サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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ビタミンDはTreg(制御性T細胞)に作用し免疫調節作用を示す:系統的レビュー [2019年10月08日(火)]
科学誌プロスワンに、ビタミンD投与によるTreg(制御性T細胞)および免疫系への働きを検証した系統的レビューが、英国のグループから報告されていました。
(PLoS One. 2019 Sep 24;14(9):e0222313.)


ビタミンDは、免疫調節作用を有しており、インフルエンザ予防から、抗がん作用まで示されています。

ビタミンDの免疫調節作用は、一部が、Treg(制御性T細胞)を介するものであると考えられています。

Treg(制御性T細胞)は、免疫応答ではたらく制御細胞です。
具体的には、正常な細胞に対する誤った攻撃や破壊を防ぐために、免疫系を負に制御し、免疫系の恒常性の維持に働いている免疫細胞であり、この機能が低下すると自己免疫疾患にも関係します。


さて、今回の系統的レビューでは、

炎症性疾患あるいは自己免疫疾患を有する患者、あるいは健常者に


ビタミンDを投与したランダム化比較試験での作用が検証されました。


具体的には、

主要医学データベースを用いて関連論文が検索され、

(CENTRAL, MEDLINE, EMBASE, CINAHL, PUBMED and Web of Science)

自己免疫疾患患者対象の7報と、

健常者対象の1報の合計8報が解析の対象となりました。


解析の結果、

各試験の異質性のため、メタ解析は実施できませんでした。


まず、

自己免疫疾患患者において、

Tregsの割合を測定した5報では、

1報を除いて、

偽薬投与群に比べて、

ビタミンD投与群において、

12カ月後の時点で、Tregsの割合の増加が見出されました。


また、

健常者を対象にした試験では、

12週後の時点で、

偽薬群に比べて、

ビタミンD投与群において、

Tregs数の有意な上昇が見出されました。
(at 12 weeks, mean 6.4% (SD 0.8%) (vitamin D) vs 5.5% (1.0%) (placebo)

なお、
ビタミンDの他に、

ビタミンAやナイアシン、短鎖脂肪酸の投与試験も調べられましたが、これらの投与では、

Tregs数での有意な変化は見出されませんでした。


以上のデータから、

ビタミンDは、

健常者及び自己免疫疾患患者の両方において、

Tregs数を増加し、

Treg/CD3比を上昇することで、

Tregの機能を更新することが示唆されます。



一般に、
健康保持や疾病予防の目的で利用されるビタミンD3サプリメントの摂取量は、
1日あたり
25マイクログラム(1,000IU)から50マイクログラム(2,000IU)です。


ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。

多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。



日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。




DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、

臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、

という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。




DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。





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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。



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