サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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ウイルス性心筋炎に対するコエンザイムQ10の有用性 [2016年04月08日(金)]
今月の循環器学の専門ジャーナル(電子版)に、コエンザイムQ10によるウイルス性心筋炎への有用性を検証した臨床研究が報告されていました。
(J Cardiovasc Pharmacol. 2016 Apr 2.)


ウイルス性心筋炎は、ウイルスが原因で生じる心筋炎です。

風邪症状に続いて、心臓疾患としての症状が発現し、軽症から重症までさまざまです。


さて、今回の研究では、

ウイルス性心筋炎に対するコエンザイムQ10の補完療法としての有用性が検証されました。



具体的には、

ランダム化盲検試験として、

急性ウイルス性心筋炎と診断された患者を対象に、


・コエンザイムQ10投与群(n=42),

・トリメタジジンtrimetazidine(虚血性心疾患治療剤)(n=39)

・コエンザイムQ10+トリメタジジン併用投与群 (n=43)

の3群について

炎症および酸化ストレスマーカー、心機能などが評価されています。


解析の結果、


CoQ10群、トリメタジジン群のいずれも、

投与開始時に比べて、
炎症マーカーおよび酸化ストレスマーカーのいずれも減少していました。


一方、

CoQ10+トリメタジジンの併用群では、

それぞれの単独投与群に比べて、

炎症および酸化ストレスの指標をより顕著に有意に改善し、

さらに、左室収縮能やトロポニンへの好影響も見出されたということです。


以上のデータから、

急性ウイルス性心筋炎において、

コエンザイムQ10の投与は、抗炎症作用や抗酸化作用を介し、障害された心筋細胞への好影響により、補完療法としての有用性が示唆されます。


今後、臨床的な意義の検証が期待される分野です。




コエンザイムQ10は、抗酸化作用やATP産生作用を有する機能性成分で、体内でも産生されます。
しかし、加齢とともに内在性コエンザイムQ10は減少し、生活習慣病や慢性疾患でも低下がみられることから、アンチエイジング分野で広く摂取が推奨されているベーシックサプリメントです。


2型糖尿病患者では、同年代の対照群(健常者)に比べて、
ATP産生能が半減しているというデータもあります。




コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。





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