今月の肥満研究の専門ジャーナル(電子版)に、レスベラトロールによる脂肪細胞への働きを調べた臨床研究が、オランダのグループから報告されていました。
(
Int J Obes (Lond). 2013 Aug 20)
レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。
レスベラトロールは、長寿関連遺伝子の1つであるサーチュイン遺伝子の活性化を介して、アンチエイジング効果があるのでは、と期待されています。
長寿になるかどうかを確認するためのヒト臨床試験は容易ではありませんが、
最近の臨床研究では、内分泌代謝疾患や生活習慣病の改善効果が示唆されています。
さて、今回の研究では、
肥満者におけるレスベラトロール投与による脂肪細胞への影響が調べられました。
具体的には、
肥満以外は健康な男性11名を対象に、
1日あたり150mgのレスベラトロールが30日間投与されています。
(二重盲検ランダム化クロスオーバー法。4週間のwashout。)
アウトカムとして、皮下脂肪組織の生検により脂肪細胞の形態学的評価および脂肪細胞での遺伝子発現が測定されました。
解析の結果、
レスベラトロールの投与によって、
脂肪細胞のサイズが有意に低下し、
肥大化した脂肪細胞の割合が減少し、
小さいサイズの脂肪細胞が増加したということです。
(脂肪細胞は、単に脂肪をためるだけの臓器ではなく、さまざまなホルモンやサイトカインを産生する巨大な内分泌臓器です。
脂肪細胞は、そのサイズの違いによって、産生するホルモンやサイトカインの量やバランスが異なります。
肥大化した脂肪細胞では、善玉ホルモンであるアディポネクチンが低下し、動脈硬化を生じるMCP-1が増加しています。
肥大化した脂肪細胞が多いと、インスリン抵抗性が亢進して、生活習慣病を生じます。)
また、
マイクロアレイ解析では、
レスベラトロール投与によって
WntとNotchシグナル系の抑制が見出されています。
(脂肪細胞分化に関与するシグナルであり、脂肪分化促進が示唆されます。)
さらに、
TFEB系の亢進がみられたことから、
オートファジーによる脂質分解の促進が示唆されます。
以上のデータから、
レスベラトロールによる肥満者での脂質代謝改善作用が示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
現在、
レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、代謝に好影響を及ぼすことから、健康維持や生活習慣病予防からアンチエイジングの分野で注目されています。
例えば、基礎研究では、
レスベラトロールによるインスリン抵抗性改善作用
レスベラトロールによる糖尿病予防
レスベラトロールによる糖代謝改善作用
レスベラトロールの心不全リスク低減作用
レスベラトロールによる肥満予防のメカニズム
レスベラトロールによる抗がん作用
レスベラトロールによる大腸がん抑制作用
レスベラトロールの抗炎症作用
動脈硬化抑制作用
という報告があり、
ヒト臨床研究では、
レスベラトロールによる肥満者での代謝改善
レスベラトロールによる糖尿病改善作用
レスベラトロールによる脳循環改善
子宮内膜症関連痛に対するレスベラトロールの効果
という報告が知られています。
DHCでは、
レスベラトロールを製品化しています。
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