今月の栄養学の専門ジャーナルに、マルチビタミン・マルチミネラルサプリメントによる血圧への作用を検証したメタ解析が報告されていました。
(Nutrients. 2018 Aug 3;10(8).)
マルチビタミンやマルチミネラルサプリメントは、潜在的な微量必須栄養素の摂取不足を予防するために、ベーシックサプリメントとしての摂取が推奨されます。
マルチビタミンサプリメントの有用性に関して、次の研究が知られています。
マルチビタミン・ミネラルと死亡率の関係:メタ解析
マルチビタミン・ミネラルサプリメントで栄養素不足が解消
野菜不足の日本人はマルチビタミン摂取によって脳卒中での死亡率が20%低下
50歳以上の米国の男性医師14,641名を対象にした研究で、
マルチビタミンによるがんリスク低減効果
(平均的な日本人を集団で対象とする場合、現代の食生活では潜在的な栄養素の不足という問題は想定されますが、マルチビタミンの投与で死亡率低下というデータまでは検出できないと思います。)
(なお、マルチビタミン・ミネラルサプリメントによる抗がん作用や死亡率低下のメカニズムとしては、ビタミンCやビタミンE、セレンといった抗酸化作用を持つ成分が、酸化障害の抑制を介して、抗がん作用および生活習慣病予防効果を示す、となります。)
さて、
今回の研究では、
マルチビタミン、マルチミネラルサプリメントによる血圧への作用が検証されました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて、
(PubMed, Embase, Cochrane Library)
2018年5月までに収載されたランダム化比較試験が検索され、
12報のRCTが解析の対象となりました。
12報の内訳は、
8報のRCTが、2011名を対象に、マルチビタミンマルチミネラルサプリメントによる血圧への作用を調べており、
4報のRCTが、高血圧リスクを有する21,196名を対象に、マルチビタミンマルチミネラルサプリメントによる血圧への作用を調べた研究です。
解析の結果、
マルチビタミンマルチミネラルサプリメントの投与によって、
収縮期血圧の有意な低下作用、
SBP;-1.31 mmHg (95% CI, -2.48 to -0.14 mmHg)
拡張期血圧の有意な低下作用
DBP; -0.71 mmHg (95% CI, -1.43 to 0.00 mmHg)
が見出されました。
次に、サブ解析では、
マルチビタミンマルチミネラルサプリメントによる降圧作用は、
慢性疾患を有する被験者134名では、
有意な降圧作用が見出されたのに対して、
SBP; -6.29 mmHg (95% CI, -11.09 to -1.50 mmHg)
DBP; -2.32 mmHg (95% CI, -4.50 to -0.13 mmHg),
健康な被験者1580名では、有意な変化は見いだされませんでした。
また、高血圧の患者58名において、
マルチビタミンマルチミネラルサプリメントによる収縮期血圧の降圧作用は、
(WMD, -7.98 mmHg; 95% CI, -14.95 to -1.02 mmHg)
正常血圧の被験者1656名での降圧作用の6倍の効果のサイズでした。
(WMD, -1.25 mmHg; 95% CI, -2.48 to -0.02 mmHg)
なお、拡張期血圧に対する、マルチビタミンマルチミネラルサプリメントによる降圧作用は、高血圧患者でも、正常血圧の被験者でも認められませんでした。
また、
試験開始時に正常血圧の被験者22,852名の高血圧リスクについて、
マルチミネラルサプリメントによる有意な作用は検出されませんでした。
以上のデータから、
論文著者らは、
マルチビタミンマルチミネラルサプリメントによる降圧作用は、有意差をもって認められるが、
正常血圧の被験者では、その幅が小さいので、高血圧の発症予防効果としての臨床的意義は明確ではないこと、
一方、
高血圧を含む慢性疾患を有する被験者では、
マルチビタミンマルチミネラルサプリメントによる降圧は効果的な方法であること、
ただし、
被験者数が少ないので、さらに検証が必要である、
と考察しています。
(ずいぶんと控えめな考察なので、最初の原稿ではなくて、レビューアーコメントによって、修正されたと考えられます。)
臨床的には、3oHg程度の降圧で、臨床的には有意な効果、具体的には、脳卒中リスク低減などが得られます。
今回のメタ解析では、
健常者(正常血圧)および慢性疾患のいずれでも、
マルチミネラルサプリメントによる降圧作用が見出されていることから、
健常者、未病、高血圧のいずれであっても、マルチビタミンマルチミネラルサプリメントは、ベーシックサプリメントとして推奨できると考えます。
中高年以上の疾病予防・健康増進のためには、
下記のサプリメントは、すべてベーシックサプリメントとして摂取が推奨できます。
すべての摂取にかかるコストは1か月分で、2,000円程度から、ですので、
安全性・有効性に加えて、経済性(費用対効果)にも優れています。
マルチビタミン、
(マルチビタミン 徳用90日分 \886(税込\956)) ⇒1ヵ月分は約300円。
マルチミネラル、
(マルチミネラル 徳用90日分【栄養機能食品(鉄・亜鉛・マグネシウム)】\1,239(税込\1,338)) ⇒1ヵ月分は約450円。
ビタミンC ハードカプセル(1,000mg)
(ビタミンC(ハードカプセル)徳用90日分【栄養機能食品(ビタミンC・ビタミンB2)】\629(税込\679)) ⇒1ヵ月分は約210円。
ビタミンD3
(ビタミンD3 30日分 \286(税込\308)) ⇒1ヵ月分は約300円。
コエンザイムQ10、
(コエンザイムQ10 包接体 徳用90日分 通常価格\2,143(税抜)) ⇒1ヵ月分は約700円。
↑ 上記は、合計で一か月分が約2,000円ほどです。中高年以上の全員に推奨できるベーシックな成分です。
↓ 下記の成分は、上記に加えて追加する場合に、優先されるサプリメントです。
EPA、
(EPA 30日分 \950(税込\1,026))
DHA、
(DHA 30日分 \1,191(税込\1,286))
乳酸菌
(届くビフィズス 30日分 通常価格 \1,429(税抜))
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