今月の疫学研究の専門ジャーナル(電子版)に、2型糖尿病患者において、脂質異常症に対する食事療法の有用性を検証した系統的レビュー/メタ解析が、ドイツのグループ(Heinrich Heine University Düsseldorf)から報告されていました。
(Eur J Epidemiol. 2019 Jun 14.)
今回の系統的レビュー/メタ解析では、
2型糖尿病患者における脂質異常症に対して、
異なる食事療法による有用性が検証されました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて、
2018年1月までの収載論文から、
2型糖尿病の成人患者を対象に、12週間以上の食事療法を行い、脂質代謝を調べたランダム化比較試験(RCT)が検索され、
52報のRCTから、
2型糖尿病患者5,360名が対象となり、
(44報がLDL、48報がHDL、52報が中性脂肪)
9種類の食事療法の脂質代謝への作用が検証されました。
(低脂肪食、ベジタリアン食、地中海食、高たんぱく食、中程度の炭水化物食、低炭水化物食、対照食、低GI/GL、パレオダイエット)
解析の結果、
まず、
LDLコレステロール値の低下効果が最も認められたのは、
ベジタリアン食でした。
[MD (95% CI): - 0.33 (- 0.55, - 0.12) mmol/L; 対照群との比較]
次に、
HDLコレステロール値の上昇は地中海食
[MD (95% CI): 0.09 (0.04, 0.15) mmol/L;対照群との比較]
中性脂肪値の低下も地中海食
[MD (95% CI): - 0.41 (- 0.72, - 0.10) mmol/L;対照群との比較]
が最も有用でした。
今回の系統的レビュー/メタ解析から、
2型糖尿病患者での脂質異常症に対しては、地中海食の有用性が示唆されます。
(surface under the cumulative ranking(SUCRA)確率法: 79%)
地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。
野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。
地中海食は、健康増進や疾病予防に有用であることが知られており、多くの研究によってエビデンスが示されています。
DHCでは、マインド食や地中海食に欠かせないエクストラバージンオリーブを扱っています。
DHCでは、
肥満・糖尿病・アンチエイジング・ヘルシーエイジング(健康長寿)のための食事として、
「‘ゆるやか’糖質制限」(緩やかな糖質制限食・低炭水化物食)を推奨しています。
最新の科学的根拠を俯瞰すると、
「緩やかな糖質制限食・低炭水化物食」を基本とした食生活が、
「ヘルシーエイジング(健康長寿)」
「ダイエット(適正体重の維持)」
「アンチエイジング(抗加齢)」
に有用であると考えられます。
地中海食やオリーブオイルの効能については、多くのエビデンスが報告されています。
地中海食で死亡率が半減する
低炭水化物(糖質制限)食と地中海食は低脂肪食よりも有効
オリーブオイルの摂取10gで全死亡率が7%低下
地中海食がメタボを抑制
バージンオリーブオイルとナッツ類を含む地中海食の抗炎症作用
バージンオリーブオイルの心臓病予防作用
オリーブオイルによる皮膚の老化抑制作用
地中海食による認知症予防効果
地中海食+CoQ10サプリによる抗酸化作用
超低炭水化物・地中海食による減量効果
地中海食による高尿酸血症リスクの低下
オリーブオイルによる動脈硬化抑制作用
バージンオリーブオイルによる骨代謝改善作用
オリーブオイルとナッツによる心血管リスク低下作用
伝統的地中海食による脂質代謝改善作用
オリーブオイルによる膀胱がんリスク低下
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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
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