップリングが高いと、

大脳白質の異方性比率 (拡散の大きさと異方性、fractional anisotropy:FA)が高いという有意な相関も認められています(p = 0.02)。




次に、

30日間のココア消費は、

投与前にニューロバスキュラーカップリングの障害が認められた高齢者において、

ニューロバスキュラーカップリングの有意な上昇、
(5.6% ± 7.2% vs. -2.4% ± 4.8%; p = 0.001)


Trails B時間の有意な改善
(116 ± 78 seconds vs. 167 ± 110 seconds; p = 0.007)


を示しました。





ニューロバスキュラーカップリングと認知機能との間には強い相関関係が認められ、

これらはいずれもココアの習慣的な摂取によって、(投与前にこれらが障害されていた高齢者では)有意に改善したことから、

ココア摂取による高齢者での認知機能改善作用が示唆されます。




今後、認知症リスクへの影響など臨床的意義の検証が期待される分野です。




ココアやチョコレートには、カカオポリフェノールが含まれており、ポリフェノールの抗酸化作用を介した機能性が注目されています。


これまでの疫学研究や臨床試験では、高血圧症の改善、心血管疾患(動脈硬化性疾患)リスクの低減、抗がん作用などが報告されています。



例えば、次のような研究が知られています。



チョコレートの摂取と脳卒中リスクの低下:前向き研究とメタ解析



ダークチョコレートによる血管内皮機能改善作用



小児の血圧とダークチョコレート



ココアによる抗炎症作用@肥満症






健康増進・疾病予防という目的では、カカオの含有量が多いダークチョコレートの摂取がポイントです。

また、ココアパウダーを用いたココア飲料では、糖分の過剰摂取に注意が必要です。


チョコレートポリフェノール/フラボノイドによる高血圧改善効果は、メタ解析でも示されています。




機能性食品・サプリメントの中で、ヒト臨床研究によって、認知症改善作用が示されているのは、次の成分です。



イチョウ葉エキス


イチョウ葉エキス製剤による認知症の症状改善作用


イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ


イチョウ葉エキスの有効性と安全性


イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用



PS(ホスファチジルセリン)サプリメント


PS(ホスファチジルセリン)による認知機能改善作用



エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイル


エクストラバージンオリーブオイルによる認知症予防効果



・ビタミンB群

ビタミンB群投与による脳萎縮(灰白質萎縮)抑制効果と認知機能低下抑制効果


脳萎縮進行抑制効果を示した臨床研究







一般に、認知機能への効果を期待する場合には、ビタミンB群、オメガ3系脂肪酸(EPADHA)、イチョウ葉エキスといったサプリメントを比較的長期間(数ヵ月以上)に利用することが必要と考えられます。

また、ウコン・クルクミンによる認知症改善作用も報告されています。

DHCでは、複合サプリメントも製品化しています。





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