サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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妊婦のアルコール摂取と児のメンタルヘルスへの影響:系統的レビュー [2019年03月23日(土)]
先月の薬物依存研究の専門ジャーナル(電子版)に、出生前/妊娠中のアルコール摂取による児のメンタルヘルスへの影響を調べた系統的レビューが、イギリスのグループ(University of Bristol)から報告されていました。
(Drug Alcohol Depend. 2019 Feb 21.)


妊娠中の過度なアルコール摂取は、

胎児の健康に様々な悪影響を生じることがわかっています。

今回の系統的レビューでは、

妊娠中のアルコール摂取による児のメンタルヘルスへの影響が検証されました。


具体的には、

主要医学データベースを用いて、
(PsycINFO, PubMed and Web of Science)


妊娠中のアルコール摂取と、

3歳以上の児童のメンタルヘルスのアウトカムを調べた論文が検索され、

胎児性アルコール症候群は除外されました。

(つまり、習慣的な過度のアルコール摂取による悪影響ではなく、比較的低用量のアルコール摂取による影響を調べています。)


33報が解析の対象となりました。

メンタルヘルスのアウトカムとして、

不安/うつ病、感情障害、内在化問題行動、行為障害などが調べられており、

全体の半数以上の研究において、

妊娠中のアルコール摂取と、児童のメンタルヘルス障害との間に有意な相関が見出されたということです。

以上、今回の系統的レビューから、

妊娠中のアルコール摂取は、

(胎児性アルコール症候群を生じるような過度のアルコール摂取や依存症ではなく)

比較的低用量のアルコール摂取であっても、児童のメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことが示唆されます。


妊娠中は少量であっても飲酒は避けましょう。

妊婦の飲酒は、胎児の形態異常や脳萎縮、胎児発育不全、妊婦のうつ症状の悪化を生じます。また、飲酒は、量や時期に関係なく、胎児に不可逆的な悪影響を及ぼす可能性も示されています。

妊娠中に多量に飲酒した母親から生まれた子どもに、特徴的な顔貌(不明瞭な人中/薄い上唇/短い眼瞼裂など)、発育の遅れ、中枢神経の障害といった兆候が見出され、1973年に「胎児性アルコール症候群, Fetal Alcohol Syndrome : FAS」と呼ばれるようになりました。


その後、FASでの特徴的な顔貌がなくても、胎児期にアルコールにさらされたことによる中枢神経の障害、具体的には、刺激への過反応、注意力の問題、変化への適応困難、学習障害、判断力の問題といった行動障害が確認されました。 


そこで、現在、妊娠中のアルコール暴露による胎児の障害は、「胎児性アルコール・スペクトラム障害、Fetal Alcohol Spectrum Disorders :FASD」と呼ばれるようになっています。
つまり、妊娠中のアルコール摂取による胎児の問題は、顔貌ではなく、脳に生じる、という視点の転換です。

 日本産婦人科学会の産婦人科診療ガイドライン産科編2017では、妊娠中の飲酒が取り上げられました。最近の研究によって、胎児性アルコール・スペクトラム障害(FASD)が、これまで考えられていたよりも多く存在することがわかっています。

そこで、妊婦健診では、飲酒習慣のある場合、なるべく早い時期にFASDの危険性などについて説明し、禁酒が指導されています。

かつて、妊婦の飲酒量については、1日エタノール換算で約15mL=ビール350mL缶1本程度(最小飲酒単位)であれば、児に影響はないと説明されることがありました。
しかし、現在では、少量であってもFASDの発症リスクがあるとされています。そのため、妊娠には、禁酒が指導されます。

また、産後においても禁酒が推奨されます。飲酒は、プロラクチンというホルモンの分泌を抑制し、乳汁の分泌量や授乳期間などのパフォーマンスを低下させるからです。




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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。


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