今月の科学誌に、ビタミンB群の投与によって、微小粒子状物質(PM2.5)による心臓神経障害の抑制作用を示した臨床研究が、米国とカナダのグループから報告されていました。
(Sci Rep. 2017 Apr 3;7:45322.)
大気汚染の原因物質である微小粒子状物質(PM2.5)は、急性の心血管イベントのトリガーとなります。
今回の研究では、
微小粒子状物質(PM2.5)の心臓自律神経系への影響に対するビタミンBサプリメントの作用が検証されました。
具体的には、
一重盲検偽薬対照クロスオーバー法にて、
健常者10名を対象に、
・正常環境(暴露ナシ)+偽薬
・PM2.5 (250 μg/m3) の環境下において、
ビタミンB群投与群
(葉酸;2.5 mg/日,B6; 50 mg/日, B12;1 mg/日)
と
偽薬投与群の合計3群について、
2時間の暴露の前後、24時間後の時点で、
心拍数、心拍変動(HRV)、白血球数などが測定されました。
まず、
非暴露群に比べて、
PM2.5暴露群では、
心拍数の有意な増加
(3.8 bpm, 95% CI: 0.3, 7.4; P = 0.04)
白血球数の有意な増加
(11.5%, 95% CI: 0.3%, 24.0%; P = 0.04)
リンパ球数の有意な増加、
(12.9%, 95% CI: 4.4%, 22.1%; P = 0.005)
および
低周波(Low Frequency)の有意な減少
(57.5%, 95% CI: 2.5%, 81.5%; P = 0.04)
が認められました。
ビタミンB群の投与では、
PM2.5による心拍数への影響を低減し、
(by 150%, P = 0.003),
低周波への影響を有意に減少、
(by 90%, P = 0.01),
白血球数
(by 139%, P = 0.006),
およびリンパ球数への影響
(by 106%, P = 0.02)
を有意に減少しました。
以上のデータから、
PM2.5への2時間の暴露により、心拍数の増加、HRVの減少、
WBC数の増加が生じ、
それらの影響が、ビタミンB群の投与により抑制されることが示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
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