今月の英国の臨床医学誌に、地中海食による健康への影響度を調べた研究が、イタリアのグループ(Università Cattolica del Sacro Cuore)から報告されていました。
(
BMJ Open. 2013 Aug 13;3(8))
地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。
野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。
地中海食は、健康増進や疾病予防に有用であることが知られており、多くの研究によってエビデンスが示されています。
今回の研究では、健康関連QOL(Health-related quality of life, HRQL)を指標として、地中海食との関係が検証されました。
(健康関連QOL(生活の質)は、死亡率の予測指標としても知られています。)
具体的には、
横断研究として、イタリアでがんと栄養に関する研究の被験者(35歳以上のイタリア人16,937名)を対象に、
地中海食の指標(MDSやIMI)とHRQLが測定されています。
(Moli-saniプロジェクトという研究の一環です。)
解析の結果、
まず、
メンタルヘルスは、
地中海食指標(MDSとIMI)および‘オリーブオイルと野菜’パターン(PCA1)と一貫して有意にポジティブに相関が認められ、
‘卵とスイーツ’パターン(PCA3)では相関は認められませんでした。
次に、
身体の健康では、
地中海食指標(MDS)と‘オリーブオイルと野菜’パターン(PCA1)が、ポジティブに相関し、
‘肉とパスタ’パターンがネガティブに相関していました。
(つまり、身体の健康保持のためには、オリーブオイル+野菜が有用であり、肉+パスタは好ましくないことになります。)
地中海食への遵守率が最も高い被験者[42% (MDS), 34% (IMI) or 59% (PCA1)]では、
最も低い被験者に比べて、
メンタルヘルスが非常に良好なレベルにありました。
なお、
食物中の抗酸化物質(ファイトケミカル・ポリフェノール)の総量あるいは食物繊維で補正すると、相関関係は消失しています。
身体ヘルスは、‘オリーブオイルと野菜’パターン(PCA1)と‘卵とスイーツ’パターン(PCA3)では、有意に高い健康状態が認められました。
以上のデータから、
地中海食の摂取は、健康関連の生活の質(HRQL)と有意に相関し、
身体の健康保持以上に、
メンタルヘルスを良好に維持することに有用であることが示唆されます。
また、この作用メカニズムとして、抗酸化成分や食物繊維の働きが推察されます。
地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。
野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。
地中海食は、健康増進や疾病予防に有用であることが知られており、多くの研究によってエビデンスが示されています。
例えば、
地中海食で死亡率が半減する
という研究があります。
地中海食をベースに、エクストラバージンオリーブオイル、あるいはナッツ類を組み合わせた介入試験について、最近では次のような研究が報告されています。
心臓病高リスク群に対する地中海食+エクストラバージンオリーブオイルの心臓病抑制効果
エクストラバージンオリーブオイルによる認知症予防効果
地中海食+エクストラバージンオリーブオイルによる認知機能改善作用
地中海食による血中総酸化能の亢進効果
バージンオリーブオイルとナッツ類を含む地中海食の抗炎症作用
------------------------------------------------------------------
医療機関専用サプリメント【DHC FOR MEDIC】(DHCフォーメディック)
医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
【健康食品FAQ】
【DHCの研究開発】
------------------------------------------------------------------