サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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地球温暖化を生じるステーキ [2019年09月26日(木)]
ニューヨークで、国連気候行動サミットに出席した日本の環境大臣が、

ステーキ店に入って、毎日でも食べたい、

という発言をしたことが話題になっています。




肉食が地球温暖化の一因であることは、ずいぶん前から知られており、

私も、20年前に刊行した拙著「ベジタリアンの健康学」(丸善、1999年)で紹介しました。


その後、

「ベジタリアンの医学」(平凡社、2005年)


「ときどきベジタリアン食のすすめ ビーガン、マクロビオテックから総合栄養学まで」(日本評論社、2011年)


などの拙著でも記載しています。


食事の選択に関しては、

「健康にいい」かどうか、という話題が先行しがちですが、

温室効果ガス、フードマイレージなど、環境問題も関係してきます。

(より最近の話題では、食品ロス削減、プラスチック容器の廃止なども。)


ベジタリアン食を選ぶ理由について、

欧米では、

自らの健康のため、という理由が多く、

それに加えて、環境問題から、

という理由も知られています。

(これ以外では思想信条もあります。)



そのため、

今週、
国連気候行動サミットに出席した日本の環境大臣がステーキ店に入った、

という行動はちょっと、

ということになり、一部のメディアが報道しています。


(注目される政治家は、何をしてもいろいろ言われるので、つくづく大変な仕事だと思います。)


さて、改めて、肉食と地球温暖化に関する論文を読んでみました。


気候変動研究の専門ジャーナルに、温室効果ガスの排出に対する肉食、魚食、ベジタリアン食、ヴィーガン食の影響を検証した研究が、オックスフォード大学のグループから報告されていました。
(Clim Change. 2014;125(2):179-192)



畜産業などによる動物性食品の生産は、

植物性食品の生産と比べて、

温室効果ガス(greenhouse gas, GHG)の排出が多いことが知られています。




そこで、

今回の研究では、

肉食、魚食、ベジタリアン食、ビーガン(ヴィーガン)食について、GHG排出の相違が検証されました。


具体的には、

英国でのコホート研究(EPIC-Oxford cohort study)の一環として、


20-79歳の、

非ベジタリアン(肉食)29,589名

魚食(ペスコベジタリアン)8,123名、

ベジタリアン15,751名、

ビーガン2,041名を対象に、

質問票での食事調査が行われ、

英国で一般的な94品目の食品について、2,000kcalの食事と仮定して、GHG排出データが計算されました。



解析の結果、

年齢と性別で補正後、


一日あたりのGHG排出が、二酸化炭素(kg)に換算され、
(kgCO2e/day)


肉食の多い人(100 g以上/日)では、

7.19 (7.16, 7.22),


肉食が中程度の人(50-99 g/d)では、

5.63 (5.61, 5.65)


肉食が少ない人(50 g未満/d)では

4.67 (4.65, 4.70)


魚食では、
3.91 (3.88, 3.94)

ベジタリアン食では、
3.81 (3.79, 3.83)


ビーガンでは
2.89 (2.83, 2.94)

となっていました。

したがって、

温室効果ガスの排出量の視点から、

肉食が最も環境負荷が大きく、

魚食、

ベジタリアン食、

ビーガン食の順番に少なくなることが示唆されます。




これまでの多くの研究によって、ベジタリアン食摂取群では、非ベジタリアン食摂取群よりも、生活習慣病リスクが低いことが知られています。



ベジタリアン食による心血管疾患リスク低下作用



ベジタリアン食による血圧低下作用@メタ解析


ベジタリアン食が糖尿病を改善する:メタ解析



アメリカ栄養士会(栄養と食事のアカデミー)の機関ジャーナルに、ベジタリアン食に関するポジションステートメントが掲載されています。

--- 米国・栄養と食事のアカデミー(Academy of Nutrition and Dietetics、前米国栄養士会から改名)は、
「適切に準備されたベジタリアン食及びビーガン食は、健康的であり、栄養学的に十分であり、いくつかの病気の予防や治療のために、健康上の好影響をもたらす、」
と考えます。

-- ベジタリアン食は、ライスサイクルのすべてのステージ、妊娠中、授乳中、乳幼児、小児、青少年、高齢者、アスリートのいずれにも適切です。

-- 植物性食品を中心とする食事は、動物性食品を多く摂る食事に比べて、より環境的に持続可能なものです。
(more environmentally sustainable)
 その理由は、より少ない天然資源を利用するため、環境負荷がより少ないことです。

-- ベジタリアン食およびビーガン食は、虚血性心疾患、2型糖尿病、高血圧、あるタイプのがん、肥満といった、いくつかの疾患のリスクを低下させます。

-- 飽和脂肪酸の摂取が少なく、野菜・果物・全粒穀類、豆類、大豆製品、種実類(これらはいずれも食物繊維とファイトケミカルが豊富)の摂取が多いことが、ベジタリアン食やビーガン食の特長であり、このため、総コレステロール値やLDL(悪玉)コレステロールが低く、血糖コントロールにも好影響を与えます。
これらの要因が、慢性疾患リスク低減に寄与します。

-- ただし、ビーガン食は、信頼性の高い、ビタミンB12の供給源(強化食品やサプリメント)の利用が必要です。


拙著でもベジタリアン食について、まとめています。

ときどきベジタリアン食のすすめ ビーガン、マクロビオテックから総合栄養学まで



なお、ベジタリアン食であれば何でも健康的になる、というわけではありません。


(例えば、野菜はナシで、パスタにチーズ、パンの組み合わせでも、ラクトオボにはなりますが。)


もちろん、栄養学的にバランスの取れた、適切なベジタリアン食を摂取することが重要です。



一般に、植物性食品の摂取が多いベジタリアン食では、ファイトケミカル・ポリフェノールの摂取が多く、抗酸化作用を介した生活習慣病の予防効果が想定されます。


北米の栄養士会が共同で発表した見解によると、「適切に準備されたベジタリアン食は、健康に有益であり、必要な栄養素を満たしており、いくつかの疾患の予防や治療にも利点がある」とされています。


実際、これまでの疫学研究によって、肉食をする人々に比べて、ベジタリアンでは生活習慣病が少ないことが示されています。

ベジタリアン食による具体的な効果として、肥満、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、高血圧、脂質異常症、糖尿病、前立腺がん、大腸がんの発症リスクが低下します。

また、日本人ベジタリアンを対象にした調査でも、ベジタリアンは、非ベジタリアンと比べて、体格指数(BMI)、血圧、血中総コレステロール値、中性脂肪値が有意に低いことが見出されています。




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地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。



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