サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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肉食による環境問題に対する消費者の行動:系統的レビュー [2019年09月27日(金)]
昨日の地球温暖化を生じるステーキ [2019年09月26日(木)]に続いて、


環境問題と食事の選択の話題についての論文を読んでみました。


公衆衛生学の専門ジャーナルに、肉食によって生じる環境負荷への懸念に対する、消費者の態度について検証した系統的レビューが、米国のグループ(Loma Linda University)から報告されていました。
(Int J Environ Res Public Health. 2019 Apr 5;16(7).)



肉の消費は、地球温暖化の原因の一つです。

これは、ヒトの生存に必要なたんぱく質を、植物性食品から摂る場合、魚介類から摂る場合、畜産の肉から摂る場合で比較すると、

水資源などの使用による環境への負荷を比較した結果、

それぞれが、1:3:10の比であることから、よく知られている話題です。


一般に、健康に良い食事として、

地中海食の有用性が確立しており、

その特長は、

野菜や果物、ナッツ/豆類、魚介類、オリーブオイル、赤ワイン、(全粒穀類)の摂取が中心で、
畜産品は少ないことです。

また、赤身肉や加工肉の摂取は、がんリスクを高めることも確立しています。

したがって、

肉食は、環境から公衆衛生まで、多くの問題を生じうる選択肢です。


一方で、

食の嗜好などもあり、

消費者の食に対する行動変容を生じるには、

理由や動機に基づくポジティブな態度が必要です。


そこで、今回の系統的レビューでは、

環境問題への懸念に関連して、

肉の消費に対する消費者の態度や行動を調べた34報が対象となり、検証されました。


解析の結果、

消費者は、

肉食によって生じる地球環境への負荷を認識している消費者、

環境の理由から、、
すすんで、肉食を止める、
あるいは、
肉食を減らすという消費者、

さらに、

環境負荷への懸念という理由で、すでに、肉食を止めた、という消費者は、

まだ、少数派であることが見出されました。


しかし、

環境負荷に関連した動機付けは、

すでに欧米の消費者において、特定の肉の削減するための戦略を十分に訴えていることも見出されました。


なお、

環境負荷への懸念という理由で、

肉食を減らした人の特徴は、

・女性、

・若年者、

・(ビーガンやベジタリアンを自任するのではなく)単に肉食を減らした人、

・エコロジー志向の高い人、

・米国よりも欧州とアジアに住んでいる人

でした。


地球温暖化を生じるステーキ



肉食が地球温暖化の一因であることは、ずいぶん前から知られており、

私も、20年前に刊行した拙著「ベジタリアンの健康学」(丸善、1999年)で紹介しました。

その後、

「ベジタリアンの医学」(平凡社、2005年)


「ときどきベジタリアン食のすすめ ビーガン、マクロビオテックから総合栄養学まで」(日本評論社、2011年)

などの拙著でも記載しています。


食事の選択に関しては、

「健康にいい」かどうか、という話題が先行しがちですが、

温室効果ガス、フードマイレージなど、、環境問題も関係してきます。

(食品ロス削減、プラスチック容器の廃止なども。)


ベジタリアン食を選ぶ理由についても、

欧米では、

自らの健康のため、という理由が多く、

それに加えて、環境問題から、

という理由も知られています。

(これ以外では思想信条もあります。)




これまでの多くの研究によって、ベジタリアン食摂取群では、非ベジタリアン食摂取群よりも、生活習慣病リスクが低いことが知られています。



ベジタリアン食による心血管疾患リスク低下作用



ベジタリアン食による血圧低下作用@メタ解析


ベジタリアン食が糖尿病を改善する:メタ解析



アメリカ栄養士会(栄養と食事のアカデミー)の機関ジャーナルに、ベジタリアン食に関するポジションステートメントが掲載されています。

--- 米国・栄養と食事のアカデミー(Academy of Nutrition and Dietetics、前米国栄養士会から改名)は、
「適切に準備されたベジタリアン食及びビーガン食は、健康的であり、栄養学的に十分であり、いくつかの病気の予防や治療のために、健康上の好影響をもたらす、」
と考えます。

-- ベジタリアン食は、ライスサイクルのすべてのステージ、妊娠中、授乳中、乳幼児、小児、青少年、高齢者、アスリートのいずれにも適切です。

-- 植物性食品を中心とする食事は、動物性食品を多く摂る食事に比べて、より環境的に持続可能なものです。
(more environmentally sustainable)
 その理由は、より少ない天然資源を利用するため、環境負荷がより少ないことです。

-- ベジタリアン食およびビーガン食は、虚血性心疾患、2型糖尿病、高血圧、あるタイプのがん、肥満といった、いくつかの疾患のリスクを低下させます。

-- 飽和脂肪酸の摂取が少なく、野菜・果物・全粒穀類、豆類、大豆製品、種実類(これらはいずれも食物繊維とファイトケミカルが豊富)の摂取が多いことが、ベジタリアン食やビーガン食の特長であり、このため、総コレステロール値やLDL(悪玉)コレステロールが低く、血糖コントロールにも好影響を与えます。
これらの要因が、慢性疾患リスク低減に寄与します。

-- ただし、ビーガン食は、信頼性の高い、ビタミンB12の供給源(強化食品やサプリメント)の利用が必要です。


拙著でもベジタリアン食について、まとめています。

ときどきベジタリアン食のすすめ ビーガン、マクロビオテックから総合栄養学まで




なお、ベジタリアン食であれば何でも健康的になる、というわけではありません。


(例えば、野菜はナシで、パスタにチーズ、パンの組み合わせでも、ラクトオボにはなりますが。)


もちろん、栄養学的にバランスの取れた、適切なベジタリアン食を摂取することが重要です。



一般に、植物性食品の摂取が多いベジタリアン食では、ファイトケミカル・ポリフェノールの摂取が多く、抗酸化作用を介した生活習慣病の予防効果が想定されます。


北米の栄養士会が共同で発表した見解によると、「適切に準備されたベジタリアン食は、健康に有益であり、必要な栄養素を満たしており、いくつかの疾患の予防や治療にも利点がある」とされています。


実際、これまでの疫学研究によって、肉食をする人々に比べて、ベジタリアンでは生活習慣病が少ないことが示されています。

ベジタリアン食による具体的な効果として、肥満、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、高血圧、脂質異常症、糖尿病、前立腺がん、大腸がんの発症リスクが低下します。

また、日本人ベジタリアンを対象にした調査でも、ベジタリアンは、非ベジタリアンと比べて、体格指数(BMI)、血圧、血中総コレステロール値、中性脂肪値が有意に低いことが見出されています。




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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。



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