今月の母子栄養学の専門ジャーナルに、中所得・低所得国において、母親の葉酸サプリメントの摂取による出産アウトカムへの有用性を検証した系統的レビュー/メタ解析が、カナダのグループから報告されていました。
(Matern Child Nutr. 2019 Nov 4:e12895.)
現在、日本では、低出生体重児の出生率の上昇が続いており、10%近くが該当します。
OECD加盟国の中では最も高率です。
理由としては、
母体の低栄養、痩せ過ぎ女性の問題、
不妊治療が増えて多胎児が増加し妊娠期間の継続が困難となり早産が増加、
妊娠分娩管理の改善や周産期医療体制の整備が進んだことで、22週以降の超低出生体重児が積極的に入院管理されるようになったことなど
があげられます。
(なお、超低出生体重児の場合、重度の発育遅滞が20%と高率であり、問題となります。)
葉酸は、核酸合成に必須であり、かつ、エピジェネティックな変化においてメチル基の供与体となることから、葉酸不足は、子宮内発育遅延、低出生体重児の原因となります。
さて、
今回の系統的レビュー/メタ解析では、
中所得国および低所得国において、
妊娠中の葉酸サプリメントの摂取と、出産アウトカムへの作用が検証さ真下。
具体的には、
関連論文が検索され、
17報(13報のコホート研究、4報のランダム化比較試験)から、
275,421例が対象となり、
低出生体重児、子宮内発育遅延(SGA)、平均出生体重の3つのアウトカムが調べられました。
解析の結果、
まず、9報での出生体重の平均では、
対照群に比べて、葉酸サプリメント摂取群では、
0.37 kg有意に高値でした。
(95% CI: 0.24 to 0.50)
この効果は、ランダム化比較試験(3報)にてより顕著でした。
(0.56, 95% CI: 0.15 to 0.97, n = 3)
次に、
低出生体重児の割合は、
対照群に比べて、
葉酸サプリメントの摂取群において、
41%低下していました。
(OR;0.59, 95% CI: 0.47 to 0.74, n = 10)
さらに、
SGAリスクは、
対照群に比べて、
葉酸サプリメントの摂取群にて、
37%の低下が見出されました。
(OR; 0.63, 95% CI: 0.39 to 1.01, n = 5)
以上の系統的レビュー/メタ解析から、
中所得国・低所得国において、
葉酸サプリメントの摂取により、
低出生体重児リスクの低下、子宮内発育遅延リスクの低下が示唆されます。
妊娠初期の葉酸不足は、胎児の先天奇形を生じることから、
妊娠を考える女性では、葉酸サプリメントの摂取が必須です。
また、葉酸不足や高ホモシステイン血症は、先天奇形だけではなく、不育症、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、常位胎盤早期剥離、早産のリスクを高めることもわかっています。
DHCは、
健やか親子21(第2次)の応援メンバーとして参画し、
葉酸サプリメントの啓発と頒布を行っています。
【株式会社ディーエイチシー】
健やかな妊娠と出産のために、 葉酸サプリメントの啓発に取り組んでいます
http://sukoyaka21.jp/archives/5901
DHC葉酸サプリメントは、マーケットシェア第1位であり、
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妊娠を考える女性では、胎児の神経管閉鎖障害リスクを減らすために、合成の葉酸サプリメントの摂取が推奨されています。
また、食事由来の葉酸は不安定であり、吸収率が50%と低いので、合成の葉酸サプリメントの摂取が、厚生労働省により推奨されています。
葉酸サプリメントは、
妊娠の4週間前から妊娠12週までの摂取が薦められていますので、
妊娠がわかってからではなく、妊娠を考えている女性はすべて摂取、となります。
(葉酸サプリメントを1日400マイクログラム)
(日本では母子手帳に葉酸サプリメントの必要性が記載されていますが、そのタイミングでは本来の意図からは遅すぎます。)
エコチル調査に関しては、次の報告があります。
日本での神経管閉鎖障害(二分脊椎症など)の発症率:エコチル調査
葉酸サプリメントを適切に摂取している妊婦はわずか8%!@エコチル調査アップデート
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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果
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