今月の動脈硬化研究の専門ジャーナルに、オメガ3系脂肪酸による心臓病の二次予防効果を調べたメタ解析が、イタリアのグループ(University of Milan)から報告されていました。
(
Atheroscler Suppl. 2013 Aug;14(2):243-51.)
EPAや
DHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。
さて、今回のメタ解析では、
オメガ3系必須脂肪酸サプリメントの長期投与による心血管疾患に対する作用について、1日1g以上、一年間以上の投与を行ったランダム化比較試験が調べられました。
具体的には、2013年3月までのRCTがPubMed, EMBASE, Cochraneを用いて検索され、
360報の抽出されたRCTのうち、
11報のランダム化二重盲検偽薬対照試験が対象となりました。
心血管疾患の既往歴を有する15,348名が解析された結果、
オメガ3系必須脂肪酸サプリメント投与による、
心臓病死の有意なリスク低下作用が認められました。
(RR, 0.68; 95% CI, 0.56 to 0.83)
また、
突然死の有意なリスク低下、
(RR, 0.67; 95% CI, 0.52 to 0.87)
心筋梗塞の有意なリスク低下
(RR, 0.75; 95% CI, 0.63 to 0.88)
も見出されました。
なお、
全死亡率
(RR, 0.89; 95% CI, 0.78 to 1.02)
や
脳卒中
(RR, 1.31; 95% CI, 0.90 to 1.90)
のリスクには有意差は見出されませんでした。
以上のデータから、
オメガ3系必須脂肪酸サプリメントの長期投与(1日1gを1年以上)による心臓病・心血管疾患の二次予防効果(心疾患の既往歴を有する人に対する心疾患の予防効果)が示唆されます。
EPAや
DHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。
EPAやDHAといったオメガ3系脂肪酸では、抗炎症作用を介した動脈硬化抑制作用による生活習慣病予防効果が知られています。
オメガ3系脂肪酸の抗炎症作用のメカニズムとして、以前は、オメガ6系との比率からアラキドン酸カスケードへの機序が考えられていました。
現在では、これに加えて、EPAとDHAの代謝物自体に抗炎症作用があることがわかっています。
臨床研究におけるオメガ3系脂肪酸の投与量は、1日あたり数百ミリグラムから4グラム程度です。
また、EPA:DHA=2〜3:1の割合です。
日本人の食事摂取基準では、EPAおよびDHAの摂取量を一グラム/日としています。
EPAもDHAも、どちらも健康維持や疾病予防に重要です。
一般に、
DHAは脳の栄養素、
EPAは血管の栄養素といえるでしょう。
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