アルツハイマー病研究の専門ジャーナル(電子版)に、ビタミンD不足の高齢者において、ビタミンDサプリメントの投与による血中のβアミロイドタンパクへの作用を検証した予備的な臨床研究が報告されていました。
(J Alzheimers Dis. 2016 Mar 31)
アルツハイマー病では、
記憶や言語など認知機能の障害が認められ、
神経病理学的には、タウたんぱく質のリン酸化やアミロイドβたんぱく質の蓄積などが検出されます。
先行研究では、
血中アミロイドβの低値と、アルツハイマー病との関連が示唆されています。
また、
In vitro研究では、脳内のアミロイドβが、ビタミンDにより排除されることが示されています。
そこで、
今回の研究では、
ビタミンDによる血中βアミロイドタンパク(Aβ 40)への作用が検証されました。
具体的には、
ビタミンDが十分ではない高齢者(男性6名、女性18名、平均年齢64.3歳)を対象に、
・ビタミンD投与群
(50,000 IU/week)
・偽薬投与群
の2群について、8週間の介入試験が行われました。
解析の結果、
対照群に比べて、
ビタミンD投与群では、
血中Aβ40値の有意な増加が認められたということです。
ビタミンD投与群;+14.9±12.0 pg/mL
対照群;+12.8±12.8 pg/mL (p = 0.045; effect size, 0.228)
また、60歳以上の参加者では、
ビタミンD投与による
Aβ40値の変化がより顕著でした。
ビタミンD投与群(n = 4);+18.3±33.6 pg/mL
偽薬投与群;(n = 4) -3.2±44.5 pg/mL
(effect size, 0.295)
以上のデータから、
血中ビタミンDが低い(不足している)高齢者では、
ビタミンDサプリメント投与により血中アミロイドβの増加作用が示唆されます。
したがって、
脳内へのβアミロイドタンパク蓄積の抑制を介したアルツハイマー病リスク低下作用が期待されます。
同様の作用機序による認知症への有用性は、
ウコン(クルクミン)でも報告されています。
予備的な臨床研究では、
ウコン(クルクミン)投与による血中アミロイドβの増加(=脳内からのアミロイドβの排出)が示唆されています。
機能性食品・サプリメントの中で、ヒト臨床研究によって、認知症改善作用が示されているのは、次の成分です。
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脳萎縮進行抑制効果を示した臨床研究
オメガ3系必須脂肪酸とαリポ酸によるアルツハイマー病の進行抑制効果
一般に、認知機能への効果を期待する場合には、
ビタミンB群、オメガ3系脂肪酸(
EPAや
DHA)、
イチョウ葉エキスといったサプリメントを比較的長期間(数ヵ月以上)に利用することが必要と考えられます。
また、ウコン・クルクミンによる認知症改善作用も報告されています。
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