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植物性食品を中心とした食生活が慢性腎臓病を予防する [2019年05月07日(火)]
臨床腎臓病学の専門ジャーナル(電子版)に、植物性食品を中心とした健康的な食生活が、慢性腎臓病リスクを低下させることを示した疫学研究が、米国のグループ(Johns Hopkins University)から報告されていました。
(Clin J Am Soc Nephrol. 2019 Apr 25.)


慢性腎臓病(CKD)とは、

蛋白尿や腎機能異常(eGFRで判定)といった腎機能障害が3ヵ月以上持続する病態です。

特定の症状が出現することはほとんどありませんが、

CKDは、心筋梗塞など心血管イベントのリスクが高いことが知られています。



これまでの研究により、

適切に準備されたベジタリアン食は、生活習慣病の予防や改善に有用であることが示されています。


一般に、

植物性食品を中心とするベジタリアン食では、

抗酸化作用や抗炎症作用を含む機能性食品素材により、がんをはじめとする生活習慣病の予防効果が考えらます。


例えば、次の報告があります。

ベジタリアン食が糖尿病を改善する:メタ解析


さて、
今回の研究では、
植物ベースの食生活と、慢性腎臓病のリスクおよび腎機能との関連が検証されました。



具体的には、

中高年の14,686名を対象に、

植物ベース食品インデックス、

健康な植物ベース食のインデックスといった食事調査が行われ、

慢性腎臓病(CKD)の発症率や

腎機能の指標(eGFR)との関連が調べられました。 

(Atherosclerosis Risk in Communities studyという研究の一環です。)


24年間(中央値)のフォローアップ期間中、

4343名のCKDが見出されました。


健康的な植物ベース食生活のスコアで5分位での最高群は、

最低群に比べて、

CKD罹患率が14%有意に低下していました。
(HRQ5 versus Q1, 0.86; 95%CI, 0.78 to 0.96; P for trend =0.001)


また、
ベジタリアン食に準じた食事(provegetarian diet)では、CKDの罹患率について、10%の有意なリスク低減が見出されました。
(HRQ5 versus Q1, 0.90; 95% CI, 0.82 to 0.99; P for trend =0.03)


これに対して、
健康的なスコアの低い植物ベース食では、11%のリスク上昇が見出されました。
(HRQ5 versus Q1, 1.11; 95% CI, 1.01 to 1.21; P for trend =0.04)


その他、

健康的な植物ベース食では、

腎機能(eGFR)の低下が有意に抑制されました。


健康的な植物ベース食の遵守によって、CKDの4.1% (95% CI, 0.6% to 8.3%)が予防できると推計されました。


以上のコホート研究データから、

健康的な植物ベース食の遵守による慢性腎臓病の予防効果が示唆されます。




これまでの多くの研究によって、ベジタリアン食摂取群では、非ベジタリアン食摂取群よりも、生活習慣病リスクが低いことが知られています。



ベジタリアン食による心血管疾患リスク低下作用



ベジタリアン食による血圧低下作用@メタ解析


ベジタリアン食が糖尿病を改善する:メタ解析



アメリカ栄養士会(栄養と食事のアカデミー)の機関ジャーナルに、ベジタリアン食に関するポジションステートメントが掲載されています。

--- 米国・栄養と食事のアカデミー(Academy of Nutrition and Dietetics、前米国栄養士会から改名)は、
「適切に準備されたベジタリアン食及びビーガン食は、健康的であり、栄養学的に十分であり、いくつかの病気の予防や治療のために、健康上の好影響をもたらす、」
と考えます。

-- ベジタリアン食は、ライスサイクルのすべてのステージ、妊娠中、授乳中、乳幼児、小児、青少年、高齢者、アスリートのいずれにも適切です。

-- 植物性食品を中心とする食事は、動物性食品を多く摂る食事に比べて、より環境的に持続可能なものです。
(more environmentally sustainable)
 その理由は、より少ない天然資源を利用するため、環境負荷がより少ないことです。

-- ベジタリアン食およびビーガン食は、虚血性心疾患、2型糖尿病、高血圧、あるタイプのがん、肥満といった、いくつかの疾患のリスクを低下させます。

-- 飽和脂肪酸の摂取が少なく、野菜・果物・全粒穀類、豆類、大豆製品、種実類(これらはいずれも食物繊維とファイトケミカルが豊富)の摂取が多いことが、ベジタリアン食やビーガン食の特長であり、このため、総コレステロール値やLDL(悪玉)コレステロールが低く、血糖コントロールにも好影響を与えます。
これらの要因が、慢性疾患リスク低減に寄与します。

-- ただし、ビーガン食は、信頼性の高い、ビタミンB12の供給源(強化食品やサプリメント)の利用が必要です。


拙著でもベジタリアン食について、まとめています。

ときどきベジタリアン食のすすめ ビーガン、マクロビオテックから総合栄養学まで





なお、ベジタリアン食であれば何でも健康的になる、というわけではありません。


(例えば、野菜はナシで、パスタにチーズ、パンの組み合わせでも、ラクトオボにはなりますが。)


もちろん、栄養学的にバランスの取れた、適切なベジタリアン食を摂取することが重要です。



一般に、植物性食品の摂取が多いベジタリアン食では、ファイトケミカル・ポリフェノールの摂取が多く、抗酸化作用を介した生活習慣病の予防効果が想定されます。


北米の栄養士会が共同で発表した見解によると、「適切に準備されたベジタリアン食は、健康に有益であり、必要な栄養素を満たしており、いくつかの疾患の予防や治療にも利点がある」とされています。


実際、これまでの疫学研究によって、肉食をする人々に比べて、ベジタリアンでは生活習慣病が少ないことが示されています。

ベジタリアン食による具体的な効果として、肥満、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、高血圧、脂質異常症、糖尿病、前立腺がん、大腸がんの発症リスクが低下します。

また、日本人ベジタリアンを対象にした調査でも、ベジタリアンは、非ベジタリアンと比べて、体格指数(BMI)、血圧、血中総コレステロール値、中性脂肪値が有意に低いことが見出されています。




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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。



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