サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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糖尿病性下肢潰瘍に対する亜鉛サプリメントの治癒促進作用 [2017年04月12日(水)]
今月の外傷再生研究の専門ジャーナル(電子版)に、糖尿病足病変/糖尿病性下肢潰瘍に対する亜鉛サプリメントの働きを検証した臨床研究が、イランのグループ(Kashan University of Medical Sciences)から報告されていました。
(Wound Repair Regen. 2017 Apr 10.)



亜鉛は、微量必須ミネラルのひとつであり、亜鉛の欠乏は、免疫力の低下、成長遅延、性腺機能障害、精神障害といった多彩な病態を生じます。

これらの病態は、亜鉛が300 種以上の酵素活性の中心元素として機能しているためと考えられています。

また、亜鉛は、皮膚の新陳代謝に働き、創傷の修復促進作用があることも知られています。

組織が損傷を受けると、止血や炎症から、さまざまな一連の生体反応が生じ、この創傷治癒
において、亜鉛は、好影響を与えるように制御しています。



糖尿病では、合併症として、糖尿病性足潰瘍が知られています。

原因は、血糖コントロールの不良により、末梢での動脈硬化による循環障害や神経障害、易感染性などが合わさったことです。



今回の研究では、

糖尿病性下肢潰瘍を有する患者において、亜鉛サプリメント投与による潰瘍治癒および代謝への作用が検証されました。


具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

グレード3の糖尿病性足潰瘍を有する患者60名(40-85歳)を対照に、

・220mgの硫酸亜鉛サプリメント(亜鉛を50mg含有)投与群:30名、

・偽薬投与群:30名、

の2群について、12週間の介入が行われました。

介入後、

偽薬投与群に比べて、

亜鉛サプリメント投与群では、

下肢潰瘍長の有意な減少、
(-1.5±0.7 vs. -0.9±1.2 cm, P=0.02)

潰瘍幅の有意な減少
(-1.4±0.8 vs. -0.8±1.0 cm, P=0.02)

が見出されたということです。


また、
糖代謝指標では、

偽薬群に比べて、

亜鉛サプリメント投与群において、

空腹時血糖値の有意な低下
(-40.5±71.0 vs. -3.9±48.5 mg/dL, P=0.02),


血中インスリン値の有意な低下
(-8.0±15.4 vs. +1.1±10.3 µIU/mL, P=0.009)


インスリン抵抗性(HOMA-IR)の有意な改善
(-3.9±7.1 vs. +0.8±5.9, P=0.007)


インスリン感受性指標の有意な改善
(+0.01±0.03 vs. -0.002±0.02, P=0.04)


HbA1cの有意な低下
(-0.5±0.8 vs. -0.1±0.5%, P=0.01)

も見出されました。


その他、

亜鉛投与群では、

偽薬投与群に比べて、

血中HDLコレステロール値の有意な上昇、
(+4.1±4.3 vs. +1.1±5.1 mg/dL, P=0.01)


血中の抗酸化能の有意な亢進
(+91.7±213.9 vs. -111.9±188.7 mmol/L, P<0.01)

総グルタチオン値の有意な上昇
(+68.1±140.8 vs. -35.0±136.1 &#181;mol/L, P=0.006),


hs-CRPの有意な減少
(-20.4±24.6 vs. -6.8±21.3 &#181;g/mL, P=0.02)


血中MDAの有意な減少、
(-0.6±0.9 vs. -0.2±0.7 &#181;mol/L, P=0.03)

も認められています。


以上のデータから、

糖尿病性足潰瘍を有する患者において、

亜鉛サプリメント投与による創傷治癒促進作用と糖代謝改善作用が示唆されます。



亜鉛サプリメントは、創傷治癒促進作用のために、褥瘡(じょくそう、床ずれ)の改善にも用いられます。
(老人保健施設などで食事と一緒に出される補助食品には、亜鉛が数ミリグラム含まれています。)

また、偏食や加工食品の摂取の増加により、亜鉛不足による味覚障害が問題になっています。

さらに、そもそも、厚生労働省による国民健康栄養調査では、成人において、亜鉛の摂取不足が示されています。


DHCでは、ベーシックサプリメントとして亜鉛サプリメントを製品化しています。





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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。

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